FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.3-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.2-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
コマンド/キーワード:
日本語マニュアル RELEASE :
セクション:
Table of Contents
名称 | 書式 | 解説 | ケーパビリティ | 関連ファイル | 関連項目 | 警告とバグ | 歴史
TERMCAP(5)          FreeBSD ファイルフォーマットマニュアル          TERMCAP(5)

名称
     termcap -- 端末ケーパビリティのデータベース

書式
     termcap

解説
     termcap ファイルは、端末に関するデータベースであり、例えば vi(1)ncurses(3) が使用します。termcap には、端末が持つケーパビリティと、操作が
     どのように行われるのかが記述されています。パディングの必要性および初期化
     シーケンスも termcap に記述されています。

     termcap のエントリは、`:' で区切られた複数個のフィールドからなります。各
     端末の最初のエントリは、`|' 文字で区切った端末名です。最初の名前は、その
     端末の最も一般的な省略形です。最後の名前は、端末を完全に識別するための長
     い名前であり、その他は、端末名の類義語です。最後以外の名前は、小文字を使
     い、空白を含まないようにしてください; 最後の名前は、可読性のために大文字
     や空白を含んでかまいません。

     端末名 (最後の冗長なエントリを除く) は、次の約束に従い選んでください。端
     末を構成するハードウェアの特定の一部を、``hp2621'' のように根幹の名前とし
     て選びます。この名前は、ハイフンを含んではなりません。ハードウェアのモー
     ドやユーザのプリファレンスは、ハイフンとモード指示子を追加して示します。
     ですから、132 桁モードの ``vt100'' は、``vt100-w'' になります。可能なら
     ば、以下の接尾辞を使用してください:

           接尾辞    意味                                          
           -w        広いモード (80 桁超)                          vt100-w
           -am       自動マージン付 (通常は、デフォルト)           vt100-am
           -nam      自動マージン無し                              vt100-nam
           -n        画面上の行数                                  aaa-60
           -na       矢印キー無し (ローカルのままにする)           concept100-na
           -np       メモリページ数                                concept100-4p
           -rv       反転表示                                      concept100-rv

ケーパビリティ
     記述フィールドに、ケーパビリティの意味を示そうとしています。記述フィール
     ドには、次のようなコードが書いてあることがあります:

     (P)     パディングが指定されるかもしれないことを表します。

     #[1-9]  記述フィールドでは、文字列が (#i) として与えられる引数として
             tparm(3)tgoto(3) を介して渡されることを示します。

     (P*)    影響を受ける行数に従いパディングが変化することを示します。

     (#i)    i 番目のパラメータを表します。

     以下、ブール値のケーパビリティです:

     ブール値                TCap    記述
     変数                    コード
     auto_left_margin        bw      cursor_left は、桁 0 から最後の桁に回り込む
     auto_right_margin       am      端末は、自動マージンを持つ
     no_esc_ctlc             xb      beehive (f1=escape, f2=ctrl C)
     ceol_standout_glitch    xs      強調表示は、上書きによって消去されない (hp)
     eat_newline_glitch      xn      80 桁より後の改行は、無視される (concept)
     erase_overstrike        eo      空白を上打ちすることで消去可能
     generic_type            gn      一般的な行タイプ
     hard_copy               hc      ハードコピー端末
     has_meta_key            km      メタキーを持ち、最上位ビットをセットする
     has_status_line         hs      追加のステータス行を持つ
     insert_null_glitch      in      挿入モードは、ナルを区別する
     memory_above            da      画面より上の描画が保存される
     memory_below            db      画面より下の描画が保存される
     move_insert_mode        mi      挿入モードでの移動が安全
     move_standout_mode      ms      強調表示モードでの移動が安全
     over_strike             os      端末は、上打ちが可能
     status_line_esc_ok      es      ステータス行でエスケープを使用可能
     dest_tabs_magic_smso    xt      破壊的タブ、強調文字の奇妙な動作 (t1061)
     tilde_glitch            hz      ~ を印字できない (hazeltine)
     transparent_underline   ul      下線文字の上打ち
     xon_xoff                xo      端末は、xon/xoff のハンドシェイクを使用
     needs_xon_xoff          nx      パディングは、動作しないので xon/xoff が必要
     prtr_silent             5i      プリンタ出力は、画面にエコーしない
     hard_cursor             HC      カーソルが見にくい
     non_rev_rmcup           NR      enter_ca_mode は、exit_ca_mode を反転しない
     no_pad_char             NP      パディング文字が存在しない
     non_dest_scroll_region  ND      スクロール領域が非破壊的
     can_change              cc      端末は、既存の色を再定義可能
     back_color_erase        ut      画面は、背景色で消される
     hue_lightness_saturation        hl      端末は、HLS カラー表現のみ使用
                                             (tektronix)
     col_addr_glitch         YA      桁位置指定および micro_column_address
                                     ケーパビリティは、正方向の動きのみ
     cr_cancels_micro_mode   YB      cr を使用するとマイクロモードがオフになる
     has_print_wheel         YC      オペレータが文字セットを変更する必要がある
                                     プリンタ
     row_addr_glitch         YD      row_address と micro_row_address は、
                                     正方向の動きのみ
     semi_auto_right_margin  YE      最終桁で印字すると cr となる
     cpi_changes_res         YF      文字ピッチを変えると解像度が変わる
     lpi_changes_res         YG      行ピッチを変えると解像度が変わる

     以下、数値のケーパビリティです:

     数値                    TCap    記述
     変数                    コード
     columns                 co      1 行の桁数
     init_tabs               it      タブの初期設定は、# 個の空白ごと
     lines                   li      画面もしくはページの行数
     lines_of_memory         lm      行より大きい場合は、メモリの行数、
                                     0 の場合は、さまざま
     magic_cookie_glitch     sg      enter_standout_mode や exit_standout_mode
                                     が残す空白文字数
     padding_baud_rate       pb      パディングが必要な最低ボーレート
     virtual_terminal        vt      仮想端末番号 (CB/unix)
     width_status_line       ws      ステータス行の桁数
     num_labels              Nl      画面上のラベル数
     label_height            lh      各ラベルの行数
     label_width             lw      各ラベルの桁数
     max_attributes          ma      端末が扱える属性の最大の組み合わせ
     maximum_windows         MW      定義可能なウィンドウ数の最大
     magic_cookie_glitch_ul  ug      下線により残される空白数
     #
     # 以下は、SVr4 のカラーサポートにより導入
     #
     max_colors              Co      画面上の最大色数
     max_pairs               pa      画面上の色の組の最大数
     no_color_video          NC      色付きでは使用できないビデオ属性
     #
     # 以下の数値ケーパビリティは、SVr4.0 の term 構造体に存在しますが、
     # マニュアルには、記述されていません。
     # これらは、SVr4 のプリンタサポートにより追加されました。
     #
     buffer_capacity         Ya      印字前にバッファされるバイト数
     dot_vert_spacing        Yb      1 インチあたりのピン数で表した垂直ピン間隔
     dot_horz_spacing        Yc      1 インチあたりのドット数で表した水平
                                     ドット間隔
     max_micro_address       Yd      micro_..._address での最大値
     max_micro_jump          Ye      parm_..._micro での最大値
     micro_char_size         Yf      マイクロモードでの文字サイズ
     micro_line_size         Yg      マイクロモードでの行サイズ
     number_of_pins          Yh      プリントヘッドのピン数
     output_res_char         Yi      行あたりのユニット数による水平解像度
     output_res_line         Yj      行あたりのユニット数による垂直解像度
     output_res_horz_inch    Yk      インチあたりのユニット数による水平解像度
     output_res_vert_inch    Yl      インチあたりのユニット数による垂直解像度
     print_rate              Ym      1 秒あたりの文字数による印字レート
     wide_char_size          Yn      倍幅モードでの文字ステップサイズ
     buttons                 BT      マウスのボタン数
     bit_image_entwining     Yo      各ビットイメージ行として渡される数
     bit_image_type          Yp      ビットイメージデバイスのタイプ

     以下、文字列ケーパビリティです:

     文字列                  TCap    記述
     変数                    コード
     back_tab                bt      後退タブ (P)
     bell                    bl      可聴シグナル (ベル) (P)
     carriage_return         cr      キャリッジリターン (P*)
     change_scroll_region    cs      領域を行 #1 から行 #2 までに変更 (P)
     clear_all_tabs          ct      全タブストップをクリア (P)
     clear_screen            cl      画面を消去しカーソルをホームに移動 (P*)
     clr_eol                 ce      行末までクリア (P)
     clr_eos                 cd      画面末までクリア (P*)
     column_address          ch      絶対指定での水平位置 #1 (P)
     command_character       CC      端末がプロトタイプで設定可能なコマンド文字
     cursor_address          cm      行 #1 桁 #2 に移動
     cursor_down             do      1 行下に移動
     cursor_home             ho      カーソルをホームに移動
     cursor_invisible        vi      カーソルを見えなくする
     cursor_left             le      1 つ左に移動
     cursor_mem_address      CM      メモリ相対のカーソル位置指定
     cursor_normal           ve      通常のカーソル表示にする
                                     (cursor_invisible/cursor_visible の無効化)
     cursor_right            nd      1 つ右に移動
     cursor_to_ll            ll      最終行の最初の桁
     cursor_up               up      1 行上に移動
     cursor_visible          vs      カーソルを非常に見易くする
     delete_character        dc      文字削除 (P*)
     delete_line             dl      行削除 (P*)
     dis_status_line         ds      ステータス行を無効にする
     down_half_line          hd      半行下に移動
     enter_alt_charset_mode  as      別の文字セット開始 (P)
     enter_blink_mode        mb      点滅オン
     enter_bold_mode         md      ボールド (さらに明るい) モードオン
     enter_ca_mode           ti      cursor_address を使用するプログラムを開始
                                     する文字列
     enter_delete_mode       dm      削除モードへ入る
     enter_dim_mode          mh      半輝度モードオン
     enter_insert_mode       im      挿入モードへ入る
     enter_secure_mode       mk      ブランクモードオン (文字が見えません)
     enter_protected_mode    mp      保護モードオン
     enter_reverse_mode      mr      反転表示モードオン
     enter_standout_mode     so      強調表示モード開始
     enter_underline_mode    us      下線モード開始
     erase_chars             ec      #1 個文字を削除 (P)
     exit_alt_charset_mode   ae      別の文字セット終了 (P)
     exit_attribute_mode     me      全属性をオフ
     exit_ca_mode            te      cup 使用のプログラムを終了する文字列
     exit_delete_mode        ed      削除モード終了
     exit_insert_mode        ei      挿入モードから抜ける
     exit_standout_mode      se      強調表示モードから抜ける
     exit_underline_mode     ue      下線モードから抜ける
     flash_screen            vb      可視ベル (カーソルは、移動しません)
     form_feed               ff      ハードコピー端末でのページ排出 (P*)
     from_status_line        fs      ステータス行からの復帰
     init_1string            i1      初期化文字列
     init_2string            is      初期化文字列
     init_3string            i3      初期化文字列
     init_file               if      初期化ファイルの名前
     insert_character        ic      文字挿入 (P)
     insert_line             al      行挿入 (P*)
     insert_padding          ip      挿入された文字の後にパディングを挿入
     key_backspace           kb      backspace キー
     key_catab               ka      clear-all-tabs キー
     key_clear               kC      clear-screen または erase キー
     key_ctab                kt      clear-tab キー
     key_dc                  kD      delete-character キー
     key_dl                  kL      delete-line キー
     key_down                kd      down-arrow キー
     key_eic                 kM      挿入モードで mir や smir により送られる
     key_eol                 kE      clear-to-end-of-line キー
     key_eos                 kS      clear-to-end-of-screen キー
     key_f0                  k0      F0 ファンクションキー
     key_f1                  k1      F1 ファンクションキー
     key_f10                 k;      F10 ファンクションキー
     key_f2                  k2      F2 ファンクションキー
     key_f3                  k3      F3 ファンクションキー
     key_f4                  k4      F4 ファンクションキー
     key_f5                  k5      F5 ファンクションキー
     key_f6                  k6      F6 ファンクションキー
     key_f7                  k7      F7 ファンクションキー
     key_f8                  k8      F8 ファンクションキー
     key_f9                  k9      F9 ファンクションキー
     key_home                kh      home キー
     key_ic                  kI      insert-character キー
     key_il                  kA      insert-line キー
     key_left                kl      left-arrow キー
     key_ll                  kH      last-line キー
     key_npage               kN      next-page キー
     key_ppage               kP      prev-page キー
     key_right               kr      right-arrow キー
     key_sf                  kF      scroll-forward キー
     key_sr                  kR      scroll-backward キー
     key_stab                kT      set-tab キー
     key_up                  ku      up-arrow キー
     keypad_local            ke      'キーボード送出' モードから抜ける
     keypad_xmit             ks      'キーボード送出' モードに入る
     lab_f0                  l0      非 f0 の時、ファンクションキー f0 のラベル
     lab_f1                  l1      非 f1 の時、ファンクションキー f1 のラベル
     lab_f10                 la      非 f10 の時、ファンクションキー f10 の
                                     ラベル
     lab_f2                  l2      非 f2 の時、ファンクションキー f2 のラベル
     lab_f3                  l3      非 f3 の時、ファンクションキー f3 のラベル
     lab_f4                  l4      非 f4 の時、ファンクションキー f4 のラベル
     lab_f5                  l5      非 f5 の時、ファンクションキー f5 のラベル
     lab_f6                  l6      非 f6 の時、ファンクションキー f6 のラベル
     lab_f7                  l7      非 f7 の時、ファンクションキー f7 のラベル
     lab_f8                  l8      非 f8 の時、ファンクションキー f8 のラベル
     lab_f9                  l9      非 f9 の時、ファンクションキー f9 のラベル
     meta_off                mo      メタモードオフ
     meta_on                 mm      メタモードオン (8 ビット目をオン)
     newline                 nw      改行 (cr の後に lf が来たように振舞います)
     pad_char                pc      パディング文字 (ナルの代り)
     parm_dch                DC      #1 文字を削除 (P*)
     parm_delete_line        DL      #1 行を削除 (P*)
     parm_down_cursor        DO      #1 行下に移動 (P*)
     parm_ich                IC      #1 文字を挿入 (P*)
     parm_index              SF      #1 行の前進スクロール (P)
     parm_insert_line        AL      #1 行を挿入 (P*)
     parm_left_cursor        LE      #1 文字左に移動 (P)
     parm_right_cursor       RI      #1 文字右に移動 (P*)
     parm_rindex             SR      #1 行の後退スクロール (P)
     parm_up_cursor          UP      #1 行上に移動 (P*)
     pkey_key                pk      文字列 #2 をタイプする
                                     プログラムファンクションキー #1
     pkey_local              pl      文字列 #2 を実行する
                                     プログラムファンクションキー #1
     pkey_xmit               px      文字列 #2 を転送する
                                     プログラムファンクションキー #1
     print_screen            ps      画面の内容を印字
     prtr_off                pf      プリンタオフ
     prtr_on                 po      プリンタオン
     repeat_char             rp      文字 #1 を #2 回繰り返す (P*)
     reset_1string           r1      リセット文字列
     reset_2string           r2      リセット文字列
     reset_3string           r3      リセット文字列
     reset_file              rf      リセットファイルの名前
     restore_cursor          rc      save_cursor の最後の位置へカーソルを戻す
     row_address             cv      絶対指定での垂直位置 #1 (P)
     save_cursor             sc      現在のカーソル位置を保存 (P)
     scroll_forward          sf      テキストを上にスクロール (P)
     scroll_reverse          sr      テキストを下にスクロール (P)
     set_attributes          sa      ビデオ属性 #1-#9 を定義 (PG9)
     set_tab                 st      全ての行において今いる桁にタブを設定
     set_window              wi      現在のウィンドウを、行 #1-#2 桁 #3-#4 に
                                     設定
     tab                     ta      次の 8 スペースハードウェアタブストップへ
                                     タブ
     to_status_line          ts      ステータス行へ移動
     underline_char          uc      文字に下線を引きその後に移動
     up_half_line            hu      半行上に移動
     init_prog               iP      初期化プログラムのパス名
     key_a1                  K1      キーパッドの左上キー
     key_a3                  K3      キーパッドの右上キー
     key_b2                  K2      キーパッドの中央キー
     key_c1                  K4      キーパッドの左下キー
     key_c3                  K5      キーパッドの右下キー
     prtr_non                pO      #1 バイトだけプリンタをオンする
     termcap_init2           i2      2 番目の初期化文字列
     termcap_reset           rs      端末リセット文字
     #
     # SVr1 のケーパビリティは、ここまでです。
     # IBM の terminfo は、ここまでは、SVr4 と同じですが、ここから先は、
     # 異なります。
     #
     char_padding            rP      insert_padding と似ていますが挿入モード時
                                     に使用
     acs_chars               ac      図形文字セットの組 - def=vt100
     plab_norm               pn      プログラムラベル #1 は、文字列 #2 を表示
     key_btab                kB      back-tab キー
     enter_xon_mode          SX      xon/xoff ハンドシェイクオン
     exit_xon_mode           RX      xon/xoff ハンドシェイクオフ
     enter_am_mode           SA      自動マージンオン
     exit_am_mode            RA      自動マージンオフ
     xon_character           XN      XON 文字
     xoff_character          XF      XOFF 文字
     ena_acs                 eA      別の文字セットを有効にする
     label_on                LO      ソフトラベルオン
     label_off               LF      ソフトラベルオフ
     key_beg                 @1      begin キー
     key_cancel              @2      cancel キー
     key_close               @3      close キー
     key_command             @4      command キー
     key_copy                @5      copy キー
     key_create              @6      create キー
     key_end                 @7      end キー
     key_enter               @8      enter/send キー
     key_exit                @9      exit キー
     key_find                @0      find キー
     key_help                %1      help キー
     key_mark                %2      mark キー
     key_message             %3      message キー
     key_move                %4      move キー
     key_next                %5      next キー
     key_open                %6      open キー
     key_options             %7      options キー
     key_previous            %8      previous キー
     key_print               %9      print キー
     key_redo                %0      redo キー
     key_reference           &1      reference キー
     key_refresh             &2      refresh キー
     key_replace             &3      replace キー
     key_restart             &4      restart キー
     key_resume              &5      resume キー
     key_save                &6      save キー
     key_suspend             &7      suspend キー
     key_undo                &8      undo キー
     key_sbeg                &9      シフト状態の begin キー
     key_scancel             &0      シフト状態の cancel キー
     key_scommand            *1      シフト状態の command キー
     key_scopy               *2      シフト状態の copy キー
     key_screate             *3      シフト状態の create キー
     key_sdc                 *4      シフト状態の delete char キー
     key_sdl                 *5      シフト状態の delete line キー
     key_select              *6      select キー
     key_send                *7      シフト状態の end キー
     key_seol                *8      シフト状態の end-of-line キー
     key_sexit               *9      シフト状態の exit キー
     key_sfind               *0      シフト状態の find キー
     key_shelp               #1      シフト状態の help キー
     key_shome               #2      シフト状態の home キー
     key_sic                 #3      シフト状態の insert char キー
     key_sleft               #4      シフト状態の left キー
     key_smessage            %a      シフト状態の message キー
     key_smove               %b      シフト状態の move キー
     key_snext               %c      シフト状態の next キー
     key_soptions            %d      シフト状態の options キー
     key_sprevious           %e      シフト状態の previous キー
     key_sprint              %f      シフト状態の print キー
     key_sredo               %g      シフト状態の redo キー
     key_sreplace            %h      シフト状態の replace キー
     key_sright              %i      シフト状態の right キー
     key_srsume              %j      シフト状態の resume キー
     key_ssave               !1      シフト状態の save キー
     key_ssuspend            !2      シフト状態の suspend キー
     key_sundo               !3      シフト状態の undo キー
     req_for_input           RF      次の入力文字を送る (pty で使用)
     key_f11                 F1      F11 ファンクションキー
     key_f12                 F2      F12 ファンクションキー
     key_f13                 F3      F13 ファンクションキー
     key_f14                 F4      F14 ファンクションキー
     key_f15                 F5      F15 ファンクションキー
     key_f16                 F6      F16 ファンクションキー
     key_f17                 F7      F17 ファンクションキー
     key_f18                 F8      F18 ファンクションキー
     key_f19                 F9      F19 ファンクションキー
     key_f20                 FA      F20 ファンクションキー
     key_f21                 FB      F21 ファンクションキー
     key_f22                 FC      F22 ファンクションキー
     key_f23                 FD      F23 ファンクションキー
     key_f24                 FE      F24 ファンクションキー
     key_f25                 FF      F25 ファンクションキー
     key_f26                 FG      F26 ファンクションキー
     key_f27                 FH      F27 ファンクションキー
     key_f28                 FI      F28 ファンクションキー
     key_f29                 FJ      F29 ファンクションキー
     key_f30                 FK      F30 ファンクションキー
     key_f31                 FL      F31 ファンクションキー
     key_f32                 FM      F32 ファンクションキー
     key_f33                 FN      F33 ファンクションキー
     key_f34                 FO      F34 ファンクションキー
     key_f35                 FP      F35 ファンクションキー
     key_f36                 FQ      F36 ファンクションキー
     key_f37                 FR      F37 ファンクションキー
     key_f38                 FS      F38 ファンクションキー
     key_f39                 FT      F39 ファンクションキー
     key_f40                 FU      F40 ファンクションキー
     key_f41                 FV      F41 ファンクションキー
     key_f42                 FW      F42 ファンクションキー
     key_f43                 FX      F43 ファンクションキー
     key_f44                 FY      F44 ファンクションキー
     key_f45                 FZ      F45 ファンクションキー
     key_f46                 Fa      F46 ファンクションキー
     key_f47                 Fb      F47 ファンクションキー
     key_f48                 Fc      F48 ファンクションキー
     key_f49                 Fd      F49 ファンクションキー
     key_f50                 Fe      F50 ファンクションキー
     key_f51                 Ff      F51 ファンクションキー
     key_f52                 Fg      F52 ファンクションキー
     key_f53                 Fh      F53 ファンクションキー
     key_f54                 Fi      F54 ファンクションキー
     key_f55                 Fj      F55 ファンクションキー
     key_f56                 Fk      F56 ファンクションキー
     key_f57                 Fl      F57 ファンクションキー
     key_f58                 Fm      F58 ファンクションキー
     key_f59                 Fn      F59 ファンクションキー
     key_f60                 Fo      F60 ファンクションキー
     key_f61                 Fp      F61 ファンクションキー
     key_f62                 Fq      F62 ファンクションキー
     key_f63                 Fr      F63 ファンクションキー
     clr_bol                 cb      行頭までクリア
     clear_margins           MC      左右のソフトマージンをクリア
     set_left_margin         ML      左のソフトマージンを設定
     set_right_margin        MR      右のソフトマージンを設定
     label_format            Lf      ラベルフォーマット
     set_clock               SC      時刻を #1 時 #2 分 #3 秒に設定
     display_clock           DK      位置 (#1,#2) に時計を表示
     remove_clock            RC      時計を取り除く
     create_window           CW      ウィンドウ #1 を #2, #3 から #4, #5 までと
                                     定義
     goto_window             WG      ウィンドウ #1 に移動
     hangup                  HU      電話をハングアップする
     dial_phone              DI      番号 #1 にダイヤルする
     quick_dial              QD      チェックせずに番号 #1 にダイヤルする
     tone                    TO      タッチトーンダイヤルを選択
     pulse                   PU      パルスダイヤルを選択
     flash_hook              fh      スイッチフックをフラッシュする
     fixed_pause             PA      2-3 秒待つ
     wait_tone               WA      ダイヤルトーンを待つ
     user0                   u0      ユーザ文字列 #0
     user1                   u1      ユーザ文字列 #1
     user2                   u2      ユーザ文字列 #2
     user3                   u3      ユーザ文字列 #3
     user4                   u4      ユーザ文字列 #4
     user5                   u5      ユーザ文字列 #5
     user6                   u6      ユーザ文字列 #6
     user7                   u7      ユーザ文字列 #7
     user8                   u8      ユーザ文字列 #8
     user9                   u9      ユーザ文字列 #9
     #
     # SVr4 は、以下のケーパビリティを追加してカラーをサポートしました
     #
     orig_pair               op      デフォルトのペアを元の値に戻す
     orig_colors             oc      色のペア全てを元に戻す
     initialize_color        Ic      色 #1 を (#2,#3,#4) に設定
     initialize_pair         Ip      色のペア #1 を fg=(#2,#3,#4),
                                     bg=(#5,#6,#7) に設定
     set_color_pair          sp      現在の色のペアを #1 に設定
     set_foreground          Sf      前景色を #1 に設定
     set_background          Sb      背景色を #1 に設定
     #
     # SVr4 は、以下のケーパビリティを追加してプリンタをサポートしました
     #
     change_char_pitch       ZA      1 インチあたりの文字数を変更
     change_line_pitch       ZB      1 インチあたりの行数を変更
     change_res_horz         ZC      水平解像度を変更
     change_res_vert         ZD      垂直解像度を変更
     define_char             ZE      文字を定義
     enter_doublewide_mode   ZF      倍幅モードに入る
     enter_draft_quality     ZG      ドラフト印字モードに入る
     enter_italics_mode      ZH      イタリックモードに入る
     enter_leftward_mode     ZI      キャリッジの左向き移動開始
     enter_micro_mode        ZJ      マイクロ移動モードに入る
     enter_near_letter_quality       ZK      NLQ 印字モードに入る
     enter_normal_quality    ZL      通常品質印字モードに入る
     enter_shadow_mode       ZM      シャドウプリントモード開始
     enter_subscript_mode    ZN      下付き文字モード
     enter_superscript_mode  ZO      上付き文字モード
     enter_upward_mode       ZP      キャリッジの上向き移動開始
     exit_doublewide_mode    ZQ      倍幅印字モード終了
     exit_italics_mode       ZR      イタリックモード終了
     exit_leftward_mode      ZS      左向き移動モード終了
     exit_micro_mode         ZT      マイクロ移動モード終了
     exit_shadow_mode        ZU      シャドウプリントモード終了
     exit_subscript_mode     ZV      下付き文字モード終了
     exit_superscript_mode   ZW      上付き文字モード終了
     exit_upward_mode        ZX      逆向き文字移動終了
     micro_column_address    ZY      マイクロモードの column_address
     micro_down              ZZ      マイクロモードの cursor_down
     micro_left              Za      マイクロモードの cursor_left
     micro_right             Zb      マイクロモードの cursor_right
     micro_row_address       Zc      マイクロモードの row_address
     micro_up                Zd      マイクロモードの cursor_up
     order_of_pins           Ze      ソフトウェアビットを印字ヘッドピンに
                                     あわせる
     parm_down_micro         Zf      マイクロモードの parm_down_cursor
     parm_left_micro         Zg      マイクロモードの parm_left_cursor
     parm_right_micro        Zh      マイクロモードの parm_right_cursor
     parm_up_micro           Zi      マイクロモードの parm_up_cursor
     select_char_set         Zj      文字セットの選択
     set_bottom_margin       Zk      現在の行を下マージンに設定
     set_bottom_margin_parm  Zl      下マージンを行 #1 または下から #2 行に設定
     set_left_margin_parm    Zm      左 (右) マージンを桁 #1 (#2) に設定
     set_right_margin_parm   Zn      右マージンを桁 #1 に設定
     set_top_margin          Zo      上マージンを現在の行に設定
     set_top_margin_parm     Zp      上 (下) マージンを行 #1 (#2) に設定
     start_bit_image         Zq      ビットイメージグラフィクスの印刷開始
     start_char_set_def      Zr      文字セットの定義開始
     stop_bit_image          Zs      ビットイメージグラフィクスの印刷停止
     stop_char_set_def       Zt      文字セットの定義終了
     subscript_characters    Zu      下付き文字となりうる文字のリスト
     superscript_characters  Zv      上付き文字となりうる文字のリスト
     these_cause_cr          Zw      印字すると CR となる文字
     zero_motion             Zx      次の文字表示では移動しない
     #
     # 以下の文字列ケーパビリティは、SVr4.0 の term 構造体にありますが、
     # マニュアルページには、記述されていません。
     #
     char_set_names          Zy      文字セット名のリスト
     key_mouse               Km      マウスイベントが発生した
     mouse_info              Mi      マウス状態の情報
     req_mouse_pos           RQ      マウス位置の要求
     get_mouse               Gm      curses がボタンイベントを取得すべき
     set_a_foreground        AF      ANSI 前景色を設定
     set_a_background        AB      ANSI 背景色を設定
     pkey_plab               xl      文字列 #2 をタイプし、文字列 #3 を表示する
                                     プログラムファンクションキー
     device_type             dv      言語/コードセットサポートの表示
     code_set_init           ci      複数コードセットシーケンスの初期化
     set0_des_seq            s0      コードセット 0 へシフト
                                     (EUC セット 0, ASCII)
     set1_des_seq            s1      コードセット 1 へシフト
     set2_des_seq            s2      コードセット 2 へシフト
     set3_des_seq            s3      コードセット 3 へシフト
     set_lr_margin           ML      左右マージンをそれぞれ #1, #2 に設定
     set_tb_margin           MT      上下マージンをそれぞれ #1, #2 に設定
     bit_image_repeat        Xy      ビットイメージセル #1 を #2 回繰り返す
     bit_image_newline       Zz      ビットイメージの次の行に移動
     bit_image_carriage_return       Yv      同一行の先頭に移動
     color_names             Yw      色 #1 の名前を与える
     define_bit_image_region Yx      長方形のビットイメージ領域を定義
     end_bit_image_region    Yy      ビットイメージ領域の終了
     set_color_band          Yz      色リボン #1 に変更
     set_page_length         YZ      ページ長を #1 行に設定
     #
     # SVr4 は、以下のケーパビリティを追加し、直接 PC クローンをサポートしました
     #
     display_pc_char         S1      PC 文字を表示
     enter_pc_charset_mode   S2      PC 文字表示モードに入る
     exit_pc_charset_mode    S3      PC 文字表示モード終了
     enter_scancode_mode     S4      PC スキャンコードモードに入る
     exit_scancode_mode      S5      PC スキャンコードモードから抜ける
     pc_term_options         S6      PC 端末オプション
     scancode_escape         S7      スキャンコードエミュレーションのための
                                     エスケープ
     alt_scancode_esc        S8      スキャンコードエミュレーションのための
                                     別のエスケープ
     #
     # XSI curses 標準は、以下のケーパビリティを追加しました。
     #
     enter_horizontal_hl_mode        Xh      水平ハイライトモードに入る
     enter_left_hl_mode      Xl      左ハイライトモードに入る
     enter_low_hl_mode       Xo      下ハイライトモードに入る
     enter_right_hl_mode     Xr      右ハイライトモードに入る
     enter_top_hl_mode       Xt      上ハイライトモードに入る
     enter_vertical_hl_mode  Xv      垂直ハイライトモードに入る

     以下は、廃れた termcap ケーパビリティです。新しいソフトウェアは、どれにも
     依存しないようにしてください。

     ブール値                TCap    記述
     変数                    コード
     linefeed_is_newline     NL      ^J で下に移動
     even_parity             EP      端末は、偶数パリティを要求
     odd_parity              OP      端末は、奇数パリティを要求
     half_duplex             HD      端末は、半 2 重
     lower_case_only         LC      端末は、小文字のみ持つ
     upper_case_only         UC      端末は、大文字のみ持つ
     has_hardware_tabs       pt      ^I で起動される 8 文字タブがある
     return_does_clr_eol     xr      リターンは、行をクリアする
     tek_4025_insert_line    xx      Tektronix 4025 の insert-line グリッチ
     backspaces_with_bs      bs      左に移動するために ^H を使用
     crt_no_scrolling        ns      crt は、スクロールできない
     no_correctly_working_cr nc      行頭に行く手段が無い

     数値                    TCap    記述
     変数                    コード
     backspace_delay         dB      ^H に必要なパディング
     form_feed_delay         dF      ^L に必要なパディング
     horizontal_tab_delay    dT      ^I に必要なパディング
     vertical_tab_delay      dV      ^V に必要なパディング
     number_of_function_keys kn      ファンクションキーの数
     carriage_return_delay   dC      CR に必要なパディング
     new_line_delay          dN      LF に必要なパディング

     文字列                  TCap    記述
     変数                    コード
     other_non_function_keys ko      自己にマップされたキーのリスト
     arrow_key_map           ma      矢印キーをマップ
     memory_lock_above       ml      現在の行より上の画面で見える部分のメモリを
                                     ロック
     memory_unlock           mu      現在の行より上の画面で見える部分のメモリの
                                     ロックを解除
     linefeed_if_not_lf      nl      下に移動するために使用
     backspace_if_not_bs     bc      ^H でない場合に左に移動

   エントリのサンプル
     以下のエントリは、Concept-100 について記述しており、本書において termcap
     ファイル中の最も複雑なエントリの 1 つです。

     ca|concept100|c100|concept|c104|concept100-4p|HDS Concept-100:\
             :al=3*\E^R:am:bl=^G:cd=16*\E^C:ce=16\E^U:cl=2*^L:cm=\Ea%+ %+ :\
             :co#80:.cr=9^M:db:dc=16\E^A:dl=3*\E^B:do=^J:ei=\E\200:eo:im=\E^P:in:\
             :ip=16*:is=\EU\Ef\E7\E5\E8\El\ENH\EK\E\200\Eo&\200\Eo\47\E:k1=\E5:\
             :k2=\E6:k3=\E7:kb=^h:kd=\E<:ke=\Ex:kh=\E?:kl=\E>:kr=\E=:ks=\EX:\
             :ku=\E;:le=^H:li#24:mb=\EC:me=\EN\200:mh=\EE:mi:mk=\EH:mp=\EI:\
             :mr=\ED:nd=\E=:pb#9600:rp=0.2*\Er%.%+ :se=\Ed\Ee:sf=^J:so=\EE\ED:\
             :.ta=8\t:te=\Ev    \200\200\200\200\200\200\Ep\r\n:\
             :ti=\EU\Ev  8p\Ep\r:ue=\Eg:ul:up=\E;:us=\EG:\
             :vb=\Ek\200\200\200\200\200\200\200\200\200\200\200\200\200\200\EK:\
             :ve=\Ew:vs=\EW:vt#8:xn:\
             :bs:cr=^M:dC#9:dT#8:nl=^J:ta=^I:pt:

     行末文字に \ を使用すれば、複数行にエントリを続けることができます。また空
     のフィールドを含めて可読性を上げることもできます (ある行の最後のフィール
     ドから次の行の最初のフィールドまでです)。コメントは、``#'' で始まる行に含
     めることができます。

   ケーパビリティの型
     termcap のケーパビリティには、次の 3 種類があります: 特定の機能を端末が持
     つかどうかを示す、ブール値ケーパビリティ; 画面の大きさや他の属性の大きさ
     を与える、数値ケーパビリティ; そして特定の端末操作を行うために使用可能な
     文字列を与える、文字列ケーパビリティです。全てのケーパビリティが 2 文字の
     コードを持ちます。例えば、Concept が、自動マージン (行末に到達すると、自
     動的にリターンおよびラインフィードする機能) を持つという事実は、ブール値
     ケーパビリティ am で示されます。それゆえ Concept の記述は、am を含みま
     す。

     数値ケーパビリティの後には、文字 `#' が続き、そして値が続きます。上の例で
     は、画面の桁数を示す co は、Concept に対しては、値 `80' を与えます。

     最後に、文字列値のケーパビリティ、例えば ce (行末までクリアのシーケンス)
     は、2 文字のコード、単一の `='、そして次の `:' までの文字列で与えられま
     す。このケーパビリティにおいては、ミリ秒指定の遅延を `=' の後に指定可能で
     す。この場合、残りの文字列が送られた後、パディング文字が tputs(3) により
     与えられ、この遅延を発生させます。遅延は、`20' のような数値または `3*' の
     ような `*' が続く数値です。`*' は、この操作により影響を受ける行数に必要な
     パディングが比例すること、そして指定量は、影響を受ける各行に必要なパディ
     ングであることを示します。(insert-character の場合でも、係数は、影響を受
     ける行数です; ただし、端末が in を持っていてソフトウェアがこれを使用する
     場合以外は、この値は、常に 1 です。) `*' が指定される時、`3.5' のような形
     式により 1/10 ミリ秒単位で行あたりの遅延を指定するのが便利な場合がありま
     す。(10 進数 1 桁分のみ許されます。)

     多くのエスケープシーケンスが文字列値のケーパビリティで提供されますので、
     ここでは、容易に制御文字をエンコードできます。\E は、ESC 文字にマップし、
     ^X は、適切な X に対して control-X にマップし、シーケンス \n \r \t \b \f
     は、それぞれ、ラインフィード、リターン、タブ、バックスペース、フォーム
     フィードにマップします。最後に、文字は、\ の後に 3 桁 8 進数として指定可
     能ですし、^\ の文字は、\^\\ として与えられます。ケーパビリティ中
     に : を入れる必要がある場合、\: とエスケープするか、8 進数で \072 とエス
     ケープする必要があります。文字列ケーパビリティ中に NUL 文字を入れる必要が
     ある場合、\200 とエンコードする必要があります。(termcap を扱うルーチン
     は、C の文字列を使用し、出力の最上位ビットをかなり遅い段階で取り除くの
     で、\200 は、\000 として出力されます。)

     個々のケーパビリティをコメントアウトする必要があるかもしれません。その場
     合には、ケーパビリティ名の前にピリオドを付けます。例えば、例における最初
     の crta を見てください。

   記述の準備
     端末記述を準備する最も効果的な方法は、termcap 中の似た端末の記述を真似
     し、vi(1) を使用して部分記述の正しさを確認することにより、徐々に記述を構
     築するというものです。非常に稀なことですが、端末によっては、termcap ファ
     イルの記述能力不足や vi(1) のバグが露呈することがありますので注意してくだ
     さい。あなたが新しく作った端末記述を簡単にテストするには、あなたのホーム
     ディレクトリに .termcap という名前のファイルとして置き、プログラムが
     /usr/share/misc/termcap の前にこれを見るようにします。環境変数 TERMPATH
     をあなたが作成した記述を含む絶対ファイルパス名のリスト (空白もしくはコロ
     ンで区切ります) に設定することにより、プログラムは、これらをリスト順に検
     索し、他は、検索しないようになります。termcap(3) を参照してください。
     TERMCAP 環境変数は、通常 termcap エントリ自身に設定され、プログラム起動時
     にファイルを読むことを避けます。

     行挿入に対する適切なパディングを得るためには、(端末製造元が記述しなかった
     場合には)、vi(1) を使用して /etc/passwd を 9600 ボーで編集し、およそ 16
     行を画面中央から削除し、それから `u' キーを何度か素早く押すという、厳しい
     テストを行います。画面がぐちゃぐちゃになった場合には、通常は、より多くの
     パディングが必要となります。同様のテストを文字挿入に対しても行うことが可
     能です。

   基本ケーパビリティ
     表示の各行の桁数は、co 数値ケーパビリティで与えられます。表示が CRT にな
     される場合、画面の行数は、li ケーパビリティで与えられます。カーソルが右
     マージンに到達した時に、表示が次の行の先頭に回り込む場合には、am ケーパビ
     リティを持ちます。端末が画面をクリア可能な場合には、そうするためのコード
     が cl 文字列ケーパビリティで与えられます。端末が (上書きされる文字の位置
     をクリアするのではなく) 上打ちする場合には、os ケーパビリティがあります。
     端末がプリント端末でソフトコピーユニットを持たない場合、hcos を指定し
     てください。(os があてはまるのは、Tektronix 4010 シリーズのようなストレー
     ジスコープ端末、ハードコピー端末、そして APL 端末です。) カーソルを直ちに
     左端に移動するためのコードがある場合には、それを cr で指定します。(通常こ
     れは、復帰文字(キャリッジリターン)、すなわち ^M です。) 可聴シグナル (ベ
     ルやビープなど) を発生するコードがある場合には、それを bl で指定します。

     (バックスペースのように) カーソルを 1 つ左に移動するコードがある場合に
     は、このケーパビリティは、le で指定します。同様に、右上下に移動するコード
     は、それぞれ nd, up, do で指定します。これらのローカルなカーソル移動は、
     カーソルが通過する文字を変化させてはなりません; 例えば、通常は、``nd= ''
     を使用してはなりません。例外は、端末が os ケーパビリティを持つ場合です。
     この理由は、通過する文字を空白が消してしまうからです。

     ここで非常に重要なポイントは、termcap でエンコードされるローカルなカーソ
     ル移動は、CRT 表示の左端および上端では、動作が未定義だということです。
     ローカルなカーソル移動を使用している場合には、左端においては、bw が与えら
     れているのでなければ、プログラムは、バックスペースを試してはなりません
     し、上端においては、上への移動を試してはなりません。

     テキストを上にスクロールするには、プログラムは、画面左下角に移動して、sf
     (インデックス) 文字列を送ります。テキストを下にスクロールするには、プログ
     ラムは、画面左上角に移動して、sr (逆インデックス) 文字列を送ります。期待
     された角以外での sf および sr 文字列の動作は、未定義です。パラメータ化し
     たバージョンのスクロールシーケンスは、SF および SR で、sf および sr と同
     様の意味ですが、1 つパラメータを取ってその行数だけスクロールさせるという
     ところが違います。これらもまた、画面上の適切な角以外での動作は、未定義で
     す。

     am ケーパビリティは、画面の右端にてテキスト出力を行った時に、カーソルがそ
     の位置に留まるか否かを示します。しかしこれは、最後の桁での nd を必ずしも
     意味しません。左端らかの左向きのローカル移動は、bw が与えられている場合の
     み定義されます; この場合、左端における le は、直前行の右端へ移動します。
     例えば、画面の周囲に箱を描画する場合に便利です。端末が切り替え選択式の自
     動マージンを持つ場合には、termcap 記述は、通常この機能、すなわち am がオ
     ンであることを仮定します。次行の先頭桁への移動コマンドを端末が持つ場合、
     このコマンドは、nw (改行) で与えることができます。これを使用して現在の行
     の残りの部分をクリアすることができますので、正しく動作する CR および LF
     を持たない場合には、これらの代りに使用することができます。

     これらの機能で、ハードコピー端末および ``ガラスの tty'' 端末を記述するた
     めには、十分です。Teletype model 33 は、以下のように記述されています

           T3|tty33|33|tty|Teletype model 33:\
                   :bl=^G:co#72:cr=^M:do=^J:hc:os:

     また Lear Siegler ADM-3 は、以下のように記述されています

           l3|adm3|3|LSI ADM-3:\
           :am:bl=^G:cl=^Z:co#80:cr=^M:do=^J:le=^H:li#24:sf=^J:

   パラメータ化された文字列
     カーソル位置設定などのパラメータを要求する文字列は、パラメータ化された文
     字列ケーパビリティで記述します。ここでは、printf(3) に似たエスケープ %x
     を使用します。その他の文字は、変更されずに渡されます。例えば、カーソル位
     置設定のために cm ケーパビリティが与えられますが、これは、2 つのパラメー
     タを使用します: それぞれ移動先の行と桁です。(行と桁は、0 から番号が振ら
     れ、ユーザから見える物理画面を参照します。見えないメモリは、参照しませ
     ん。端末がメモリ相対のカーソル位置設定機能を持つ場合には、CM という似た
     ケーパビリティで指定されます。)

     % エンコードは、以下の意味を持ちます:

     %%       `%' を出力
     %d       値を printf(3) %d のように出力
     %2       値を printf(3) %2d のように出力
     %3       値を printf(3) %3d のように出力
     %.       値を printf(3) %c のように出力
     %+x      値に x を加え、% を実行
     %>xy     もし値 > x の場合には、y を加える。無出力
     %r       2 つのパラメータの順を逆転。無出力
     %i       1 増加。無出力
     %n       全パラメータに関した 0140 との排他的論理和 (Datamedia 2500)
     %B       BCD (16*(value/10)) + (value%10) を実行。無出力
     %D       逆コーディング (value - 2*(value%16))。無出力 (Delta Data)

     Hewlett-Packard 2645 において第 3 行第 12 桁に移動する場合、
     ``\E&a12c03Y'' を送って 6 ミリ秒パディングする必要があります。行と桁の関
     係がここでは、逆であり、行および桁は、2 桁の整数として送ることに注意して
     ください。よって、この端末の cm ケーパビリティは、``cm=6\E&%r%2c%2Y'' と
     なります。

     Datamedia 2500 は、現在の行と桁を ``%.'' でバイナリエンコードして送る必要
     があります。``%.'' を使用する端末は、カーソルをバックスペース (le) させる
     機能と画面上で 1 行カーソルを上に移動 (up) する機能を持つ必要があります。
     なぜなら \n, ^D, \r を送出するのは、常に安全というわけではなく、システム
     がこれらに変更を加えたり捨てたりする場合があるからです。(termcap を使用す
     るプログラムは、タブが展開されないように端末モードを設定し、\t が安全に送
     られるようにしなければなりません。これは、Ann Arbor 4080 において本質的で
     す。)

     最後の例は、Lear Siegler ADM-3a です。この端末では、行と桁は、空白文字で
     与えますので、``cm=\E=%+ %+ '' となります。

     絶対値での行や桁のカーソル位置設定は、単一パラメータのケーパビリティ ch
     (水平絶対位置) および cv (垂直絶対位置) で与えられます。一般的な 2 パラ
     メータシーケンスよりもこれらを使用する方が短かいことがあり (Hewlett
     Packard 2645 の場合)、cm よりも好んで使用され得ます。パラメータ化された
     ローカル移動 (例えば、n 個右に移動) の機能がある場合、DO, LE, RI, UP とし
     て与えられます。これらは、単一パラメータを取り、いくつ移動するのかを示し
     ます。第 1 に Tektronix 4025 のような cm を持たない端末で有用です。

   カーソル移動
     端末が高速にカーソルをホーム (画面の左上角) に移動する方法がある場合、こ
     れは、ho として与えられます。同様に、高速に左下角に移動する方法は、ll で
     与えられます; これには、ホームポジションにて up を使用することによる上へ
     の移動を含みますが、プログラム自身がこれを実行してはなりません (ただし ll
     が実行する場合を除く)。なぜならプログラムは、ホームポジションでの上への移
     動の効果を仮定できないからです。) ホームポジションは、カーソル位置 (0,0)
     と同じです: 画面の左上角であり、メモリは、無関係です。(それゆえ、Hewlett
     Packard 端末の ``\EH'' シーケンスは、ho としては、使用できません。)

   領域クリア
     端末が、現在位置に留まりつつ、現在位置から行末までクリア可能である場合に
     は、この機能は、ce として与えられます。端末が、現在位置から描画終端までを
     クリア可能である場合には、この機能は、cd として与えられます。cd は、行の
     最初の桁においてのみ起動可能です。(よって、真の cd が利用できない場合、こ
     の機能は、多数の行を削除する要求にてシミュレート可能です。)

   行の挿入および削除
     端末が、カーソルがいる行の前に新しい空行を開けることが可能な場合、この機
     能は、al として与えられます; この機能を起動するには、行頭にいる必要があり
     ます。行を開けると、カーソルは、新しい空行の左端に移動します。端末が、
     カーソルがいる行を削除可能な場合、この機能は、dl として与えられます; この
     機能を起動するには、削除する行の先頭にいる必要があります。1 つパラメータ
     を取ってその数だけ行を挿入および削除する al および dl の変形は、AL および
     DL として与えられます。端末が、(VT100 のように) 設定可能なスクロール領域
     を持つ場合、設定コマンドは、2 つのパラメータを取る cs ケーパビリティとし
     て記述されます: パラメータは、スクロール領域の上端行および下端行です。な
     んとしたことか、このコマンド使用後のカーソル位置は、未定義です。行挿入お
     よび行削除の効果は、このコマンドを使用することで得られます -- sc および
     rc (カーソルの保存と回復) コマンドもまた有用です。画面の上端または下端に
     おける行挿入は、真の行挿入/削除を持たない多くの端末において、sr または sf
     にて実行できます。また、真の行挿入/削除機能を持つ端末においても、こちらの
     方が高速な場合が多いです。

     メモリの一部を、全コマンドが影響するウィンドウとして定義する能力を端末が
     持つ場合、これは、パラメータ化された文字列 wi で与えられます。4 つのパラ
     メータは、順番に、メモリにおける開始行・終了行・開始桁・終了桁です。(この
     terminfo(5) ケーパビリティは、完全性のために記述しています。termcap を使
     用するプログラムは、この機能を使ってはいないでしょう。)

     端末が画面より上方の表示メモリを保存する場合、da ケーパビリティが与えられ
     ます; 下方の表示メモリが保存される場合、db が与えられます。これらの機能
     は、行削除やスクロールにより非空白行が下から現れることや、sr による後退ス
     クロールにより非空白行が上から現れることを示します。

   文字の挿入および削除
     termcap にて記述可能な文字挿入および削除に関しては、基本的に 2 種類のイン
     テリジェント端末があります。最も一般的な文字の挿入/削除操作は、現在行の文
     字にのみ作用し、行末までの文字を厳格にシフトします。他の端末、Concept-100
     や Perkin Elmer Owl では、タイプされた空白とタイプされたものではない空白
     を区別し、挿入/削除に際するシフトは、画面上のタイプされたものではない空白
     にのみ適用されます。タイプされたものではない空白は、削除されるか、2 つの
     タイプされたものではない空白に拡張されます。使用している端末の種類を判別
     するためには、画面をクリアし、カーソル移動を含めてテキストをタイプしま
     す。例えば ``abc    def'' を、``abc'' と ``def'' の間でローカルなカーソル
     移動 (空白ではありません) を行ってタイプします。その後、カーソルを
     ``abc'' の前に移動し、端末を挿入モードにします。そこで文字をタイプすると
     行の残りの部分が厳密にシフトされ終端から出て行く場合、あなたの端末は、空
     白とタイプされたものではない位置とを区別しません。もし挿入に際して、
     ``abc'' が ``def'' のところまでシフトし、それから一緒に現在の行の終端まで
     移動して次行に移動する場合、あなたの端末は、2 番目の種類の端末を持ってい
     ますので、``ナル挿入'' を表すケーパビリティ in を指定します。これら 2 つ
     は、論理的に別の属性 (1 行対複数行の挿入モードでタイプされたものではない
     空白を特別に扱う) ですが、挿入モードをどちらかで記述できない端末を我々
     は、見たことがありません。

     termcap エントリは、挿入モードを持つ端末も、単純なシーケンスを送って現在
     の行に空白位置を開ける端末も、両方記述可能です。im は、挿入モードに入る
     シーケンスを表します。ei は、挿入モードから抜けるシーケンスを表します。そ
     して、ic は、挿入する文字を送る直前に送る必要があるシーケンスを表します。
     真の挿入モードを持つほとんどの端末は、ic を指定しません; 一方、画面上の位
     置を開けるためにシーケンスを使用する端末は、これを指定する必要がありま
     す。(端末が両方の機能を持つ場合には、挿入モードは、通常 ic が好まれます。
     実際に両機能を組み合せる必要がある端末の場合以外は、両方を指定しないでく
     ださい。) 挿入後にパディングが必要な場合、ミリ秒数にて ip (文字列オプショ
     ン) で与えます。1 文字挿入後に送る必要があるシーケンスもまた ip で指定し
     ます。`挿入モード' である必要があり、なおかつ挿入文字の前に特別のコードを
     送る必要がある端末の場合、im/ eiic が与えられ、両方を使用します。単一
     のパラメータ n を取る IC ケーパビリティは、ic の効果を n 回繰り返します。

     挿入モード中で同一行の文字を削除するために、時々移動が必要になります (例
     えば挿入位置の後にタブがある場合)。挿入モード中で移動を許す端末の場合、
     ケーパビリティ mi を指定して、このような場合の挿入を高速化できます。mi を
     省略しても速度に影響するだけです。端末によっては、(特に Datamedia のもの
     では)、挿入モードの動作方法の理由により、mi を指定してはなりません。

     最後に、1 文字削除のために dc を指定可能です。DC は、単一パラメータ n を
     取り n 文字削除します。そして削除モードは、dm および ed で、削除モードの
     入り方および抜け方を示します (削除モードとは、dc が動作するために端末がい
     るべきモードです)。

   ハイライト・下線・可視ベル
     端末が 1 つまたはそれ以上の種類の表示属性を持つ場合、これらは、様々な方法
     で表現されていることでしょう。1 つの表示形式を強調表示モードとして選択し
     てください。このモードは、十分高いコントラストで見易く、エラーメッセージ
     や注意を引く表示のハイライトに適します。(選択可能ならば、反転表示に半分の
     明るさ、もしくは反転表示のみが良いでしょう。) 強調表示モードに入るシーケ
     ンスおよび出るシーケンスは、それぞれ so および se で与えられます。TVI 912
     や Teleray 1061 のように、強調表示モードの出入りのコードが、1 つ 2 つの空
     白やごみの文字を画面上に残す場合、sg を指定して、何文字残されるのかを指定
     してください。

     下線の開始および下線の終了は、それぞれ us および ue で指定します。下線
     モード変更によるごみは、sg 同様 ug として指定します。Microterm Mime のよ
     うに、現在位置の文字に下線を引き、カーソルをひとつ右の位置に移動するコー
     ドを端末が持つ場合、このコードは、uc で指定します。

     その他もろもろのハイライトモードに入るケーパビリティには、mb (点滅)、md
     (ボールドまたは更に明るい)、mh (暗いまたは半輝度)、mk (空白または見えない
     テキスト)、mp (保護状態)、mr (反転表示)、me (全ての属性モードをオフ)、as
     (別の文字セットモードに入る) そして ae (別の文字セットモードから抜ける)
     があります。これらのモードを単独でオンにした場合、他のモードをオフにする
     場合もありますし、オフにしない場合もあります。

     モードの任意の組み合わせを設定するシーケンスがある場合、これは、9 個のパ
     ラメータを取る sa (属性設定) で指定します。それぞれのパラメータは、0 また
     は 1 であり、対応する属性がオンまたはオフされます。9 個のパラメータは、順
     番に次の通りです: 強調表示・下線・反転・点滅・暗い・ボールド・空白・保
     護・別の文字セット。全モードが sa によりサポートされている必要は無く、サ
     ポートされているものに対応するコマンドが存在することのみ必要です。
     (termcap を使用するプログラムは、このケーパビリティをサポートしていないで
     しょう。このケーパビリティは、terminfo(5) との互換性のために定義していま
     す。)

     各文字セルに追加された属性ビットを管理するのではなく、``マジッククッ
     キー'' グリッチ (sg および ug) を持つ端末では、描画アルゴリズムに影響する
     モード設定シーケンスを受信した時に、特別な ``クッキー'' または ``ごみ文
     字'' を画面に残します。

     Hewlett-Packard 2621 のように、新しい行へ移動した時やカーソル位置を設定し
     た時に自動的に強調表示モードから抜ける端末があります。このような端末にお
     いては、強調表示モードを使用するプログラムは、カーソル移動や改行送信前に
     強調表示モードから抜ける必要があります。このような問題が無い端末では、ms
     ケーパビリティが存在し、このオーバヘッドが不要であることを示します。

     エラーを静かに伝えるために端末が画面をフラッシュさせる方法を持つ場合 (ベ
     ルの代りです)、これは、vb として指定します; この機能は、カーソルを移動し
     てはなりません。

     カーソルが最下行になくても、通常時よりも見易くする必要がある場合 (例え
     ば、点滅していない下線を、より見つけ易いブロックや点滅する下線に変更する
     場合)、このシーケンスは、vs で与えます。カーソルを完全に見えなくする方法
     がある場合には、これは、vi ケーパビリティで指定します。これらのモードの効
     果を打ち消すケーパビリティ ve も指定する必要があります。

     (特別なコードを必要とせずに) 下線を引かれた文字を端末が正しく表示する場
     合、しかもその機能が上打ちではない場合、このケーパビリティを ul で示しま
     す。上打ちを空白にて消去可能な場合、これは、eo で示します。

   キーパッド
     キーを押した時にコードを送出するキーパッドを持つ端末では、この情報を指定
     することができます。キーパッドがローカルモードにおいてのみ動作する端末
     は、扱うことができないことに注意してください。(これは、例えば Hewlett
     Packard 2621 でシフト状態でないキーにあてはまります)。キーコードの送出 /
     非送出をキーパッドに設定できる場合は、設定のためのコードは、ks および ke
     で指定します。そうでない場合は、キーパッドは、常にコードを送出するものと
     仮定されます。left-arrow, right-arrow, up-arrow, down-arrow, home のキー
     で送出されるコードは、それぞれ kl, kr, ku, kd, kh, で指定します。f0, f1,
     ..., f9 のようなファンクションキーがある場合には、これらのキーが送るコー
     ドは、k0, k1, ..., k9 で指定します。これらのキーがデフォルトの f0 から f9
     以外のラベルを持つ場合、このラベルは、l0, l1, ..., l9 で指定します。その
     他の特殊キーで送出されるコードは、次のように与えられます: kH (ホームダウ
     ン)、kb (バックスペース)、ka (全タブクリア)、kt (この桁のタブストップをク
     リア)、kC (画面クリアまたは消去)、kD (文字削除)、kL (行削除)、kM (挿入
     モードから抜ける)、kE (行末までクリア)、kS (画面の終りまでクリア)、kI (文
     字挿入または挿入モードに入る)、kA (行挿入)、kN (次のページ)、kP (前のペー
     ジ)、kF (前進/下降スクロール)、kR (後退/上昇スクロール)、kT (この桁にタブ
     ストップを設定)。更に、キーパッドが 4 つの矢印キーを含む 3 x 3 のキー配列
     を持つ場合、他の 5 つのキーは、K1, K2, K3, K4, K5 で指定します。3 x 3 の
     方向パッドが必要な時、これらのキーは、有用です。以前 ``その他'' のファン
     クションキーを記述するために使用された、廃れた ko ケーパビリティは、上記
     のケーパビリティにより完全に置き換えられました。

     ma エントリは、また、端末の矢印キーが 1 文字矢印キーであることを示すため
     にも使用されます。これは、廃れた方法ですが、vi のバージョン 2 で未だ使用
     されています。メモリ制約の理由で、このコマンドを使用しているミニコン
     ピュータがあるでしょう。このフィールドは、kl, kr, ku, kdkh と冗長関係
     にあります。このフィールドは、2 文字の複数グループから構成されます。各グ
     ループにおいては、最初の文字は、矢印キーが何を送るかを表し、2 番目の文字
     は、対応する vi のコマンドを表します。コマンドは、hkl に、jkd
     に、kku に、lkr に、Hkh に対応します。例えば Mime では、
     ``ma=^Hh^Kj^Zk^Xl'' となり、矢印キーの left (^H), down (^K), up (^Z),
     down (^X) を示します。(Mime には、home キーはありません。)

   タブおよび初期化
     これらのケーパビリティを使用するプログラムを実行する時に端末を特別なモー
     ドにすることが必要な場合、このモードに入るコードおよび出るコードは、tite で指定します。これが関係あるのは、例えば Concept のようなメモリページ
     を複数持つ端末です。端末がメモリ相対のカーソル位置設定のみ持ち、画面相対
     のカーソル位置設定を持たない場合には、画面サイズのウィンドウに表示を固定
     し、カーソル位置設定が正しく動作するようにする必要があります。これは、
     Tektronix 4025 でも使用され、ti は、コマンド文字を termcap が使うように設
     定します。

     他のケーパビリティとしては、端末初期化文字列 is や、長い初期化文字列を格
     納するファイル名 if があります。これらの文字列は、端末を termcap 記述と矛
     盾がないモードに設定するものと期待されています。これらは、通常、ユーザが
     ログインするたびに、tset(1) プログラムによって端末に送られます。印字は、
     次の順に行われます: まず is; 次に ctst によるタブ設定; そして最後に
     if です。(terminfo(5) では、is の代りに i1-i2 を使用し、プログラム iP を
     実行し、他の初期化の後 i3 を印字します。) まったくわけがわからない状態か
     ら回復するためのよりハードなリセットシーケンスの組が、類推できる名前 rs
     および rf で与えられます。これらの文字列は、端末がはまった状態に陥いった
     時に使用される reset(1) プログラムにより出力されます。(terminfo(5) は、rs
     の代りに r1-r3 を使用します。) これらのコマンドが画面上を騒がせ、なおかつ
     ログイン時に必ずしも必要ではない場合に限り、通常これらは、rs および rf に
     格納します。例えば、VT100 を 80 桁モードに設定するコマンドは、普通に考え
     ると is の一部に入れるでしょうが、これは、画面に困ったゴミを生じさせます
     し、端末は、普段既に 80 桁モードですので、実際は、入れる必要はありませ
     ん。

     端末がハードウェアタブを持つ場合、次のタブストップまで進むコマンドは、ta
     で指定します (通常は、^I です)。直前のタブストップへ左向きに移動する
     ``バックタブ'' コマンドは、bt で指定します。タブストップが端末には、送ら
     れずに計算機により展開されることを端末ドライバモードが示す場合、tabt
     が存在するとしても、プログラムでこれらを使用しないというのが約束になって
     います。なぜなら、ユーザがタブストップを正しく設定していないかもしれない
     からです。端末電源オン時に各 n 位置ごとにハードウェアタブが初期設定される
     端末の場合、数値パラメータ it を使用し、タブストップ間隔を示します。この
     コマンドは、通常 tset(1) コマンドが使用し、ドライバモードをハードウェアタ
     ブ展開に設定するか否か、およびタブストップを設定するか否かを決定します。
     端末が不揮発性メモリにタブストップを保存可能な場合、termcap 記述は、タブ
     ストップが正しく設定されるものと仮定できます。

     タブストップを設定およびクリアするコマンドが存在する場合、これらのコマン
     ドは、ct (全タブストップをクリア) および st (全ての行における現在の桁にタ
     ブストップを設定) で指定します。タブ設定のために、ここで示した方法より複
     雑なシーケンスが必要な場合、このシーケンスは、isif で指定します。

   遅延
     端末ドライバのパディングを制御するケーパビリティもあります。これらのケー
     パビリティは、第 1 にハードコピー端末にて必要とされ、tset(1) プログラムに
     より端末ドライバのモードを適切に設定するために使用されます。ケーパビリ
     ティ cr, sf, le, ffta に埋め込まれる遅延は、端末ドライバの適切な遅延
     ビットを設定する効果があります。pb (パディングボーレート) を指定した場
     合、この値より低いボーレートにおいては、これらの値は、無視されます。
     4.2BSD の tset(1) では、遅延は、別の数値ケーパビリティ dC, dN, dB, dFdT で与えられます。

   その他
     端末が NUL (0) 文字以外のパディング文字を必要とする場合には、pc で指定し
     ます。pc 文字列の最初の文字のみが使用されます。

     端末がカーソル位置を保存および回復するコマンドを持つ場合には、これらは、
     sc および rc で指定します。

     通常は、ソフトウェアが使用しない追加の ``ステータス行'' を端末が持つ場
     合、この事実を示すことができます。ステータス行が最下行の下に追加の行とし
     て見える場合には、ケーパビリティ hs を指定します。ステータス行の位置への
     移動およびステータス行からの復帰のための特別な文字列は、ts および fs で指
     定します。(ts の前にカーソルが存在した位置に、fs は、カーソルを戻す必要が
     あります。必要ならば、sc および rc の文字列を ts および fs に含めてこの効
     果を得ることができます。) ケーパビリティ ts は、ステータス行の何桁目に
     カーソルが移動すべきを示すパラメータを 1 つ取ります。エスケープシーケンス
     や他の特殊コマンド、例えばタブがステータス行でも動作するならば、フラグ es
     を指定します。ステータス行をオフにする (または内容を消去する) 文字列は、
     ds で指定します。通常、ステータス行の幅は、画面の他の部分、すなわち co と
     同じであると仮定されます。(端末が行全体の使用を許さない等の理由で) ステー
     タス行の幅が異なる場合には、その幅を桁数で数値パラメータ ws で指定しま
     す。

     端末が半行上下に移動可能な場合、hu (半行上) および hd (半行下) で指定しま
     す。これは、ハードコピー端末で上付き文字および下付き文字を使用するために
     有用です。ハードコピー端末がページを排出して次のページに移動 (フォーム
     フィード) することができる場合、これは、ff (通常 ^L です) で指定します。

     指定した文字を指定した回数繰り返すコマンド (同一文字を何度も送出する時間
     を節約します) がある場合、パラメータ化された文字列 rp で指定します。最初
     のパラメータは、繰り返される文字であり、2 番目のパラメータは、繰り返す回
     数です。(これは、terminfo(5) の機能であり、termcap を使用するプログラム
     は、この機能をサポートしていないでしょう。)

     Tektronix 4025 のように端末が設定可能なコマンド文字を持つ場合、CC で指定
     します。全ケーパビリティで使用されるプロトタイプコマンド文字が選択されま
     す。この文字を識別するために、この文字が CC ケーパビリティにより与えられ
     ます。次の約束をサポートしている UNIX システムがあります: すなわち、CC 環
     境変数を検査し、もし設定されている場合には、プロトタイプ文字を環境変数で
     設定されているものと置き換えるという約束です。このように CC 環境変数を使
     用することは、make(1) との衝突が発生しますので、非常に悪い考えです。

     特定の既知の端末を表現するものではない端末記述、switch, dialup, patchnetwork では、gn (一般) ケーパビリティを設定し、端末に対してどのように話
     しかければよいのか分らないとプログラムが文句を言えるようにします。(この
     ケーパビリティは、エスケープシーケンスが既知である仮想端末記述にはあては
     まりません。

     端末が xoff/xon (DC3/DC1) ハンドシェイクを使用してフロー制御する場合、xo
     を指定します。コストに関するより良い判定を可能とするために依然としてパ
     ディング情報を指定する必要がありますが、実際にパディング文字が送出される
     ということはありません。

     シフトキーのように動作し、送出される文字の 8 ビット目をセットする ``メタ
     キー'' を端末が備える場合、km を設定してこの事実を示すことができます。こ
     れが指定されない場合は、ソフトウェアは、8 ビット目は、パリティであると仮
     定し、通常これをクリアしてしまいます。``メタモード'' をオンおよびオフする
     文字列が存在する場合、これらは、mm および mo で指定します。

     画面 1 枚分より多くのメモリ行を端末が備える場合、メモリの行数を lm で指定
     します。明示的に値 0 を指定すると、行数は、固定ではないものの画面分より多
     くのメモリがあることを示します。

     UNIX システムの仮想端末プロトコルにてサポートされる端末である場合、端末番
     号は、vt で与えられます。

     端末に接続された外部プリンタを制御するメディアコピー文字列は、次のように
     与えられます。すなわち ps: 画面内容の印字; pf: プリンタオフ; および po:
     プリンタオンです。プリンタオン時には、端末に送られる全てのテキストは、プ
     リンタに送られます。プリンタオン時に端末画面にもテキストが表示されるか否
     かは未定義です。このバリエーションである pO は、単一のパラメータを取り、
     パラメータ値で指定される文字数だけプリンタをオンにし、その後プリンタをオ
     フにします。このパラメータは、255 を越えてはなりません。pf を含む全テキス
     トは、pO が有効である間、透過的にプリンタに渡されます。

     プログラムファンクションキーへの文字列は、pk, pl, px で指定します。これら
     の文字列は、次の 2 つのパラメータを取ります: それぞれ、プログラム対象の
     ファンクションキー番号 (0 から 9 まで) と、プログラムの文字列です。この範
     囲外のファンクションキー番号を指定すると、ここでは、定義できないキーを端
     末依存の方式でプログラムするかもしれません。これらのケーパビリティの差異
     は、pk は、指定したキーを押すと指定した文字列をユーザがタイプしたものとし
     て扱うものであり; pl は、ローカルモードの端末にて指定した文字列を実行させ
     るものであり; px は、指定した文字列を計算機に送出させるものである点です。
     不幸なことに、termcap では、文字列パラメータが定義されていないため、
     terminfo(5) のみがこれらのケーパビリティをサポートします。

     xterm(1) 端末エミュレータについて、less(1) または more(1) のようなペー
     ジャ (pager) または vi(1) のようたエディタが存在するとき、FreeBSD の伝統
     的な振る舞いは、プログラムが終了したのち、画面をクリアしません。利用者が
     画面をクリアするのを好むなら、利用者が直接または例として使用できる
     termcap ファイルにこのケーパビリティを追加する多くの ``xterm-clear'' エン
     トリがあります。

   グリッチと不良
     文字 `~' を表示できない Hazeltine 端末は、hz を指定する必要があります。

     nc ケーパビリティは、現在廃れていますが、以前は、Datamedia 端末を表すため
     に使用していました。この端末では、キャリッジリターンに対して \r \n をエ
     コーし、続くラインフィードを無視します。

     Concept のように am による折り返しの直後のラインフィードを無視する端末で
     は、xn を指定します。

     強調表示を取り除くために (単に通常のテキストを上書きするだけで済まず) ce
     が必要な場合、xs を指定します。

     タブによって移動された全ての文字が空白にされてしまう Teleray 端末では、xt
     (破壊的なタブ) を指定する必要があります。このグリッチは、``マジッククッ
     キー'' の先頭にカーソル位置を設定できないことと、強調表示を消すためには、
     行削除と行挿入が必要であることも表現します。

     ESC や ^C の文字を正しく送出できない Beehive Superbee は、xb を指定し、
     ``f1'' キーが ESC として使用され、``f2'' キーが ^C として使用されることを
     示します。(特定の Superbee のみがこの問題を持ち、これは、ROM に依存しま
     す。)

     ある特定の端末に他の問題がある場合、xx の形式のケーパビリティを追加するこ
     とにより正しく動作するようにしても構いません。

   似た端末
     2 つの非常によく似た端末がある場合、例外はあるもののもう一方にそっくりで
     あると、一方を定義することができます。文字列ケーパビリティ tc には、似た
     端末の名前を与えます。このケーパビリティは、最後である必要があり、組み合
     わせたエントリの長さは、1024 を越えてはなりません。tc の前に指定したケー
     パビリティは、tc により呼び出される端末タイプの記述に優先します。ケーパビ
     リティのキャンセルのためには、xx@tc の呼び出しの左に置きます。xx は、
     キャンセルされるケーパビリティです。例えば、エントリ

           hn|2621-nl:ks@:ke@:tc=2621:

     は、ビジュアルモードでファンクションキーラベルをオンにしないために kske のケーパビリティを持たない ``2621-nl'' を定義します。端末の種々のモー
     ドやユーザの種々のプリファレンスを記述するために有用です。

関連ファイル
     /usr/share/misc/termcap     端末記述を含んでいるファイル。
     /usr/share/misc/termcap.db  端末記述を含んでいるハッシュデータベースファ
                                 イル (cap_mkdb(1) 参照)。

関連項目
     cap_mkdb(1), ex(1), more(1), tset(1), ul(1), vi(1), xterm(1), ncurses(3),
     printf(3), termcap(3), term(5)

警告とバグ
     注: termcap の機能は、AT&T System V UNIX Release 2.0 の terminfo(5) に置
     き換えられました。``廃れた'' とされるケーパビリティを使用していなければ、
     移行のための苦痛は、比較的少ないです。

     現在、行数および桁数は、termcap エントリに格納するものと同様に、カーネル
     が格納します。現在、ほとんどのプログラムは、カーネルの情報を最初に使用し
     ます; このファイルに記述されている情報は、カーネルが情報を持たない時のみ
     使用されます。

     vi(1) プログラムは、文字列ケーパビリティには、256 文字しか許しませんが、
     termlib(3) のルーチンは、このバッファの溢れをチェックしません。単一エント
     リの総計の長さは、1024 を越えてはなりません (エスケープされた改行は、除き
     ます)。

     全てのプログラムが全てのエントリをサポートしているわけではありません。

歴史
     termcap ファイル形式は、3BSD で登場しました。

FreeBSD 11.2                   December 13, 2009                  FreeBSD 11.2

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