FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.3-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.2-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
コマンド/キーワード:
日本語マニュアル RELEASE :
セクション:
Table of Contents
名称 | 書式 | 解説 | オペランド | オプション | 終了ステータス | 使用例 | 診断 | 関連項目 | 規格 | 歴史 | 作者 | バグ
PAX(1)                  FreeBSD 一般コマンドマニュアル                  PAX(1)

名称
     pax -- ファイルアーカイブの読み込み書き込みとディレクトリ階層構造をコピー
     する

書式
     pax [-cdnvzO] [-f archive] [-s replstr] ... [-U user] ... [-G group] ...
         [-T [from_date] [,to_date]] ... [pattern ...]
     pax -r [-cdiknuvzDOYZ] [-f archive] [-o options] ... [-p string] ...
         [-s replstr] ... [-E limit] [-U user] ... [-G group] ... [-T
         [from_date] [,to_date]] ... [pattern ...]
     pax -w [-dituvzHLOPX] [-b blocksize] [[-a] [-f archive]] [-x format]
         [-s replstr] ... [-o options] ... [-U user] ... [-G group] ...
         [-B bytes] [-T [from_date] [,to_date] [/[c][m]]] ... [file ...]
     pax -r -w [-diklntuvDHLOPXYZ] [-p string] ... [-s replstr] ... [-U user]
         ... [-G group] ... [-T [from_date] [,to_date] [/[c][m]]] ...
         [file ...] directory

解説
     pax ユーティリティは、アーカイブファイルのメンバを読み込み、書き込み、リ
     ストし、ディレクトリ階層をコピーします。これらの操作は、特定のアーカイブ
     形式と独立して、多種多様な異なるアーカイブ形式をサポートしています。サ
     ポートされるアーカイブ形式のリストは、-x オプションの説明にあります。

     -r-w オプションの存在は、次の機能モードの pax のどれが次の下で動作す
     るかを指定します: リスト, 読み込み, 書き込みとコピー。

     <none>  リスト。指定された pattern (パターン) と一致する標準入力から読み
             込まれたアーカイブファイルのメンバの目次を標準出力に書き込みま
             す。目次は、1 行ごとに 1 つのファイル名を含み、単一の行のバッファ
             リングを使用して書き込まれます。

     -r      読み込み。指定された pattern (パターン) と一致する標準入力から読
             み込まれたアーカイブファイルのメンバを抽出します。アーカイブ形式
             とブロック化は、入力で自動的に決定されます。抽出されたファイルが
             ディレクトリであるとき、そのディレクトリをルートとする全体のファ
             イルの階層構造が、抽出されます。すべての抽出されるファイルは、現
             在のファイルの階層構造と相対的に作成されます。所有権、アクセス時
             刻と更新時刻と抽出されたファイルのファイルモードの設定は、-p オプ
             ションの下で、詳細に議論されます。

     -w      書き込み。file オペランドを含んでいるアーカイブを指定されたアーカ
             イブ形式を使用して、標準出力に書き込みます。file オペランドが指定
             されないとき、行ごとに 1 つコピーするファイルのリストは、標準入力
             から読み込まれます。また、file オペランドがディレクトリであると
             き、そのディレクトリをルートとする全体のファイルの階層構造が、含
             まれます。

     -r -w   コピー。宛先 directory (ディレクトリ) に file オペランドをコピー
             します。file オペランドが指定されないとき、行ごとに 1 つコピーす
             るファイルのリストは、標準入力から読み込まれます。また、file オペ
             ランドがディレクトリであるとき、そのディレクトリをルートとする全
             体のファイルの階層構造が、含まれます。コピーの効果は、あたかもコ
             ピーされたファイルがアーカイブファイルに書き込まれ、次に、オリジ
             ナルとコピーされたファイルの間にハードリンクされたものを除いて、
             続いて抽出されるかのようです (下記の -l オプションを参照)。

             警告: 宛先 directory (ディレクトリ) は、file オペランドの 1 つで
             あるか、または file オペランドの 1 つをルートとするファイルの階層
             構造のメンバであってはなりません。これらの条件の下でのコピーの結
             果は、予測不可能です。

     読み込みまたはリスト操作の間に損傷されたアーカイブを処理する間に、pax
     は、メディアの欠陥から復旧することを試みて、できるだけアーカイブの最も大
     きいなメンバを位置付けて処理するために、アーカイブを通して検索します (エ
     ラー処理に関する詳細については、-E オプションを参照してください)。

オペランド
     directory (ディレクトリ) オペランドは、宛先ディレクトリのパス名を指定しま
     す。directory (ディレクトリ) オペランドが存在しないか、またはユーザによっ
     て書き込み可能でないか、または、ディレクトリのタイプでないなら、pax は、0
     でない終了ステータスで終了します。

     pattern (パターン) オペランドは、アーカイブメンバの 1 つ以上のパス名を選
     択するために使用されます。アーカイブメンバは、fnmatch(3) によって記述され
     たパターン照合の記法を使用して選択されます。pattern (パターン) オペランド
     が供給されないとき、アーカイブのすべてのメンバが、選択されます。pattern
     (パターン) がディレクトリに一致するとき、そのディレクトリをルートとする全
     体のファイルの階層構造が、選択されます。pattern (パターン) オペランドがす
     くなくとも 1 つのアーカイブメンバを選択しないとき、pax は、診断のメッセー
     ジのこれらの pattern (パターン) オペランドを標準エラーに書き込み、次に、0
     以外の終了ステータスで終了します。

     file オペランドは、コピーされるか、またはアーカイブされるファイルのパス名
     を指定します。file オペランドがすくなくとも 1 つのアーカイブメンバを選択
     しないとき、pax は、診断のメッセージのこれらの file オペランドのパス名を
     標準エラーに書き込み、次に、0 以外の終了ステータスで終了します。

オプション
     次のオプションがサポートされています:

     -r    標準入力からアーカイブファイルを読み込み、指定された files を抽出し
           ます。アーカイブメンバを抽出するために、なんらかのの中間的なディレ
           クトリが必要とされるなら、これらのディレクトリは、あたかも mkdir(2)
           がモード引数として S_IRWXU, S_IRWXG と S_IRWXO のビット単位の包括的
           論理和 (OR) で呼び出されたのように作成されます。選択されたアーカイ
           ブ形式が、リンクされたファイルの指定をサポートし、アーカイブが抽出
           されている間に、これらのファイルをリンクできないとき、pax は、標準
           エラーに診断メッセージを書き込み、操作の完了時に 0 以外の終了ステー
           タスで終了します。

     -w    ファイルを、指定されたアーカイブ形式で標準出力に書き込みます。file
           のオペランドが指定されないとき、標準入力は、あらゆる先導するか、ま
           たは後続する <空白> なしで、行ごとに 1 つのパス名のリストを読み込み
           ます。

     -a    files を、以前に書き込まれたアーカイブの終わりに追加します。アーカ
           イブ形式が -x オプションで指定されないなら、アーカイブで現在使用さ
           れている形式が選択されます。アーカイブで既に使用されている形式と異
           なった形式でアーカイブに追加するあらゆる試みによって、pax は、0 以
           外の終了テータスで直ちに終了します。書き込みが開始されるアーカイブ
           ボリュームで使用されるブロックサイズは、そのアーカイブボリュームの
           残りのために使用され続けます。

           警告: 多くの記憶デバイスは、付け加え操作を実行するために必要な操作
           をサポートすることができません。そのようなデバイスに格納されるアー
           カイブに追加するあらゆる試みは、アーカイブを損傷するか、または他の
           予測できない結果となります。特にテープドライブは、追加操作をサポー
           トしなさそうです。通常のファイルシステムのファイルまたはディスクデ
           バイスに格納されたアーカイブは、通常、追加操作をサポートします。

     -b blocksize
           アーカイブを書き込むとき、アーカイブファイルへの書き込みごとに正の
           10 進数の整数の数値のバイトで出力をブロック化します。blocksize は、
           最大 64512 バイトで 512 バイトの倍数でなければなりません。32256 バ
           イトより大きな blocksize は、POSIX 規格に違反し、すべてのシステムへ
           の移植性はありません。blocksize は、それぞれ 1024 (1K) または 512
           の倍数を指定するために k または b で終わります。生成物を示すため
           に、blocksizes のペアを x で区切ることができます。特別なアーカイブ
           デバイスは、それをサポートするブロックのサイズで追加の制限を強制し
           ます。ブロックが指定されないとき、デフォルトの blocksize は、使用さ
           れている特別のアーカイブ形式に依存します (-x オプションを参照)。

     -c    それらが、patternfile オペランドによって指定されることを除いて
           すべてのファイルまたはアーカイブメンバを照合します。

     -d    コピーされるか、またはアーカイブされているタイプディレクトリのファ
           イル、または、抽出されているタイプディレクトリのアーカイブメンバ
           は、ディレクトリファイルまたはアーカイブメンバのみと照合し、ディレ
           クトリをルートとするファイルの階層構造は、照合しません。

     -f archive
           (リストと読み込みのための) デフォルトの標準入力または (書き込みのた
           めの) 標準出力を上書き、入力または出力アーカイブのパス名として
           archive を指定します。単一のアーカイブは、複数のファイルと異なった
           アーカイブデバイスをスパンします。必要なとき、pax は、ファイルのパ
           ス名、またはアーカイブの次のボリュームのデバイスに対してプロンプト
           を出します。

     -i    対話的に、ファイルまたはアーカイブメンバの名前を変更します。pattern
           オペランドに一致するアーカイブメンバごとに、または file オペランド
           に一致するファイルごとに、pax は、ファイルの名前、ファイルモードと
           その更新時刻を与えて、/dev/tty にプロンプトを出します。次に、pax
           ユーティリティは、/dev/tty から 1 行を読み込みます。この行が空行で
           あるなら、ファイルまたはアーカイブメンバは、スキップされます。この
           行が単一のピリオドから成るなら、ファイルまたはアーカイブメンバは、
           その名前を修正なしで処理されます。そうでなければ、その名前は、行の
           内容で置き換えられます。pax ユーティリティは、応答を読み込みのと
           き、<EOF> に遭遇するか、または読み込みと書き込みのために /dev/tty
           をオープンすることができないなら、直ちに 0 以外の終了ステータスで終
           了します。

     -k    既存のファイルを上書きしません。

     -l    ファイルをリンクします。(文字エル)。copy モード (-r -w) で、ハード
           リンクは、可能ならいつでもコピー元と宛先ファイルの階層構造の間で行
           われます。

     -npattern オペランドと一致する最初のアーカイブメンバを選択します。
           わずか 1 つのアーカイブメンバが、pattern ごとに照合されます。タイプ
           ディレクトリのメンバが一致するとき、そのディレクトリをルートとする
           ファイルの階層構造も (また、-d が指定されないなら) 照合されます。

     -o options
           -x によって指定されるアーカイブ形式に特有のアーカイブファイルを抽出
           するか、または書き込むためのアルゴリズムを修正する情報。一般的に、
           options は、次の形式を取ります: name=value

     -p string
           1 つ以上のファイルに特有のオプション (特権) を指定します。string オ
           プションの引数は、抽出で保有されるか、または破棄されるファイルの特
           性を指定する文字列です。文字列は、指定文字 a, e, m, op から成り
           ます。複数の特性は、同じ文字列内で連結することができ、複数の -p オ
           プションを指定することができます。指定文字の意味は、次の通りです:

           a   ファイルのアクセス時刻を保存しません。デフォルトで、ファイルの
               アクセス時刻は、可能ならいつでも、保存されます。

           e   ユーザ ID、グループ ID、ファイルのモードビット、ファイルアクセ
               ス時刻とファイル更新時刻の `すべてを保存します'。これは、それら
               がアーカイブに記録されるようにファイルのすべての側面を保存する
               ために、root、すべての適切な特権がある誰かによって使用されるこ
               とを目的としています。e フラグは、op フラグの合計です。

           m   ファイルの更新時刻を保存しません。デフォルトで、ファイルの更新
               時刻は、可能ならいつでも、保存されます。

           o   ユーザ ID とグループ ID を保存します。

           p   ファイルのモードビットを `保存します'。これは、所有権以外のファ
               イルのすべての側面を保存したい通常の特権があるユーザによって使
               用されることを目的としています。ファイルの時刻は、デフォルトで
               保存されますが、2 つの他のフラグは、これを無効にし、代わりに抽
               出の時刻を使用するために提供されます。

           先行するリストで、`preserve' (保存する) は、アーカイブに格納された
           属性が、抽出されたファイル、呼び出しているプロセスのパーミッション
           の対象に与えられることを示します。そうでなければ、抽出されたファイ
           ルの属性は、通常のファイル作成アクションの部分として決定されます。eo 指定文字も指定されないか、または、ユーザ ID とグループ ID が何
           らかの理由のために保存されないなら、pax は、ファイルモードの
           S_ISUID (setuid) と S_ISGID (setgid) ビットを設定しません。これらの
           項目のいずれかの保存が、なんらかの理由のために失敗するなら、pax
           は、診断のメッセージを標準エラーに書き込みます。これらの項目を保存
           することの失敗は、最終的な終了ステータスに影響しますが、抽出された
           ファイルは、削除されません。文字列オプションの引数のいずれかのファ
           イルの特性文字が複写されるか、互いに競合するならば、最後に与えられ
           た (複数の) ものが、優先します。例えば、
                 -p eme
           が指定されるなら、ファイルの更新時刻は、まだ保存されます。

           chflags(1) によって設定されたファイルフラグは、pax によって理解され
           ませんが、tar(1)dump(8) は、これらを保存します。

     -s replstr
           ed(1) ユーティリティの正規表現の構文を使用して、置換の表現 replstr
           に従って pattern または file ファイルオペランドによって指定された
           ファイルまたはアーカイブメンバ名を修正します。これらの正規表現の形
           式は、次の通りです:
                 /old/new/[gp]
           ed(1) のように、old は、基本的な正規表現であり、new は、アンパサン
           ド (&)、\n (ここで、n は、数値) 後方参照または部分式の照合を含むこ
           とができます。また、old 文字列は、<改行> 文字を含んでいます。デリミ
           タ (/ は、ここで表示されます) として、あらゆるヌルでない文字を使用
           することができます。複数の -s 表現を指定することができます。表現
           は、コマンド行で指定される順序で適用され、最初の成功した置換で終了
           します。オプションに後続する g は、最後の成功した置換の終わりに続い
           ている最初の文字で始まるパス名の部分列に置換表現を適用し続けます。
           最初の成功しない置換は、g オプションの操作を停止します。オプション
           に後続する p によって、成功した置換の最終的な結果は、次の形式で標準
           エラーに書き込まれます:
                 <original pathname> >> <new pathname>
           空の文字列に置換されるファイルまたはアーカイブメンバ名は、選択され
           ず、スキップされます。

     -t    pax によって読み込まれるか、またはアクセスされる前でと同じとなるよ
           うに、pax によって読み込まれるか、またはアクセスされるファイルまた
           はディレクトリのアクセス時刻をリセットします。

     -u    同じ名前がある前から存在するファイルまたはアーカイブメンバより (最
           近のファイルの更新時刻より前の) 古いファイルを無視します。読み込み
           の間に、ファイルシステムのファイルと同じ名前があるアーカイブメンバ
           は、アーカイブメンバがファイルより新しいなら、抽出されます。書き込
           みの間に、アーカイブメンバと同じ名前があるファイルシステムのメンバ
           は、それが、アーカイブメンバより新しいなら、アーカイブに書き込まれ
           ます。コピーの間に、宛先の階層構造のファイルは、ソースの階層構造の
           ファイルによって置き換えられるか、またはソースの階層構造のファイル
           が新しいなら、ソースの階層構造のファイルにリンクすることによって置
           き換えられます。

     -v    リスト操作の間に、-l オプションを付けた ls(1) ユーティリティの形式
           を使用して冗長な目次を生成します。アーカイブの前のメンバにハードリ
           ンクを表現しているパス名について、出力には、次の形式があります:
                 <ls -l listing> == <link name>
           シンボリックリンクを表現しているパス名について、出力には、次の形式
           があります:
                 <ls -l listing> => <link name>
           ここで、<ls -l listing> は、-l オプションで使用されるとき、ls(1)
           ユーティリティによって指定される出力形式です。そうでなければ、すべ
           ての他の操作のモード (読み込み, 書き込みとコピー) について、パス名
           は、処理がそのファイルまたはアーカイブメンバで始まるとすぐに後続す
           る <改行> なしで標準エラーに書き込まれ、フラッシュされます。後続す
           る <改行> は、バッファリングされず、ファイルが読み込まれたか、また
           は書き込まれた後のみ書き込まれます。

     -x format
           出力アーカイブ形式を指定します。デフォルトの形式は、ustar です。pax
           ユーティリティは、現在、次の形式をサポートします:

           cpio     IEEE Std 1003.2 (``POSIX.2'') 規格で明記された拡張 cpio 交
                    換形式。この形式のためのデフォルトのブロックサイズは、5120
                    バイトです。この形式によって切り詰められる (この形式による
                    ファイルのハードリンクを検出するために使用される) ファイル
                    に関する inode とデバイスの情報は、pax によって、検出さ
                    れ、修理されます。

           bcpio    古いバイナリの cpio 形式。この形式のためのデフォルトのブ
                    ロックサイズは、5120 バイトです。この形式は、あまり移植性
                    がなく、他の形式が利用可能なとき、使用されるべきではありま
                    せん。この形式によって切り詰められる (この形式によるファイ
                    ルのハードリンクを検出するために使用される) ファイルに関す
                    る inode とデバイスの情報は、pax によって、検出され、修理
                    されます。

           sv4cpio  System V release 4 の cpio。この形式のためのデフォルトのブ
                    ロックサイズは、5120 バイトです。この形式によって切り詰め
                    られる (この形式によるファイルのハードリンクを検出するため
                    に使用される) ファイルに関する inode とデバイスの情報は、
                    pax によって、検出され、修理されます。

           sv4crc   ファイルの crc チェックサムがある System V release 4 の
                    cpio。この形式のためのデフォルトのブロックサイズは、5120
                    バイトです。この形式によって切り詰められる (この形式による
                    ファイルのハードリンクを検出するために使用される) ファイル
                    に関する inode とデバイスの情報は、pax によって、検出さ
                    れ、修理されます。

           tar      4.3BSD に存在する古い BSD tar 形式。この形式のためのデフォ
                    ルトのブロックサイズは、10240 バイトです。この形式によって
                    格納されるパス名は、100 文字以下の長さでなければなりませ
                    ん。通常ファイルだけ、ハードリンク, ソフトリンクとディレク
                    トリは、アーカイブされます (他のファイルシステムのタイプ
                    は、サポートされません)。さらに古い tar 形式がある後方互換
                    性のために、ディレクトリの記憶域を省略するアーカイブを書き
                    込むとき、-o オプションを使用することができます。このオプ
                    ションは、次の形式を取ります:
                          -o write_opt=nodir

           ustar    IEEE Std 1003.2 (``POSIX.2'') 規格で明記された拡張 tar 交
                    換形式。この形式のためのデフォルトのブロックサイズは、
                    10240 バイトです。この形式によって格納されるパス名は、255
                    文字以下の長さでなければなりません。ディレクトリの部分は、
                    多くても 155 文字であり、各パスの構成要素は、100 文字未満
                    でなければなりません。

           pax ユーティリティは、あらゆる指定されたアーカイブ形式の制限の結果
           として、格納または抽出することができない、あらゆるファイルを検出し
           て、報告します。個別のアーカイブ形式は、使用時に追加の制限を強制す
           ることができます。一般的なアーカイブ形式の制限は、次を含くみます
           (が、制限されません): ファイルのパス名の長さ、ファイルサイズ、リン
           クのパス名の長さとファイルのタイプ。

     -z    書き込み (読み込み) の間にアーカイブを圧縮 (圧縮復元) するために
           gzip(1) を使用します。-a と互換性がありません。

     -B bytes
           単一のアーカイブボリュームに書き込まれるバイトの数を bytes に制限し
           ます。bytes の制限は、それぞれ、1048576 (1M)、1024 (1K) または 512
           で倍数を指定するために m, k または b で終わることがきます。生成物を
           示すために x によって bytes のペアの制限を区切ることができます。

           警告: (通常のファイルまたはテープドライブのような) 最後 (または、最
           も大きい) 書き込みオフセットに基づく、ファイルの終りの読み込み条件
           をサポートするデバイスにアーカイブを書き込むときのみ、このオプショ
           ンを使用します。フロッピまたはハードディスクでのこのオプションの使
           用は、推奨されません。

     -D    このオプションは、ファイルの inode 変更時刻がファイルの更新時刻の代
           わりにチェックされることを除いて、-u オプションと同じです。ファイル
           の inode の変更時刻は、inode 情報 (例えば、uid、gid など) が宛先
           directory のファイルのコピーより新しいファイルを選択するために使用
           することができます。

     -E limit
           不備のあるアーカイブの読み込みを試みる間に、連続的な読み込みの失敗
           の数を limit に制限します。正の limit で、pax は、アーカイブの読み
           込みエラーから復旧することを試み、アーカイブに格納された次のファイ
           ルで始めて処理し続けます。0 の limit によって、pax は、最初の読み込
           みエラーがアーカイブボリュームで検出された後に操作を停止します。
           NONE の limit によって、pax は、永久に、読み込みエラーから復旧する
           ことを試みます。デフォルトの limit は、再試行の小さい正の数です。

           警告: NONE でこのオプションを使用することは、pax が、非常に悪い不備
           のあるアーカイブで無限ループから抜け出せなくなるかもしれないので、
           特別な注意を払って使用されるべきです。

     -G group
           group 名に基づくファイル、または # で始まるとき、数値の gid を選択
           します。# をエスケープするために '\' を使用することができます。複数
           -G オプションが、供給することができ、最初の一致でチェックを停止しま
           す。

     -H    物理的なファイルシステムの横断を実行する間に、コマンド行のシンボ
           リックリンクだけをたどります。

     -L    論理的なファイルシステムの横断を実行するために、すべてのシンボリッ
           クリンクをたどります。

     -O    アーカイブが 1 つのボリュームであることを強制します。ボリュームが時
           期尚早に終わるなら、pax は、新しいボリュームのためにプロンプトを出
           しません。このオプションは、エラー復旧が手動によって実行できないと
           ころで、自動化されたタスクのために役に立でることができます。

     -P    物理的なファイルシステムの横断を実行して、シンボリックリンクをたど
           りません。これは、デフォルトのモードです。

     -T [from_date][,to_date][/[c][m]]
           from_date から to_date まで (日付は、包括的です) の指定された時間の
           範囲に含まれるファイルの更新時刻または inode の変更時刻に基づき、
           ファイルを選択することができます。from_date のみが供給されるなら、
           更新時刻または inode 変更時刻と等しいか、または新しいすべてのファイ
           ルが、選択されます。to_date のみが供給されるなら、更新時刻または
           inode 変更時刻と等しいか、または古いすべてのファイルが、選択されま
           す。from_dateto_date と等しいとき、正確なその時刻の更新時刻また
           は inode 変更時刻があるファイルのみが、選択されます。

           pax が書き込みまたはコピーモードであるとき、比較でどのファイル時刻
           (inode の変更時刻、ファイルの更新時刻、または両方) が使用されるかを
           決定するために、オプションの後続するフィールド [c][m] を使用するこ
           とができます。いずれも指定されないなら、デフォルトは、ファイルの更
           新時刻だけを使用することです。m は、(ファイルが最後に書き込まれた時
           刻) ファイルの更新時刻の比較を指定します。c は、(ファイルが最後に変
           更された時刻; 例えば、所有者、グループ、モードなどの変更) inode 変
           更時刻の比較を指定します。cm の両方が指定されるとき、更新時刻
           と inode 変更時刻の両方が比較されます。inode 変更時刻の比較は、属性
           が最近変更されたか、または最近作成されたファイルを選択して、(ファイ
           ルがアーカイブから抽出され、更新時刻が保存されるとき、何が起こった
           かのように) より古い時間にリセットされるそれらの変更時刻がある、
           ファイルを選択することで役に立ちます。両方のファイル時刻を使用して
           いる時間の比較は、pax が、(指定された時間の範囲の間に変更されたファ
           イルだけがアーカイブされる) アーカイブの増加に基づく時刻を作成する
           ために、使用されるとき、役に立ちます。

           時間の範囲は、6 つの異なったフィールドで構成され、各フィールドは、2
           つの数値を含まなければなりません。形式は、次の通りです:
                 [yy[mm[dd[hh]]]]mm[.ss]
           ここで、yy は、年号の最後の 2 桁で、最初の mm は、月 (01 から 12 ま
           で) で、dd は、月の日付 (01 から 31 まで) で、hh は、日の時間 (00
           から 23 まで) で、2 番目の mm は、分 (00 から 59 まで) で、ss は、
           秒です (00 から 59 まで)。分のフィールド mm は、必要とされ、一方、
           他のフィールドは、オプションで、次の順序で追加されなければなりませ
           ん:
                 hh, dd, mm, yyss フィールドは、他のフィールドと独立して追加されます。時間の範囲
           は、現在の時間と関連するので、
                 -T 1234/cm
           は、今日の 12:34 PM 以降の更新時刻または inode の変更時刻があるすべ
           てのファイルを選択します。複数の -T の時間の範囲を供給することがで
           き、最初の一致でチェックを停止します。

     -U user
           その user 名に基づくファイル、または # で始まるとき、数値の uid を
           選択します。# をエスケープするために '\' を使用することができます。
           複数の -U オプションを供給することができ、最初の一致でチェックを停
           止します。

     -X    パス名によって指定されたファイルの階層構造を横断するとき、異なった
           デバイス ID があるディレクトリを下降しません。デバイス ID に関する
           詳細については、stat(2) で記述される st_dev フィールドを参照してく
           ださい。

     -Y    このオプションは、inode の変更時刻が、すべてのファイル名の更新が完
           了した後に作成されたパス名を使用してチェックされることを除いて、-D
           オプションと同じです。

     -Z    このオプションは、更新時刻が、すべてのファイル名の更新が完了した後
           に作成されたパス名を使用してチェックされることを除いて、-u オプショ
           ンと同じです。

     ファイルまたはアーカイブメンバの名前で動作するオプション (-c, -i, -n, -s,
     -u, -v, -D, -G, -T, -U, -Y-Z) は、次のようにお互いに影響し合います。

     読み込み操作の間にファイルを抽出するとき、アーカイブメンバは、-c, -n, -u,
     -D, -G, -T, -U によって修正されるユーザ指定のパターンオペランドのみに基づ
     いて `選択されます'。次に、あらゆる -s-i オプションは、これらの選択さ
     れたファイルの名前の順序で修正します。そして、-Y-Z オプションは、最終
     的なパス名に基づいて適用されます。最後に、-v オプションは、これらの更新の
     結果の名前を書き込みます。

     書き込み操作の間にファイルをアーカイブするか、またはコピー操作の間にファ
     イルをコピーするとき、アーカイブメンバは、(-D オプションは、コピー操作の
     間にのみ適用される) -n, -u, -D, -G, -T-U よって修正されるユーザ指定の
     パス名のみに基づいて `選択されます'。次に、あらゆる -s-i オプション
     は、これらの選択されたファイルの名前の順序で修正します。そして、コピー操
     作の間に、-Y-Z オプションは、最終的なパス名に基づいて適用されます。最
     後に、-v オプションは、これらの更新の結果の名前を書き込みます。

     -u または -D オプションの 1 つ、または両方が -n オプションとともに指定さ
     れるとき、ファイルは、比較されるファイルより新しくないなら、選択されたと
     見なされません。

終了ステータス
     pax ユーティリティは、次の値の 1 つで終了します:

     0   すべてのファイルは、成功して処理されました。

     1   エラーが起こりました。

使用例
     コマンド:
           pax -w -f /dev/sa0 .
     は、カレントディレクトリの内容をデバイス /dev/sa0 にコピーします。

     コマンド:
           pax -v -f filename
     は、filename に格納されたファイルの内容の詳細なテーブルを与えます。

     次のコマンド:
           mkdir /tmp/to
           cd /tmp/from
           pax -rw . /tmp/to
     は、/tmp/from ディレクトリ階層の全体を /tmp/to にコピーします。

     コマンド:
           pax -r -s ',^//*usr//*,,' -f a.pax
     は、アーカイブの ``/usr'' をルートとするすべてのファイルをアーカイブ
     a.pax から読み込み、カレントディレクトリと相対的に抽出します。

     カレントディレクトリから dest_dir にコピーするファイルを対話的に選択する
     ために、コマンド:
           pax -rw -i . dest_dir
     を使用することができます。

     コマンド:
           pax -r -pe -U root -G bin -f a.pax
     は、グループ bin で root によって所有され、すべてのファイルのパーミッショ
     ン保存して、アーカイブ a.pax からすべてのファイルを抽出します。

     コマンド:
           pax -r -w -v -Y -Z home /backup
     は、コピー元のファイルツリー home で見つかる同じ名前があるファイル (最近
     の inode の変更時刻またはファイルの更新時刻) より古い宛先ディレクトリ
     /backup のそれらのファイルだけを更新 (してリスト) します。

診断
     pax が、アーカイブを読み込むとき、ファイルを作成できないか、またはリンク
     できない、またはアーカイブを書き込むとき、ファイルを見つけることができな
     い、または -p オプションが指定されるとき、ユーザ ID、グループ ID または
     ファイルモード保存できないときはいつでも、診断のメッセージは、標準エラー
     に書き込まれ、0 以外の終了ステータスが返されますが、処理は、続きます。pax
     がファイルへのリンクを作成できない場合に、pax は、ファイルの 2 番目のコ
     ピーを作成しません。

     アーカイブからファイルの抽出が、シグナルまたはエラーのためにが時期尚早に
     終了するなら、pax は、ユーザが必要とするファイルを部分的に抽出するだけか
     もしれません。さらに、抽出されたファイルとディレクトリのファイルモード
     は、不正確なファイルビットがあるかもしれず、更新時刻とアクセス時刻は、間
     違っているかもしれません。

     アーカイブの作成がシグナルまたはエラーのために時期尚早に終了するなら、pax
     は、特有のアーカイブ形式の仕様に違反するアーカイブを部分的に作成するだけ
     かもしれません。

     コピーを行っている間に、pax が、ファイルがまさにそれ自体に上書きしようと
     していることを検出するなら、ファイルは、コピーされず、診断のメッセージ
     が、標準エラーに書き込まれ、pax が完了するとき、0 以外の終了ステータスで
     終了します。

関連項目
     cpio(1), tar(1)

規格
     pax ユーティリティは、IEEE Std 1003.2 (``POSIX.2'') 規格のスーパセットで
     す。オプション -z, -B, -D, -E, -G, -H, -L, -O, -P, -T, -U, -Y, -Z、アーカ
     イブ形式 bcpio, sv4cpio, sv4crc, tar とリストと読み込み操作の間の欠陥のあ
     るアーカイブの扱いは、POSIX 規格の拡張です。

歴史
     pax は、4.4BSD で登場しました。

作者
     Keith Muller at the University of California, San Diego

バグ
     pax ユーティリティは、マルチバイト文字を認識しません。

     chflags(1) によって設定されたファイルフラグは、pax によって保存されませ
     ん。chflags(1) の「バグ」セクションには、フラグに気付いてていないユーティ
     リティのリストがあります。

FreeBSD 11.2                    March 17, 2015                    FreeBSD 11.2

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