FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.3-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.2-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
コマンド/キーワード:
日本語マニュアル RELEASE :
セクション:
Table of Contents
名称 | 書式 | 解説 | オプション | 環境変数 | 終了ステータス | 使用例 | 互換性 | セキュリティ | 関連項目 | 規格 | 歴史 | バグ
TAR(1)                  FreeBSD 一般コマンドマニュアル                  TAR(1)

名称
     tar -- テープアーカイブを操作する

書式
     tar [bundled-flags <args>] [<file> | <pattern> ...]
     tar {-c} [options] [files | directories]
     tar {-r | -u} -f archive-file [options] [files | directories]
     tar {-t | -x} [options] [patterns]

解説
     tar は、ストリーミングアーカイブファイルを作成して、操作します。この実装
     は、tar, pax, cpio, zip, jar, ar, xar, rpm, 7-zip と ISO 9660 cdrom イ
     メージから抽出することができ、tar, pax, cpio, ar, zip, 7-zip shar アーカ
     イブを作成することができます。

     最初の書式の形式は、``バンドルされた'' (bundled) オプションの単語を示しま
     す。この使用法は、歴史的な実装との互換性のために提供されています。詳細に
     ついては、下記の「互換性」を参照してください。

     その他の書式の形式は、好ましい使用法を示します。tar への最初のオプション
     は、次のリストのモード指示子です:
     -c      指定されたアイテムを含んでいる、新しいアーカイブを作成します。長
             いオプション形式は、--create です。
     -r      -c に似ていますが、新しいエントリは、アーカイブに追加されます。こ
             れは、通常のファイルに格納された圧縮されていないアーカイブでのみ
             動作することに注意してください。-f オプションが必要です。長いオプ
             ション形式は、--append です。
     -t      標準出力にアーカイブの内容をリストします。長いオプション形式は、
             --list です。
     -u      -r に似ていますが、新しいエントリは、それらが、アーカイブに対応し
             ているエントリより新しい更新日付がある場合のみ、追加されます。こ
             れは、通常のファイルに格納された圧縮されていないアーカイブでのみ
             動作することに注意してください。-f オプションが必要です。長い形式
             は、--update です。
     -x      アーカイブからディスクに抽出します。同じ名前があるファイルがアー
             カイブに複数回現れるなら、各コピーは、後のコピーが、初期のコピー
             を (置き換えて) 上書きして抽出されます。長いオプション形式は、
             --extract です。

     -c, -r または -u モードで、それぞれ指定されたファイルまたはディレクトリ
     は、コマンド行で指定された順序でアーカイブに追加されます。デフォルトで、
     各ディレクトリの内容もアーカイブされます。

     抽出またはリストモードで、コマンド行全体は、アーカイブがオープンされる前
     に、読み込まれ、解析されます。コマンド行のパス名またはパターンは、アーカ
     イブのどのアイテムが処理されるべきであるかを示します。パターンは、tcsh(1)
     で文書化されるようにシェルスタイルのグロブ (ファイル名置換) パターンで
     す。

オプション
     明記していないオプションは、全ての操作モードに適用可能です。

     @archive
             (c と r モードのみ) 指定されたアーカイブがオープンされ、そのエン
             トリが現在のアーカイブに追加されます。簡単な例として、
                   tar -c -f - newfile @original.tar
             ではファイル newfile と、original.tar の全てのエントリを含む、新
             しいアーカイブを標準出力に書き込みます。対照的に、
                   tar -c -f - newfile original.tar
             では、二つのエントリのみの新しいアーカイブを作成します。また、
                   tar -czf - --format pax @-
             では標準入力からアーカイブを読み込み (形式は、自動的に判別)、gzip
             で圧縮した pax 形式のアーカイブに変換して、標準出力に出力します。
             このように、tar は、アーカイブの形式を別のものに変換するために使
             用することができます。

     -a, --auto-compress
             (c モードのみ) 1 組の書式と圧縮を決定するアーカイブ接尾辞を使用し
             ます。単純な例として、
                   tar -a -cf archive.tgz source.c source.h
             は、制限された pax 形式と gzip 圧縮で新しいアーカイブを作成し、
                   tar -a -cf archive.tar.bz2.uu source.c source.h
             は、制限された pax 形式と bzip2 圧縮と uuencode 圧縮で新しいアー
             カイブを作成し、
                   tar -a -cf archive.zip source.c source.h
             は、zip 形式で新しいアーカイブを作成し、
                   tar -a -jcf archive.tgz source.c source.h
             は、``-j'' オプションを無視し、制限された pax 形式と gzip 圧縮で
             新しいアーカイブを作成し、
                   tar -a -jcf archive.xxx source.c source.h
             は、それが未知の接尾辞か、または接尾辞がないなら、制限された pax
             形式と bzip2 圧縮で新しいアーカイブを作成します。

     --acls  (c, r, u, x モードのみ) アーカイブまたは抽出された POSIX.1e また
             は NFSv4 ACLs。これは、c、r と u モード (Mac OS X を除いて) のデ
             フォルトの振る舞いであるか、または tar が、root として x モードで
             実行しているなら、--no-acls の逆です。Mac OS X で、このオプション
             は、拡張された ACLs から NFSv4 ACLs に変換します。拡張された ACLs
             を格納するためには、--mac-metadata オプションが、好まれます。

     -B, --read-full-blocks
             他の tar(1) の実装との互換性のために無視されます。

     -b blocksize, --block-size blocksize
             テープドライブ I/O のための、512 バイトレコード単位のブロックサイ
             ズを指定します。原則として、この引数は、テープドライブから読み込
             むか、またはテープドライブに書き込むときだけ必要とされ、通常、20
             レコード (10240 バイト) のデフォルトのブロックサイズが極めて一般
             的であるときでさえ、必要とされません。

     -C directory, --cd directory, --directory directory
             c と r モードでは、続くファイルを追加する前に、ディレクトリを変更
             します。x モードでは、アーカイブをオープンした後で、アーカイブか
             ら抽出する前に、ディレクトリを変更します。

     --chroot
             (x モードのみ) 任意の -C オプションを処理した後、および任意のファ
             イルを抽出する前にカレントディレクトリを chroot() します。

     --clear-nochange-fflags
             (x モードのみ) それらを置き換えるためにファイルシステムを削除する
             前に、削除を防止するプラットフォーム特有のファイルフラグをクリア
             します。

     --exclude pattern
             指定されたパターンに一致しているファイルまたはディレクトリを処理
             しません。例外は、コマンド行で指定されたパターンまたはファイル名
             に優先することに注意してください。

     --fflags
             (c, r, u, x モードのみ) アーカイブまたは抽出されたファイルのフラ
             グ。これは、c、r と u モードのデフォルトの振る舞いであるか、また
             は tar が、x モードで実行しているなら、--no-fflags の逆です。

     --format format
             (c, r, u モードのみ) 作成されるアーカイブのために指定された形式を
             使用します。サポートされる形式は、``cpio'', ``pax'', ``shar'' と
             ``ustar'' を含みます。他の形式も、またサポートされます。現在サ
             ポートされる形式の詳細については、libarchive-formats(5) を参照し
             てください。r と u モードで、既存のアーカイブを拡張するとき、ここ
             で指定された形式は、ディスク上の既存のアーカイブの形式と互換性が
             なければなりません。

     -f file, --file file
             指定されたファイルからアーカイブを読み込むか、または指定された
             ファイルにアーカイブを書き込みます。ファイル名は、標準入力または
             標準出力に対して - を指定することができます。デフォルトは、システ
             ムによって変わります。FreeBSD では、デフォルトは、/dev/sa0 です。
             Linux では、デフォルトは、/dev/st0 です。

     --gid id
             提供されたグループ ID 番号を使用します。抽出のときに、これは、
             アーカイブのグループ ID を上書きします。アーカイブのグループ名
             は、無視されます。作成のとき、これは、ディスクから読み込むグルー
             プ ID を上書きします。また、--gname が指定されないなら、グループ
             名は、グループ ID にマッチするように設定されます。

     --gname name
             提供されたグループ名を使用します。抽出のときに、これは、アーカイ
             ブのグループ名を上書きします。提供されたグループ名がシステムに存
             在していななら、(アーカイブまたは --gid オプションからの) グルー
             プ ID が代わりに使用されます。作成のとき、これは、アーカイブに格
             納されるグループ名を設定します。名前は、システムグループデータ
             ベースに対して検証されません。

     -H      (c と r モードのみ) コマンド行で指定されたシンボリックリンクをた
             どります。リンク自体ではなく、リンクのターゲットが、アーカイブさ
             れます。

     -h      (c と r モードのみ) -L と同義語です。

     -I      -T と同義語です。

     --help  使用法を表示します。

     --hfsCompression
             (x モードのみ) Mac OS X 特有 (v10.6 以降)。HFS+ 圧縮で抽出された
             通常ファイルを圧縮します。

     --ignore-zeros
             GNU tar との互換性のための --options read_concatenated_archives
             の別名。

     --include pattern
             指定されたパターンと一致しているファイルまたはディレクトリだけを
             処理します。--exclude で指定された除外が、含めるものより優先する
             ことに注意してください。含まれるものが明示的に指定されないなら、
             すべてのエントリがデフォルトで処理されます。--include オプション
             は、アーカイブをフィルタリングするとき、特に役に立ちます。例え
             ば、コマンド
                   tar -c -f new.tar --include='*foo*' @old.tgz
             は、文字列 `foo' を含んでいる old.tgz からエントリだけを含んでい
             る新しいアーカイブ new.tar を作成します。

     -J, --xz
             (c モードのみ) 結果のアーカイブを xz(1) で圧縮します。抽出または
             リストモードで、このオプションは、無視されます。この tar 実装は、
             アーカイブを読み込むとき、自動的に XZ 圧縮を認識していることに注
             意してください。

     -j, --bzip, --bzip2, --bunzip2
             (c モードのみ) bzip2(1) で結果のアーカイブを圧縮します。抽出また
             はリストモードで、このオプションは、無視されます。この tar 実装
             は、アーカイブを読み込むとき、自動的に bzip2 圧縮を認識しているこ
             とに注意してください。

     -k, --keep-old-files
             (x モードのみ) 既存のファイルに上書きしません。特に、ファイルが
             アーカイブに複数回現れるなら、後のコピーは、前のコピーを上書きし
             ません。

     --keep-newer-files
             (x モードのみ) 抽出されるアーカイブに出現するバージョンより新しい
             既存のファイルを上書きしません。

     -L, --dereference
             (c と r モードのみ) すべてのシンボリックリンクをたどります。通
             常、シンボリックリンクは、そのようなものとしてアーカイブされま
             す。このオプションで、リンクのターゲットが、代わりにアーカイブさ
             れます。

     -l, --check-links
             (c と r モードのみ) 各ファイルへのすべてのリンクがアーカイブされ
             ていないいなら、警告メッセージを発行します。

     --lrzip
             (c モードのみ) lrzip(1) で結果のアーカイブを圧縮します。抽出モー
             ドまたはリストモードで、このオプションは、無視されます。この tar
             実装は、アーカイブを読み込むとき、自動的に lrzip 圧縮を認識してい
             ることに注意してください。

     --lz4   (c モードのみ) それを書き込む前に、lz4 互換の圧縮でアーカイブを圧
             縮します。抽出またはリストモードで、このオプションは、無視されま
             す。この tar 実装は、アーカイブを読み込むとき、自動的に zstd 圧縮
             を認識していることに注意してください。

     --zstd  (c モードのみ) それを書き込む前に、zstd 互換の圧縮でアーカイブを
             圧縮します。抽出またはリストモードで、このオプションは、無視され
             ます。この tar の実装は、アーカイブを読み込むとき、自動的に zstd
             圧縮を認識することに注意してください。

     --lzma  (c モードのみ) オリジナルの LZMA アルゴリズムで結果のアーカイブを
             圧縮します。抽出またはリストモードで、このオプションは、無視され
             ます。このオプションの使用は、お勧めできません、新しいアーカイブ
             は、代わりに --xz で作成されるべきです。この tar 実装は、アーカイ
             ブを読み込むとき、自動的に LZMA 圧縮を認識していることに注意して
             ください。

     --lzop  (c モードのみ) lzop(1) で結果のアーカイブを圧縮します。抽出モード
             またはリストモードで、このオプションは、無視されます。この tar 実
             装は、アーカイブを読み込むとき、自動的に LZO 圧縮を認識しているこ
             とに注意してください。

     -m, --modification-time
             (x モードのみ) 更新時刻を抽出しません。デフォルトで、更新時刻は、
             アーカイブに格納された時刻に設定されます。

     --mac-metadata
             (c, r, u and x モードのみ) Mac OS X 特有。AppleDouble 形式の
             copyfile(3) を使用するアーカイブまたは抽出された拡張 ACLs と拡張
             された属性。これは、--no-mac-metadata の逆です。そして、c、r と u
             モードのデフォルトの振る舞い、または tar が、root としての x モー
             ドで実行される場合。

     -n, --norecurse, --no-recursion
             (c, r, u モードのみ) ディレクトリ内のファイルを再帰的にアーカイブ
             しません。

     --newer date
             (c, r, u モードのみ) 指定された日付よりも新しいファイルとディレク
             トリのみ対象とします。ctime エントリを比較します。

     --newer-mtime date
             (c, r, u モードのみ) --newer と似ていますが、ctime エントリではな
             く、mtime エントリを比較します。

     --newer-than file
             (c, r, u モードのみ) 指定されたファイルよりも新しいファイルとディ
             レクトリのみ対象とします。ctime エントリを比較します。

     --newer-mtime-than file
             (c, r, u モードのみ) --newer-than と似ていますが、ctime エントリ
             ではなく、mtime エントリを比較します。

     --nodump
             (c と r モードのみ) nodump ファイルフラグを尊重して、このファイル
             をスキップします。

     --nopreserveHFSCompression
             (x モードのみ) Mac OS X 特有 (v10.6 以降)。アーカイブされる前に
             HFS+ 圧縮で圧縮された抽出された通常ファイルを圧縮しません。デフォ
             ルトで、HFS+ 圧縮で通常ファイルを再び圧縮します。

     --null  (-I または -T で使用) ファイル名またはパターンは、改行によってで
             はなく、ヌル文字によって区切られます。これは、find(1) への
             -print0 オプションによってファイル名の出力を読み込むためにしばし
             ば使用されます。

     --no-acls
             (c, r, u, x モードのみ) POSIX.1e または NFSv4 ACLs をアーカイブも
             抽出もしません。これは、--acls の逆で、tar が x モードで root 以
             外として実行されるなら、(Mac OS X での c、r、u と x モードのあら
             ゆるユーザとして) デフォルトの振る舞いです。

     --no-fflags
             (c, r, u, x モードのみ) ファイルフラグをアーカイブも抽出もしませ
             ん。これは、--fflags の逆で、tar が x モードで root 以外として実
             行されるなら、デフォルトの振る舞いです。

     --no-mac-metadata
             (x モードのみ) Mac OS X 特有。AppleDouble 形式の copyfile(3) を使
             用して、ACLs と拡張された属性をアーカイブも抽出もしません。これ
             は、--mac-metadata の逆です。そして、tar が、x モードの root 以外
             として実行される場合のデフォルトの振る舞いです。

     -n, --norecurse, --no-recursion

     --no-same-owner
             (x モードのみ) 所有者とグループ ID を抽出しません。これは、
             --same-owner の逆で、tar が root 以外のユーザで実行されているな
             ら、デフォルトの振る舞いです。

     --no-same-permissions
             (x モードのみ) 全部のパーミッション (SGID、SUID、スティッキビッ
             ト、ACL、拡張属性または拡張ファイルフラグ) を抽出しません。これ
             は、-p の逆で、tar が root 以外のユーザで実行されているなら、デ
             フォルトの振る舞いです。

     --no-xattrs
             (c, r, u, x モードのみ) 拡張された属性をアーカイブも抽出もしませ
             ん。これは、--xattrs の逆で、tar が x モードで root 以外として実
             行されるなら、デフォルトの振る舞いです。

     --numeric-owner
             これは、--uname "" --gname "" と同等です。抽出のとき、それによっ
             て、アーカイブのユーザとグループ名は、数値ユーザとグループ ID を
             優先して無視されます。作成のとき、それによって、ユーザとグループ
             名は、アーカイブに格納されません。

     -O, --to-stdout
             (x, t モードのみ) 抽出 (-x) モードで、ファイルは、ディスクに抽出
             されずに標準出力に書き込まれます。リスト (-t) モードで、ファイル
             のリストは、通常の標準出力でなく標準エラーに書き込まれます。

     -o      (x モード) アーカイブで指定されたものでなく、プログラムを実行して
             いるユーザのユーザとグループを使用します。-p が指定されず、プログ
             ラムが、root ユーザによって実行されていないなら、これは、意味がな
             いことに注意してください。この場合に、アーカイブからファイルモー
             ドとフラグは、復元されますが、アーカイブの ACL または所有者情報
             は、破棄されます。

     -o      (c, r, u モード) --format ustar と同義語です。

     --older date
             (c、r、u モードのみ) 指定された日付より古いファイルとディレクトリ
             のみを含めます。これは、ctime エントリを比較します。

     --older-mtime date
             (c、r、u モードのみ) ctime エントリの代わりに mtime エントリを比
             較することを除いて、--older と同様です。

     --older-than file
             (c、r、u モードのみ) 指定されたファイルより古いファイルとディレク
             トリのみを含めます。これは、ctime エントリを比較します。

     --older-mtime-than file
             (c、r、u モードのみ) ctime エントリの代わりに mtime エントリを比
             較することを除いて、--older-than, と同様です。

     --one-file-system
             (c, r と u モード) マウントポイントを交差しません。

     --options options
             特定のモジュールのためのオプションの振る舞いを選択する。引数は、
             コンマで区切られたされたキーワードと値を含むテキスト文字列です。
             これらは、それらの形式がどのように振る舞うかを制御するために特定
             の形式を取り扱うモジュールに渡されます。各オプションには、次の形
             式の 1 つがあります:
             key=value
                     key は、それをサポートするすべてのモジュールで指定された
                     値に設定されます。このキーをサポートしないモジュールは、
                     それを無視します。
             key     key は、それをサポートするすべてのモジュールで有効にされ
                     ます。これは、key=1 と同等です。
             !key    key は、それをサポートするすべてのモジュールで無効とされ
                     ます。
             module:key=value, module:key, module:!key
                     上記の通りですが、対応するキーと値は、名前が module に
                     マッチしているモジュールだけ提供されます。
             現在サポートされるモジュールとキーは、次のの通りです:
             iso9660:joliet
                     Joliet 拡張をサポートします。これは、デフォルトで有効にさ
                     れ、無効にするためには、!joliet または iso9660:!joliet を
                     使用します。
             iso9660:rockridge
                     ロックリッジ (Rock Ridge) 拡張をサポートします。これは、
                     デフォルトで有効にされ、無効にするためには、!rockridge ま
                     たは iso9660:!rockridge を使用します。
             gzip:compression-level
                     gzip 圧縮レベルを指定する 1 から 9 の 10 進整数。
             gzip:timestamp
                     格納タイムスタンプ。これは、デフォルトで有効です、無効に
                     するためには、!timestamp または gzip:!timestamp を使用し
                     ます。
             lrzip:compression=type
                     圧縮メソッドとして type を使用します。サポートされる値
                     は、bzip2、gzip、lzo (超高速) と zpaq (最良、非常に遅い)
                     です。
             lrzip:compression-level
                     lrzip 圧縮レベルを指定する 1 から 9 までの 10 進の整数。
             lz4:compression-level
                     lzop 圧縮レベルを指定している 1 から 9 までの 10 進整数。
             lz4:stream-checksum
                     ストリームのチェックサムを有効にします。これは、デフォル
                     トで、無効にするために lz4:!stream-checksum を使用しま
                     す。
             lz4:block-checksum
                     ブロックのチェックサムを有効にします (デフォルトで無効に
                     されます)。
             lz4:block-size
                     lz4 圧縮ブロックサイズを指定している 4 から 7 までの 10
                     進整数 (7 は、デフォルトで設定されます)。
             lz4:block-dependence
                     圧縮比率を改善するために圧縮されたディクショナリのための
                     圧縮されているブロックの以前のブロックを使用します。
             zstd:compression-level
                     zstd 圧縮レベルを指定している 1 から 22 までの 10 進数の
                     整数。
             lzop:compression-level
                     lzop 圧縮レベルを指定する 1 から 9 までの 10 進の整数。
             xz:compression-level
                     xz 圧縮レベルを指定する 0 から 9 の 10 進整数。
             mtree:keyword
                     mtree ライタモジュールによって、利用者は、どの mtree キー
                     ワードが出力中に含まれるかを指定できます。サポートしてい
                     るキーワードは、次の通りです: cksum, device, flags, gid,
                     gname, indent, link, md5, mode, nlink, rmd160, sha1,
                     sha256, sha384, sha512, size, time, uid, uname。デフォル
                     トは、次と同等です: ``device, flags, gid, gname, link,
                     mode, nlink, size, time, type, uid, uname''。
             mtree:all
                     上記のキーワードのすべてを有効にする。また、利用者は、す
                     べてのキーワードを無効にするために mtree:!all を使用でき
                     ます。
             mtree:use-set
                     出力中に /set 行の生成を有効にします。
             mtree:indent
                     段付け (indent) オプションと 80 カラムに適合するように行
                     を分割することによって、人間に読み込み可能な出力を生成し
                     ます。
             zip:compression=type
                     圧縮メソッドとして type を使用します。サポートされている
                     値は、store (復元される) と deflate (gzip アルゴリズム)
                     です。
             zip:encryption
                     伝統的な zip 暗号化を使用する暗号化を有効にします。
             zip:encryption=type
                     暗号化タイプとして type を使用します。サポートされる値
                     は、zipcrypt (伝統的な zip 暗号化)、aes128 (WinZip
                     AES-128 暗号化) と aes256 (WinZip AES-256 暗号化) です。
             read_concatenated_archives
                     複数の tar アーカイブがともに連結されたときに起こる、アー
                     カイブの 0 クリアされたブロックを無視します。このオプショ
                     ンなしで、最初の連結されたアーカイブの内容だけが読み込ま
                     れます。このオプションは、GNU tar の -i, --ignore-zeros
                     オプションに似ています。
             提供されたオプションが任意のモジュールでサポートされないなら、そ
             れは、致命的なエラーです。

     -P, --absolute-paths
             パス名を保持します。デフォルトで、絶対パス名 (/ 文字で始まるもの)
             は、アーカイブを作成するとき、とそれらを抽出するときの両方で先導
             するスラッシュが削除されます。また、tar は、.. を含んでいるパス名
             またはターゲットディレクトリがシンボリックリンクによって変更され
             るアーカイブエントリを抽出することを拒否します。このオプション
             は、これらの振る舞いを抑制します。

     -p, --insecure, --preserve-permissions
             (x モードのみ) ファイルのパーミッションを保持します。アーカイブか
             ら抽出されたアイテムごとに、利用可能であるなら、所有者、ファイル
             モード、ACLs、拡張された属性と拡張されたファイルフラグを含んで、
             完全なパーミッション復旧することを試みます。これは、--no-same-
             permissions の逆で、tar が root で実行されているなら、デフォルト
             です、そして --no-acls, --no-fflags, --no-mac-metadata または
             --no-xattrs も指定することによって部分的に上書きすることができま
             す。

     --passphrase passphrase
             passphrase は、暗号化されたアーカイブを抽出するか、または作成する
             ために使用されます。現在、zip は、暗号化をサポートする唯一のサ
             ポートされた形式です。利用者が、どのくらい、このオプションの使用
             が安全でないかを理解しない限り、このオプションを使用するべきでは
             ありません。

     --posix
             (c, r, u モードのみ) --format pax と同義語です。

     -q, --fast-read
             (x と t モードのみ) 各パターンまたはファイル名のオペランドにマッ
             チする最初のアーカイブエントリだけを、抽出するか、またはリストし
             ます。それぞれ指定されたパターンまたはファイル名がマッチするとす
             ぐに終了します。デフォルトで、アーカイブは、同じ名前の複数のエン
             トリがあるかもしれなくて、慣例により後のエントリが前のエントリを
             上書きするので、常に最後まで読み込まれます。このオプションは、性
             能の最適化として提供されています。

     -S      (x モードのみ) スパースファイルとしてファイルを抽出します。ディス
             ク上のすべてのブロックに関して、最初に、ヌルバイトだけを含むかど
             うかチェックして、そうでなければ、抽出します。これは、dd の
             conv=sparse オプションと同様に動作します。

     -s pattern
             pattern (パターン) に従って、ファイルまたはアーカイブメンバ名を変
             更します。パターンは、形式 /old/new/[ghHprRsS] で、ここで old
             は、基本的な正規表現、new は、マッチした部分の置き換え文字列で
             す、そしてオプションの後続する文字は、置き換えがどのように操作さ
             れるかを変更します。old がマッチしないなら、パターンは、スキップ
             されます。new 内の ~ は、マッチしたものに置き換えられ、\1 から \9
             は、対応する捕獲されたグループの内容です。オプションの後続する g
             は、マッチがマッチされた部分の後の続くべきであることを指定し、最
             初のマッチしないパターンで停止します。オプションの後続する s は、
             パターンがシンボリックリンクの値に適用されることを指定します。オ
             プションの後続する p は、成功した置換の後に、オリジナルのパス名と
             新しいパス名が標準エラーに印刷 (表示) されるべきであることを指定
             します。オプションの後続する H、R または S 文字は、ハードリンクの
             ターゲット、通常のファイル名またはシンボリックリンクのターゲット
             のための置き換えを抑制します。オプションの後続する h、r または s
             文字は、ハードリンクのターゲット、通常のファイル名またはシンボ
             リックリンクのターゲットのための置き換えを有効にします。デフォル
             トは、すべての名前の置き換えを適用する hrs です。特に、h、r また
             は s を指定することは決して必要ではありません。

     --same-owner
             (x モードのみ) 所有者とグループ ID を抽出します。これは、--no-
             same-owner と逆で、tar が root として実行されているなら、デフォル
             トの振る舞いです。

     --strip-components count
             先導されるパスの要素の指定された数を削除します。要素が少ないパス
             名は、黙ってスキップされます。パス名は、含有/除外パターンのチェッ
             クの後でセキュリティチェックの前に編集されることに注意してくださ
             い。

     -T filename, --files-from filename
             x または t モードでは、tar は、展開される名前のリストを filename
             から読み込みます。c モードでは、tar は、アーカイブされる名前を
             filename から読み込みます。特別な名前である ``-C'' からなる行に
             は、カレントディレクトリをその次の行で指定されたディレクトリに変
             更する作用があります。--null が指定されない限り、名前は、改行で終
             ります。なお --null は、``-C'' を含む行の特別な取扱いを無効にする
             ことに注意してください。注: 利用者が find(1) を使用して、ファイル
             のリストを生成しているなら、同様に -n を、おそらく使用することを
             必要とします。

     --totals
             (c, r, u モードのみ) すべてのファイルを格納した後に、stderr に概
             要を印刷 (表示) します。

     -U, --unlink, --unlink-first
             (x モードのみ) ファイルを作成する前に、ファイルを削除します。これ
             は、ほとんどのファイルが既に存在しているなら、少しの動作で最適化
             することができますが、ほとんどのファイルがまだ存在していないな
             ら、状況は、より遅くなるかもしれません。また、このフラグによっ
             て、tar は、エラーを報告する代わりに介在するシンボリックのディレ
             クトリを削除します。その他の詳細については、下記の「セキュリ
             ティ」セクションを参照してください。

     --uid id
             提供されたユーザ ID 番号を使用し、アーカイブからのユーザ名を無視
             します。作成するときに、--uname がまだ指定されていないなら、ユー
             ザ名は、マッチするユーザ ID に設定されます。

     --uname name
             提供されたユーザ名を使用します。抽出のときに、これは、アーカイブ
             のユーザ名を上書きします。提供されたユーザ名がシステムの上に存在
             していないなら、それは、無視され、(アーカイブまたは --uid オプ
             ションからの) ユーザ ID が、代わりに使用されます。作成するとき
             に、これは、アーカイブに格納されているユーザ名に設定します。名前
             は、システムユーザデータベースに対して検証されません。

     --use-compress-program program
             組み込みの圧縮サポートを使用する代わりに program を通して (x また
             は t モードでの) 入力、または (c モードで) 出力をパイプで渡しま
             す。

     -v, --verbose
             冗長な出力を表示します。作成及び展開モードにおいて、tar は、アー
             カイブに書き込み、またはアーカイブから読み出した各ファイルの名前
             をそのままリスト表示します。リストモードにおいて、tar は、ls(1)
             に似た出力を表示します。また、追加の -v オプションは、作成と抽出
             モードで ls に似たの詳細を提供しています。

     --version
             tarlibarchive のバージョンを印刷して、終了します。

     -w, --confirmation, --interactive
             すべてのアクションに対して確認を問い合わせます。

     -X filename, --exclude-from filename
             指定されたファイルから除外パターンのリストを読み込みます。例外の
             処理に関する詳細については、--exclude を参照してください。

     --xattrs
             (c, r, u, x モードのみ) アーカイブまたは抽出された拡張属性。これ
             は、c、r、と u モードのデフォルトの振る舞いまたは tar が、root と
             して x モードで実行しているなら、--no-xattrs の逆です。

     -y      (c モードのみ) bzip2(1) で結果のアーカイブを圧縮します。抽出また
             はリストモードで、このオプションは、無視されます。この tar 実装
             は、アーカイブを読み込むとき、自動的に bzip2 圧縮を認識しているこ
             とに注意してください。

     -Z, --compress, --uncompress
             (c モードのみ) compress(1) で結果のアーカイブを圧縮します。抽出ま
             たはリストモードで、このオプションは、無視されます。この tar 実装
             は、アーカイブを読み込むとき、自動的に compress 圧縮を認識してい
             ることに注意してください。

     -z, --gunzip, --gzip
             (c モードのみ) gzip(1) で結果のアーカイブを圧縮します。抽出または
             リストモードで、このオプションは、無視されます。この tar 実装は、
             アーカイブを読み込むとき、自動的に compression 圧縮を認識している
             ことに注意してください。

環境変数
     次の環境変数は、tar の実行に影響します:

     TAR_READER_OPTIONS
                フォーマット (format) リーダと圧縮リーダのためにデフォルトオプ
                ション。--options オプションは、これを上書きします。

     TAR_WRITER_OPTIONS
                フォーマット (format) ライタと圧縮ライタのためのデフォルトオプ
                ション。--options オプションは、これを上書きします。

     LANG       使用するロケール。詳細については、environ(7) を参照してくださ
                い。

     TAPE       デフォルトのデバイス。-f オプションは、これを上書きします。そ
                の他の詳細については、上記の -f オプションの説明を参照してくだ
                さい。

     TZ         日付を表示するとき、使用するタイムゾーン。詳細については、
                environ(7) を参照してください。

終了ステータス
     ユーティリティ tar は、成功すると 0 で、エラーがあった場合は >0 で終了し
     ます。

使用例
     2 つのファイル source.csource.h を含む file.tar.gz と呼ばれる新しい
     アーカイブを作成します:
           tar -czf file.tar.gz source.c source.h

     このアーカイブの詳細な目次を見るためには:
           tar -tvf file.tar.gz

     デフォルトのテープドライブのアーカイブからすべてのエントリを抽出するため
     には:
           tar -x

     ISO9660 cdrom イメージの内容を調べるためには:
           tar -tf image.iso

     ファイル階層を移動するには、tartar -cf - -C srcdir . | tar -xpf - -C destdir
     またはより伝統的な
           cd srcdir ; tar -cf - . | (cd destdir ; tar -xpf -)
     として実行します。

     作成モードにおいて、アーカイブされるファイルとディレクトリのリストには、
     -Cfoo/baz の形式でディレクトリの変更命令を取り込めます。また @archive-
     file の形式でアーカイブのエントリを取り込むこともできます。例えば、次のコ
     マンドライン
           tar -c -f new.tar foo1 @old.tgz -C/tmp foo2
     では、新しいアーカイブ new.tar を作成します。tar は、カレントディレクトリ
     からファイル foo1 を読み込み、出力するアーカイブに追加します。次に
     old.tgz の各エントリを読み込み、これらのエントリを、出力するアーカイブに
     追加します。最後にディレクトリを /tmp に変更し、foo2 を出力するアーカイブ
     に追加します。

     ディスク上の既存のデータと異なっている、任意の所有権、パーミッション、ま
     たは名前で出力アーカイブを作成するために mtree(5) 形式の入力ファイルを使
     用することができます:

           $ cat input.mtree
           #mtree
           usr/bin uid=0 gid=0 mode=0755 type=dir
           usr/bin/ls uid=0 gid=0 mode=0755 type=file content=myls
           $ tar -cvf output.tar @input.mtree

     --newer--newer-mtime スイッチは、``12 Mar 2005 7:14:29pm'',
     ``2005-03-12 19:14'', ``5 minutes ago'' と ``19:14 PST May 1'' を含んで、
     さまざまな共通の日付と時間の指定を受け付けます。

     アーカイブの様々な詳細を生成するか、または読み込みを制御するために
     --options 引数を使用することできます。例えば、利用者は、type, timeuid
     キーワードだけを含む mtree 出力を生成することができます:
           tar -cf file.tar --format=mtree --options='!all,type,time,uid' dir
     または、利用者は、gzip または xz 圧縮で使用される圧縮レベルを設定すること
     ができます:
           tar -czf file.tar --options='compression-level=9'.
     その他の詳細については、archive_read(3)archive_write(3) で説明される
     archive_read_set_options() と archive_write_set_options() API 呼び出しの
     説明を参照してください。

互換性
     まとめオプション形式は、これまでの実装との互換性のためにサポートされてい
     ます。これには、各文字がオプションである頭文字 (- 文字で始まらない) が存
     在します。引数は、別々の単語として続きます。この引数の順序は、まとめオプ
     ション文字内の、対応する文字の順序と一致している必要があります。例えば
           tar tbf 32 file.tar
     では、三つのフラグ t, b, と f を指定しています。bf フラグは、共に引数
     が必要ですので、二つの追加アイテムがコマンドラインに必要です。32 は、b フ
     ラグに対する引数であり、また file.tar は、f フラグに対する引数です。

     モードオプションの c, r, t, u, x、およびオプションの b, f, l, m, o, v, w
     は、SUSv2 に適合しています。

     移植性を最大限にするために、tar を実行するスクリプトは、上記のまとめオプ
     ション形式を使うべきであり、モードオプションは、c, t, x に、またオプショ
     ンは、b, f, m, v, w に限定するべきです。

     追加のロングオプションは、他の tar 実装との互換性を強化するために提供され
     ています。

セキュリティ
     確実なセキュリティは、tar を含む沢山のアーカイブプログラムに共通の課題で
     す。特に、注意深く細工されたアーカイブは、tar に対して、対象とするディレ
     クトリ以外の場所にファイルを展開するように要求することができます。これ
     は、不注意なユーザに対し、上書きするつもりのないファイルを上書きさせられ
     る可能性があります。アーカイブをスーパユーザが展開している場合は、システ
     ム上のあらゆるファイルが上書きさせられる可能性があります。これを引き起こ
     す、三つの手段があります。tar は、それぞれに対する防御機構を備えています
     が、情報通のユーザならば、それらの意味するところを知っておくべきでしょう:

     •       アーカイブのエントリは、絶対パス名を持つことができます。デフォル
             トでは、tar は、この問題に対する防御策として、これらをリストアす
             る前にファイル名の先頭にある / 文字を取り除きます。

     •       アーカイブのエントリは、.. を含むパス名を持つことができます。デ
             フォルトでは、tar は、パス名に .. を含んでいるファイルを展開しま
             せん。

     •       アーカイブのエントリでは、ファイルを別のディレクトリにリストアす
             るように、シンボリックリンクを悪用することができます。アーカイブ
             は、別のディレクトリを指すシンボリックリンクをリストアすることが
             でき、このリンクを使ってファイルをそのディレクトリにリストアしま
             す。これを防ぐため、tar では毎回、展開されるパスにシンボリックリ
             ンクが含まれるかどうかを調べます。もしパスの最後の要素がシンボ
             リックリンクであれば、そのシンボリックリンクは、削除され、アーカ
             イブの内容に置き換えられます。-U が指定されていれば、展開されるパ
             スの中間に存在するシンボリックリンクも、すべて無条件に削除されま
             す。もし -U-P も指定しなければ、tar は、このようなエントリを
             展開するのを拒否します。
     あなた自身を守るため、信用できない出処からのアーカイブには、気をつけるべ
     きです。アーカイブを展開する前に、
           tar -tf filename
     としてアーカイブの内容を調べるべきです。tar-k オプションをつけて既存
     のファイルを上書きしないことを保証させるか、-U オプションをつけて既存の
     ファイルを削除させるべきです。一般に、スーパユーザ権限にある時は、アーカ
     イブを展開するべきではありません。なお -P オプションにより、tar は、上に
     述べたセキュリティチェックを行わないようになり、絶対パスや .. を含むファ
     イル、及び他のディレクトリへのシンボリックリンクを展開できるようになるこ
     とに注意してください。

関連項目
     bzip2(1), compress(1), cpio(1), gzip(1), mt(1), pax(1), shar(1), xz(1),
     libarchive(3), libarchive-formats(5), tar(5)

規格
     現在、tar コマンドに対する POSIX 標準はありません。ISO/IEC 9945-1:1996
     (``POSIX.1'') には、ありましたが、IEEE Std 1003.1-2001 (``POSIX.1'') では
     なくなりました。この実装でサポートされているオプションは、現存するいくつ
     かの tar 実装と同様、tar の古い POSIX 仕様、pax の現在の POSIX 仕様を調査
     して開発されました。

     ustar と pax 間のファイル形式変換については、pax コマンドの IEEE Std
     1003.1-2001 (``POSIX.1'') にて定義されています。

歴史
     tar コマンドは、1979 年 1 月にリリースされた Seventh Edition Unix で登場
     しました。他に多数の実装があり、その多くは、ファイル形式を拡張していま
     す。John Gilmore によるパブリックドメイン実装の pdtar (1987 年 11 月頃)
     は、多大な影響を及ぼし、GNU tar の元になりました。GNU tar は、FreeBSD 1.0
     で始まった FreeBSD の基本システムの tar として取り込まれました。

     これは、libarchive(3) ライブラリをベースにした、完全な再実装です。それ
     は、2005 年 5 月に FreeBSD 5.4 ではじめてリリースされました。

バグ
     このプログラムは、-l オプションの定義で ISO/IEC 9945-1:1996 (``POSIX.1'')
     に従います。バージョン 1.15 より前の GNU tar は、--one-file-system オプ
     ションの同義語として -l を扱ったことに注意してください。

     -C dir オプションは、歴史的な実装とは異なっているでしょう。

     全てのアーカイブ出力は、出力を圧縮していても、正しいサイズのブロックで書
     き込まれます。最後の出力ブロックがブロックサイズの大きさにパディングされ
     るかどうかは、形式と出力デバイスによって変わります。tar と cpio 形式にお
     いて、出力が標準出力、キャラクタ型デバイス、もしくはテープドライブのよう
     なブロック型デバイスの場合、出力の最後のブロックは、ブロックサイズの大き
     さにパディングされます。出力を通常ファイルに書き込む場合、最後のブロック
     は、パディングされません。gzip(1)bzip2(1) を含む多数の圧縮ソフトウェ
     アは、tar で作成されたアーカイブを復元する時、このヌルパディングについて
     文句を言いますが展開は、正常に行えます。

     圧縮と復元機能は、内部で実装されているので、
           tar -czf - file
     により作成した圧縮出力と、
           tar -cf - file | gzip
     により作成した圧縮出力には、些細な違いがあるかもしれません。

     デフォルトでは、標準の I/O パスでアーカイブを読み書きするべきですが、伝統
     的に (と POSIX では) 他のものを規定しています。

     ru モードでは、アーカイブは、非圧縮でディスク上に通常ファイルとして存
     在する必要があります。そうではないアーカイブは、c モードと @archive-file
     拡張を用いて更新できます。

     @foo または -foo といった名前のファイルをアーカイブするには、それぞれ
     ./@foo または ./-foo という形式で指定する必要があります。

     作成モードにおいて、先頭にある ./ は、常に削除されます。先頭にある / は、
     -P オプションが指定されない限り、取り除かれます。

     作成及び展開における、ファイル選択のよりよいサポートが必要です。

     マルチボリュームアーカイブのためのあらゆるサポートは、まだありません。

     (tar と cpio のような) 似ていないアーカイブ形式の間で、@- 変換を使用して
     変換することは、ハードリンク情報が失われる原因となるかもしれません。(これ
     は、異なったアーカイブ形式がハードリンク情報を格納する互換性がない方法の
     結果です。)

FreeBSD 11.2                    October 1, 2017                   FreeBSD 11.2

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