FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.3-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.2-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
コマンド/キーワード:
日本語マニュアル RELEASE :
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Table of Contents
名称 | ライブラリ | 書式 | 解説 | 戻り値 | 関連ファイル | 互換性 | エラー | 関連項目 | 規格 | 歴史 | バグ
GETPWENT(3)            FreeBSD ライブラリ関数マニュアル            GETPWENT(3)

名称
     getpwent, getpwent_r, getpwnam, getpwnam_r, getpwuid, getpwuid_r,
     setpassent, setpwent, endpwent -- パスワードデータベースの操作

ライブラリ
     標準 C ライブラリ (libc, -lc)

書式
     #include <sys/types.h>
     #include <pwd.h>

     struct passwd *
     getpwent(void);

     int
     getpwent_r(struct passwd *pwd, char *buffer, size_t bufsize,
         struct passwd **result);

     struct passwd *
     getpwnam(const char *login);

     int
     getpwnam_r(const char *name, struct passwd *pwd, char *buffer,
         size_t bufsize, struct passwd **result);

     struct passwd *
     getpwuid(uid_t uid);

     int
     getpwuid_r(uid_t uid, struct passwd *pwd, char *buffer, size_t bufsize,
         struct passwd **result);

     int
     setpassent(int stayopen);

     void
     setpwent(void);

     void
     endpwent(void);

解説
     これらの関数は、passwd(5) に記述されているパスワードデータベースファイル
     を操作します。データベースの各エントリは、インクルードファイル <pwd.h> で
     見つけられる構造体 passwd によって定義されています:

           struct passwd {
                   char    *pw_name;       /* ユーザ名 */
                   char    *pw_passwd;     /* 暗号化されたパスワード */
                   uid_t   pw_uid;         /* ユーザ uid */
                   gid_t   pw_gid;         /* ユーザ gid */
                   time_t  pw_change;      /* パスワードの変更時刻 */
                   char    *pw_class;      /* ユーザアクセスクラス */
                   char    *pw_gecos;      /* Honeywell ログイン情報 */
                   char    *pw_dir;        /* ホームディレクトリ */
                   char    *pw_shell;      /* デフォルトのシェル */
                   time_t  pw_expire;      /* アカウント有効期限 */
                   int     pw_fields;      /* 内部: 詰めものフィールド */
           };

     関数 getpwnam() と getpwuid() は、それぞれ、与えられたログイン名または
     ユーザ uid に対してパスワードデータベースを検索し、常に、最初に遭遇したも
     のを返します。

     getpwent() 関数は、パスワードデータベースをシーケンシャルに読み込み、ユー
     ザの完全なリストを処理したいプログラムを対象としています。

     関数 getpwent_r(), getpwnam_r() と getpwuid_r() は、それぞれ getpwent(),
     getpwnam() と getpwuid() のスレッドセーフバージョンです。呼び出し側は、
     pwd, buffer, bufsizeresult 引数の検索の結果のための記憶域を提供しなけ
     ればなりません。これらの関数が成功するとき、pwd 引数は、書き入れられ、そ
     の引数へのポインタは、result に格納されます。エントリが見つけられないか、
     または、エラーが起こるなら、result は、NULL に設定されます。

     setpassent() 関数は、2 つの目的を達成します。最初に、getpwent() は、デー
     タベースの先頭に ``リワインド'' します。さらに、stayopen が 0 でないな
     ら、ファイル記述子は、オープンされたままとされ、すべてのルーチンのための
     その後のアクセスを著しく速度を上げます。(この後者の機能は、デフォルトでそ
     のファイル記述子をクローズしないので、getpwent() のために不要です。)

     プログラムが実行している間に更新されるなら、データベースは、時代遅れにな
     るので、ファイル記述子をオープンしたままにする長く実行しているプログラム
     に対して危険です。

     setpwent() 関数は、0 の引数を付けた setpassent() と同じです。

     endpwent() 関数は、あらゆるオープンしているファイルをクローズします。

     これらのルーチンは、パスワードファイルを ``見えなくする (shadow)'' ため
     に、書かれました、例えば、特定のプログラムにだけ、暗号化されたパスワード
     にアクセスすることを許可します。それらを呼び出すプロセスに 0 の実効ユーザ
     ID (uid) があるなら、暗号化されたパスワードが返され、そうでなければ、返さ
     れた構造体のパスワードフィールドは、文字列 `*' を指します。

戻り値
     関数 getpwent(), getpwnam() と getpwuid() は、成功すれば、passwd 構造体へ
     の有効なポインタを返し、エントリが見つけられないか、またはエラーが起こる
     なら、NULL を返します。エラーが起こるなら、errno は、設定されます。存在し
     ないエントリとエラーを区別する必要があるなら、これらの関数のいずれかを呼
     び出す前に、プログラムは、errno を明示的に 0 に設定しなければならないこと
     に注意してください。関数 getpwent_r(), getpwnam_r() と getpwuid_r() は、
     エラーが起こらなかったなら、0 を返すか、または失敗を示すエラー番号を返し
     ます。一致するエントリが見つけられないなら、それは、エラーではありませ
     ん。(したがって、result が NULL であり、返り値が 0 であるなら、一致してい
     るエントリは、存在しません。)

     setpassent() 関数は、失敗すると、0 を返し、成功すると、1 を返します。
     endpwent() と setpwent() 関数は、返り値がありません。

関連ファイル
     /etc/pwd.db         安全ではないパスワードデータベースファイル
     /etc/spwd.db        安全なパスワードデータベースファイル
     /etc/master.passwd  現在のパスワードファイル
     /etc/passwd         Version 7 形式のパスワードファイル

互換性
     代替のパスワードデータベースの指定を許可する歴史的な関数 setpwfile(3)
     は、非推奨となっていて、もはや利用可能ではありません。

エラー
     これらのルーチンは、次に加えて、open(2), dbopen(3), socket(2)connect(2) で明記されたエラーのいずれかのために失敗します:

     [ERANGE]           bufferbufsize 引数によって指定されたバッファが、結
                        果を格納するために十分なサイズがありませんでした。呼び
                        出し側は、より大きなバッファで再試行するべきです。

関連項目
     getlogin(2), getgrent(3), nsswitch.conf(5), passwd(5), pwd_mkdb(8),
     vipw(8), yp(8)

規格
     getpwent(), getpwnam(), getpwnam_r(), getpwuid(), getpwuid_r(),
     setpwent() と endpwent() 関数は、ISO/IEC 9945-1:1996 (``POSIX.1'') に適合
     しています。

歴史
     getpwent(), getpwnam(), getpwuid(), setpwent() と endpwent() 関数は、
     Version 7 AT&T UNIX で登場しました。setpassent() 関数は、4.3BSD-Reno で登
     場しました。getpwent_r(), getpwnam_r() と getpwuid_r() 関数は、
     FreeBSD 5.1 で登場しました。

バグ
     関数 getpwent(), getpwnam() と getpwuid() は、それらの結果を内部の静的オ
     ブジェクトに残し、そのオブジェクトへのポインタを返します。同じ関数への続
     く呼び出しは、同じオブジェクトを修正します。

     関数 getpwent(), getpwent_r(), endpwent(), setpassent() と setpwent()
     は、ネットワーク化された環境でほとんど役に立たず、可能であるなら、避けら
     れるべきです。getpwent() と getpwent_r() 関数は、複数のソースが
     nsswitch.conf(5) で指定されるなら、二重の情報を削除する試みを行いません。

FreeBSD 11.2                    April 16, 2003                    FreeBSD 11.2

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