日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。
4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.3-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.2-RELEASE-K は、全翻訳済み)
13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。
Table of Contents
terminfo(5) File Formats terminfo(5) 名称 terminfo - 端末ケーパビリティのデータベース 書式 /usr/share/misc/terminfo/*/* 解説 terminfo は、端末の特性を記述するデータベースであり、nvi(1), rogue(1) などの画面を活用したプログラムや curses(3X) などのライブラリによって使 用されます。terminfo は、端末が持つケーパビリティの集合を与え、画面操作 をどのようにして行うかを指定し、必要なパディングや初期化シーケンスを指 定することで、端末の特性を記述します。これは、ncurses バージョン 5.9 (パッチ 20140222) について説明しています。 terminfo のエントリは、`,' で区切られたフィールドの列からなります (フィールド内のコンマはバックスラッシュでエスケープするか、\054 と書き ます)。`,' セパレータの後の空白は無視されます。各端末を表す最初のエント リは、端末を表すものとして知られている名前を指定します。名前を複数指定 するときは `|' で区切ります。最初の名前は、その端末のものとして最もよく 知られた省略形を与えます。最後の名前には、その端末を識別できるだけの長 い名前を指定するべきです。それら以外の名前は、同じ端末を指す別名と見な されます。最後のもの以外の名前は、すべて英小文字からなり、空白が含まれ ていてはいけません。最後の名前には、読みやすくするために大文字や空白を 含めても構いません。 最初のカラムが `#' で始まる行は、コメントとして扱われます。コメント行が 全然正当でない間に、@CAPTOINFO@ と @INFOTOCAP@ (tic の別名) の出力がコ メントを動かすので、それらはエントリの間だけに起こります。 改行と先導するタブは読み易さのための書式化されたエントリに使用されま す。これらは、解析されるエントリから取り除かれます。infocmp -f オプショ ンは、if-then-else 表現を書式化するためにこれに依存します: tic によって 結果を読み込むことができます。 端末名 (最後の冗長なものは除く) は、次の約束にしたがって付けてくださ い。端末を構成するハードウェアの特別の部分は、"hp2621" のような、ルート 名があるべきです。モードや、ユーザの設定が現れる部分については、基本名 の後に、ハイフンとモードの接尾辞つけて表してください。例えば、vt100 の 132 桁モードは vt100-w のようになります。使えるところがあれば、次の接尾 辞を使ってください。 接尾辞 意味 例 -nn 画面の行数 aaa-60 -np 画面記憶ページ数 c100-4p -am 自動マージン付 (通常これがデフォルト) vt100-am -m 白黒モード; 色を抑制 ansi-m -mc 魔法のクッキー; ハイライトのときの空白 wy30-mc -na 矢印キー無し (局所的にとどめる) c100-na -nam 自動マージン無し vt100-nam -nl ステータス行無し att4415-nl -ns ステータス行無し hp2626-ns -rv 反転表示 c100-rv -s ステータス行有り vt100-s -vb ビープの代わりに可視ベルを使用 wy370-vb -w 幅広モード (> 80 桁、通常 132 桁) vt100-w 端末の命名規則についてさらに知りたいときは term(7) のマニュアルを参照し てください。 事前に定義されたケーパビリティ 次は terminfo の記述ブロックに含まれ、terminfo を使うコードが使用できる ケーパビリティの完全な表です。表の各行の意味は次の通りです。 variable は (terminfo レベルの) プログラマがケーパビリティを使用すると きに用いる名前です。 capname は、データベースのテキストの中で用いる短縮名で、データベースを 更新する人間が用いる名前です。可能な場合は常に、capname は ANSI X3.64-1979 標準規格 (現在 ECMA-48 に取って代わられていますが、そこでも 同一のもしくは非常に良く似た名前を使っています) と同一もしくは類似のも のを選んであります。その意味も、その規格での規定に合致するようにしてあ ります。 termcap code は古典的な termcap ケーパビリティの名前です (いくつかの ケーパビリティは新しいもので、その名前は termcap に由来しません)。 ケーパビリティの名前の長さには、決まった上限はありません。ただし、名前 を短くし、ソースファイルにタブを使って cap をきれいに並べられるように、 非公式ながら上限 5 文字の制限が既に採用されています。 最後に、説明ではケーパビリティの意味を伝えようとします。説明の中には次 のようなコードがある場合があります。 (P) パディングが指定可能であることを表します。 #[1-9] 説明の中では、文字列が (#i) として与えられる引数として tparm を 介して渡されることを示します。 (P*) 影響を受ける行数にパディングが比例することを表します。 (#i) 第 i 番目のパラメータを表します。 次はブール値ケーパビリティです: 変数 cap- TCap 説明 ブール値 name Code auto_left_margin bw bw cub1 は桁 0 から最後 の桁に折りたたむ auto_right_margin am am 自動マージン機能を持 つ back_color_erase bce ut 画面を背景色で消去す る can_change ccc cc 既存の色を再定義可能 ceol_standout_glitch xhp xs 強調出力は上書きで消 去されない (hp) col_addr_glitch xhpa YA hpa/mhpa では正方向 のみ移動可能 cpi_changes_res cpix YF 文字ピッチを変えると 解像度が変わる cr_cancels_micro_mode crxm YB cr を使用するとマイ クロモードがオフにな る dest_tabs_magic_smso xt xt タブは破壊的、強調文 字の動作が奇妙 (t1061) eat_newline_glitch xenl xn 80 桁より後の改行は 無視される (concept) erase_overstrike eo eo 空白の重ね打ちで消去 可能 generic_type gn gn 一般的な回線タイプ hard_copy hc hc ハードコピー端末 hard_cursor chts HC カーソルが見にくい has_meta_key km km メタキーを持つ (押す と第 8 ビットがセッ トされる) has_print_wheel daisy YC 文字セットを変更する のに人手が必要なプリ ンタ has_status_line hs hs 特別なステータス行を 持つ hue_lightness_saturation hls hl 端末は HLS 色表記の み使用 (Tektronix) insert_null_glitch in in 挿入モードでヌル文字 を区別する lpi_changes_res lpix YG 行ピッチを変えると解 像度が変わる memory_above da da 画面より上の描画が保 持される memory_below db db 画面より下の描画が保 持される move_insert_mode mir mi 挿入モードで安全に カーソル移動可能 move_standout_mode msgr ms 強調モードで安全に カーソル移動可能 needs_xon_xoff nxon nx パディング機能が働か ない。xon/xoff 制御 が必要 no_esc_ctlc xsb xb beehive 端末 (f1=escape, f2=ctrl C) no_pad_char npc NP パディング文字が存在 しない non_dest_scroll_region ndscr ND スクロール領域が非破 壊的 non_rev_rmcup nrrmc NR smcup は rmcup の動 作を反転しない over_strike os os 端末は重ね打ち可能 prtr_silent mc5i 5i プリンタ出力は画面に エコーしない row_addr_glitch xvpa YD vpa/mvpa では正方向 にのみ移動可能 semi_auto_right_margin sam YE 最終桁で出力すると cr 動作をする status_line_esc_ok eslok es ステータス行上でエス ケープ可能 tilde_glitch hz hz ~ 表示不可 (hazeltine 端末) transparent_underline ul ul 下線付文字は上書きす る xon_xoff xon xo 端末は xon/xoff ハン ドシェイクを行う 次は数値ケーパビリティです: 変数 cap- TCap 説明 数値 name Code columns cols co 1 行の桁数 init_tabs it it タブの初期設定は # 個の空白毎 label_height lh lh ラベル 1 つの行数 label_width lw lw ラベル 1 つの桁数 lines lines li 画面またはページの行 数 lines_of_memory lm lm lines の値以上の場合 メモリの行数。0 は行 数が可変であることを 表す magic_cookie_glitch xmc sg smso や rmso で画面 に残る空白数 max_attributes ma ma 端末が組み合わせて処 理できる属性数の最大 値 max_colors colors Co 画面上の最大色数 max_pairs pairs pa 画面上の色ペアの最大 値 maximum_windows wnum MW 定義可能なウィンドウ 数の最大値 no_color_video ncv NC 色付きでは使用できな いビデオ属性 num_labels nlab Nl 画面上のラベル数 padding_baud_rate pb pb パディングが必要な最 低ボーレート virtual_terminal vt vt 仮想画面番号 (CB/unix) width_status_line wsl ws ステータス行の桁数 次の数値ケーパビリティは、SVr4.0 の term 構造体に存在していますが、マ ニュアルには未だに説明がありません。SVr4 でプリンタに対応するために採り 入れられました。 変数 cap- TCap 説明 数値 name Code bit_image_entwining bitwin Yo 各ビットイメージ行に 対するパスの数 bit_image_type bitype Yp ビットイメージデバイ スのタイプ buffer_capacity bufsz Ya 印字前にバッファリン グ可能なバイト数 buttons btns BT マウスのボタン数 dot_horz_spacing spinh Yc 1 インチあたりのドッ ト数での水平方向の ドット間隔 dot_vert_spacing spinv Yb 1 インチあたりのピン 数での垂直方向のピン 間隔 max_micro_address maddr Yd micro_..._address で の最大値 max_micro_jump mjump Ye parm_..._micro での 最大値 micro_col_size mcs Yf マイクロモードでの文 字ステップサイズ micro_line_size mls Yg マイクロモードでの行 ステップサイズ number_of_pins npins Yh プリントヘッドのピン 数 output_res_char orc Yi 1 行あたりのユニット 数での水平解像度 output_res_horz_inch orhi Yk 1 インチあたりのユ ニット数での水平解像 度 output_res_line orl Yj 1 行あたりのユニット 数での垂直解像度 output_res_vert_inch orvi Yl 1 インチあたりのユ ニット数での垂直解像 度 print_rate cps Ym 1 秒あたりの文字数で の印字速度 wide_char_size widcs Yn 倍幅モードでの文字ス テップサイズ 次は文字列ケーパビリティです: 変数 cap- TCap 説明 文字列 name Code acs_chars acsc ac 図形文字セットの組、 vt100 に基づく back_tab cbt bt 後退タブ (P) bell bel bl 可聴シグナル (ベル) (P) carriage_return cr cr 復帰文字 (P*) (P*) change_char_pitch cpi ZA 1 インチあたりの文字 数を # 1 に変更 change_line_pitch lpi ZB 1 インチあたりの行数 を #1 に変更 change_res_horz chr ZC 水平解像度を #1 に変 更 change_res_vert cvr ZD 垂直解像度を #1 に変 更 change_scroll_region csr cs 領域を行 #1 から行 #2 までに変更 (P) char_padding rmp rP ip と同様だが挿入 モード以外で使用 clear_all_tabs tbc ct タブ設定をすべてクリ ア (P) clear_margins mgc MC 左右のソフトマージン をクリア clear_screen clear cl 画面をクリアし、カー ソルをホームに移動 (P*) clr_bol el1 cb 行先頭までクリア clr_eol el ce 行末までクリア (P) clr_eos ed cd 画面末までクリア (P*) column_address hpa ch 水平絶対位置 #1 (P) command_character cmdch CC 端末がプロトタイプで 設定可能なコマンド文 字 !? create_window cwin CW ウィンドウ #1 を #2,#3 から #4,#5 ま でと定義 cursor_address cup cm 行 #1 桁 #2 に移動 cursor_down cud1 do 1 行下に移動 cursor_home home ho カーソルをホームに移 動 (cup がない場合) cursor_invisible civis vi カーソルを見えなくす る cursor_left cub1 le カーソルを 1 空白分 左に移動 cursor_mem_address mrcup CM メモリ相対のカーソル 位置指定であり、行 #1 列 #2 へ移動 cursor_normal cnorm ve カーソルを通常表示に する (civis/cvvis を 元に戻す) cursor_right cuf1 nd 非破壊空白 (1 空白分 右に移動) cursor_to_ll ll ll 最終行の最初の桁 (cup がない場合) cursor_up cuu1 up 1 行上へ cursor_visible cvvis vs カーソルをより見える ようにする define_char defc ZE 文字 #1 を幅 #2 ドッ ト、ディセンダ #3 で 定義する delete_character dch1 dc 文字を削除 (P*) delete_line dl1 dl 行を削除 (P*) dial_phone dial DI 番号 #1 にダイヤルす る dis_status_line dsl ds ステータス行を無効に する display_clock dclk DK 時計を表示する down_half_line hd hd 半行下へ ena_acs enacs eA 別の文字セットを有効 にする enter_alt_charset_mode smacs as 別の文字セットを開始 (P) enter_am_mode smam SA 自動マージンオン enter_blink_mode blink mb 点滅モードオン enter_bold_mode bold md 太字 (更に明るい) モードオン enter_ca_mode smcup ti cup を用いたプログラ ムを開始する文字列 enter_delete_mode smdc dm 削除モード開始 enter_dim_mode dim mh 半輝度モード開始 enter_doublewide_mode swidm ZF 倍幅モード開始 enter_draft_quality sdrfq ZG ドラフト印字モード開 始 enter_insert_mode smir im 挿入モード開始 enter_italics_mode sitm ZH 斜体モード開始 enter_leftward_mode slm ZI 左向き移動モード開始 enter_micro_mode smicm ZJ マイクロ移動モード開 始 enter_near_letter_quality snlq ZK NLQ 印字モード開始 enter_normal_quality snrmq ZL 通常品質印字モード開 始 enter_protected_mode prot mp 保護モードオン enter_reverse_mode rev mr 反転表示モードオン enter_secure_mode invis mk ブランクモードオン (文字が見えない) enter_shadow_mode sshm ZM シャドウプリントモー ド開始 enter_standout_mode smso so 強調モード開始 enter_subscript_mode ssubm ZN 下付き文字モード開始 enter_superscript_mode ssupm ZO 上付き文字モード開始 enter_underline_mode smul us 下線モード開始 enter_upward_mode sum ZP 上向き移動モード開始 enter_xon_mode smxon SX xon/xoff ハンドシェ イクオン erase_chars ech ec #1 個の文字を消去 (P) exit_alt_charset_mode rmacs ae 別の文字セット終了 (P) exit_am_mode rmam RA 自動マージンオフ exit_attribute_mode sgr0 me 全属性オフ exit_ca_mode rmcup te cup を用いたプログラ ムを終了する文字列 exit_delete_mode rmdc ed 削除モード終了 exit_doublewide_mode rwidm ZQ 倍幅モード終了 exit_insert_mode rmir ei 挿入モード終了 exit_italics_mode ritm ZR 斜体モード終了 exit_leftward_mode rlm ZS 左向き移動モード終了 exit_micro_mode rmicm ZT マイクロ移動モード終 了 exit_shadow_mode rshm ZU シャドウプリントモー ド終了 exit_standout_mode rmso se 強調モード終了 exit_subscript_mode rsubm ZV 下付き文字モード終了 exit_superscript_mode rsupm ZW 上付き文字モード終了 exit_underline_mode rmul ue 下線モード終了 exit_upward_mode rum ZX 逆向き移動モード終 了 exit_xon_mode rmxon RX xon/xoff ハンドシェ イクオフ fixed_pause pause PA 2-3 秒待つ flash_hook hook fh スイッチフックをフ ラッシュ flash_screen flash vb 可視ベル (カーソルは 移動しない) form_feed ff ff ハードコピー端末での ページ排出 (P*) from_status_line fsl fs ステータス行からの復 帰 goto_window wingo WG ウィンドウ #1 に移動 hangup hup HU 電話を切る init_1string is1 i1 初期化文字列 init_2string is2 is 初期化文字列 init_3string is3 i3 初期化文字列 init_file if if 初期化ファイルの名前 init_prog iprog iP 初期化プログラムのパ ス名 initialize_color initc Ic 色 #1 を (#2,#3,#4) に初期化 initialize_pair initp Ip 色ペア #1 を fg=(#2,#3,#4), bg=(#5,#6,#7) に初期 化 insert_character ich1 ic 文字の挿入 (P) insert_line il1 al 行の挿入 (P*) insert_padding ip ip 文字挿入の後にパディ ングを挿入 key_a1 ka1 K1 キーパッドの左上キー key_a3 ka3 K3 キーパッドの右上キー key_b2 kb2 K2 キーパッドの中央キー key_backspace kbs kb backspace キー key_beg kbeg @1 begin キー key_btab kcbt kB back-tab キー key_c1 kc1 K4 キーパッドの左下キー key_c3 kc3 K5 キーパッドの右下キー key_cancel kcan @2 cancel キー key_catab ktbc ka clear-all-tabs キー key_clear kclr kC clear-screen キー、 または erase キー key_close kclo @3 close キー key_command kcmd @4 command キー key_copy kcpy @5 copy キー key_create kcrt @6 create キー key_ctab kctab kt clear-tab キー key_dc kdch1 kD delete-character キー key_dl kdl1 kL delete-line キー key_down kcud1 kd down-arrow キー key_eic krmir kM 挿入モードで rmir や smir が送出するデー タ key_end kend @7 end キー key_enter kent @8 enter/send キー key_eol kel kE clear-to-end-of-line キー key_eos ked kS clear-to-end-of screen キー key_exit kext @9 exit キー key_f0 kf0 k0 F0 ファンクション キー key_f1 kf1 k1 F1 ファンクション キー key_f10 kf10 k; F10 ファンクション キー key_f11 kf11 F1 F11 ファンクション キー key_f12 kf12 F2 F12 ファンクション キー key_f13 kf13 F3 F13 ファンクション キー key_f14 kf14 F4 F14 ファンクション キー key_f15 kf15 F5 F15 ファンクション キー key_f16 kf16 F6 F16 ファンクション キー key_f17 kf17 F7 F17 ファンクション キー key_f18 kf18 F8 F18 ファンクション キー key_f19 kf19 F9 F19 ファンクション キー key_f2 kf2 k2 F2 ファンクション キー key_f20 kf20 FA F20 ファンクション キー key_f21 kf21 FB F21 ファンクション キー key_f22 kf22 FC F22 ファンクション キー key_f23 kf23 FD F23 ファンクション キー key_f24 kf24 FE F24 ファンクション キー key_f25 kf25 FF F25 ファンクション キー key_f26 kf26 FG F26 ファンクション キー key_f27 kf27 FH F27 ファンクション キー key_f28 kf28 FI F28 ファンクション キー key_f29 kf29 FJ F29 ファンクション キー key_f3 kf3 k3 F3 ファンクション キー key_f30 kf30 FK F30 ファンクション キー key_f31 kf31 FL F31 ファンクション キー key_f32 kf32 FM F32 ファンクション キー key_f33 kf33 FN F33 ファンクション キー key_f34 kf34 FO F34 ファンクション キー key_f35 kf35 FP F35 ファンクション キー key_f36 kf36 FQ F36 ファンクション キー key_f37 kf37 FR F37 ファンクション キー key_f38 kf38 FS F38 ファンクション キー key_f39 kf39 FT F39 ファンクション キー key_f4 kf4 k4 F4 ファンクション キー key_f40 kf40 FU F40 ファンクション キー key_f41 kf41 FV F41 ファンクション キー key_f42 kf42 FW F42 ファンクション キー key_f43 kf43 FX F43 ファンクション キー key_f44 kf44 FY F44 ファンクション キー key_f45 kf45 FZ F45 ファンクション キー key_f46 kf46 Fa F46 ファンクション キー key_f47 kf47 Fb F47 ファンクション キー key_f48 kf48 Fc F48 ファンクション キー key_f49 kf49 Fd F49 ファンクション キー key_f5 kf5 k5 F5 ファンクション キー key_f50 kf50 Fe F50 ファンクション キー key_f51 kf51 Ff F51 ファンクション キー key_f52 kf52 Fg F52 ファンクション キー key_f53 kf53 Fh F53 ファンクション キー key_f54 kf54 Fi F54 ファンクション キー key_f55 kf55 Fj F55 ファンクション キー key_f56 kf56 Fk F56 ファンクション キー key_f57 kf57 Fl F57 ファンクション キー key_f58 kf58 Fm F58 ファンクション キー key_f59 kf59 Fn F59 ファンクション キー key_f6 kf6 k6 F6 ファンクション キー key_f60 kf60 Fo F60 ファンクション キー key_f61 kf61 Fp F61 ファンクション キー key_f62 kf62 Fq F62 ファンクション キー key_f63 kf63 Fr F63 ファンクション キー key_f7 kf7 k7 F7 ファンクション キー key_f8 kf8 k8 F8 ファンクション キー key_f9 kf9 k9 F9 ファンクション キー key_find kfnd @0 find キー key_help khlp %1 help キー key_home khome kh home キー key_ic kich1 kI insert-character キー key_il kil1 kA insert-line キー key_left kcub1 kl left-arrow キー key_ll kll kH lower-left キー (home down) key_mark kmrk %2 mark キー key_message kmsg %3 message キー key_move kmov %4 move キー key_next knxt %5 next キー key_npage knp kN next-page キー key_open kopn %6 open キー key_options kopt %7 options キー key_ppage kpp kP previous-page キー key_previous kprv %8 previous キー key_print kprt %9 print キー key_redo krdo %0 redo キー key_reference kref &1 reference キー key_refresh krfr &2 refresh キー key_replace krpl &3 replace キー key_restart krst &4 restart キー key_resume kres &5 resume キー key_right kcuf1 kr right-arrow キー key_save ksav &6 save キー key_sbeg kBEG &9 シフト状態の begin キー key_scancel kCAN &0 シフト状態の cancel キー key_scommand kCMD *1 シフト状態の command キー key_scopy kCPY *2 シフト状態の copy キー key_screate kCRT *3 シフト状態の create キー key_sdc kDC *4 シフト状態の delete character キー key_sdl kDL *5 シフト状態の delete line キー key_select kslt *6 select キー key_send kEND *7 シフト状態の end キー key_seol kEOL *8 シフト状態の clear to-end-of-line キー key_sexit kEXT *9 シフト状態の exit キー key_sf kind kF scroll-forward キー key_sfind kFND *0 シフト状態の find キー key_shelp kHLP #1 シフト状態の help キー key_shome kHOM #2 シフト状態の home キー key_sic kIC #3 シフト状態の insert character キー key_sleft kLFT #4 シフト状態の left arrow キー key_smessage kMSG %a シフト状態の message キー key_smove kMOV %b シフト状態の move キー key_snext kNXT %c シフト状態の next キー key_soptions kOPT %d シフト状態の options キー key_sprevious kPRV %e シフト状態の previous キー key_sprint kPRT %f シフト状態の print キー key_sr kri kR scroll-backward キー key_sredo kRDO %g シフト状態の redo キー key_sreplace kRPL %h シフト状態の replace キー key_sright kRIT %i シフト状態の right arrow キー key_srsume kRES %j シフト状態の resume キー key_ssave kSAV !1 シフト状態の save キー key_ssuspend kSPD !2 シフト状態の suspend キー key_stab khts kT set-tab キー key_sundo kUND !3 シフト状態の undo キー key_suspend kspd &7 suspend キー key_undo kund &8 undo キー key_up kcuu1 ku up-arrow キー keypad_local rmkx ke 'keyboard_transmit' モードから抜ける keypad_xmit smkx ks 'keyboard_transmit' モードに入る lab_f0 lf0 l0 f0 でない場合、ファ ンクションキー f0 の ラベル lab_f1 lf1 l1 f1 でない場合、ファ ンクションキー f1 の ラベル lab_f10 lf10 la f10 でない場合、ファ ンクションキー f10 のラベル lab_f2 lf2 l2 f2 でない場合、ファ ンクションキー f2 の ラベル lab_f3 lf3 l3 f3 でない場合、ファ ンクションキー f3 の ラベル lab_f4 lf4 l4 f4 でない場合、ファ ンクションキー f4 の ラベル lab_f5 lf5 l5 f5 でない場合、ファ ンクションキー f5 の ラベル lab_f6 lf6 l6 f6 でない場合、ファ ンクションキー f6 の ラベル lab_f7 lf7 l7 f7 でない場合、ファ ンクションキー f7 の ラベル lab_f8 lf8 l8 f8 でない場合、ファ ンクションキー f8 の ラベル lab_f9 lf9 l9 f9 でない場合、ファ ンクションキー f9 の ラベル label_format fln Lf ラベルフォーマット label_off rmln LF ソフトラベルオフ label_on smln LO ソフトラベルオン meta_off rmm mo メタモードオフ meta_on smm mm メタモードオン (8 番 目のビットオン) micro_column_address mhpa ZY マイクロモードの column_address micro_down mcud1 ZZ マイクロモードの cursor_down micro_left mcub1 Za マイクロモードの cursor_left micro_right mcuf1 Zb マイクロモードの cursor_right micro_row_address mvpa Zc マイクロモードの row_address #1 micro_up mcuu1 Zd マイクロモードの cursor_up newline nel nw 改行 (cr の後に lf が来る) order_of_pins porder Ze ソフトウェアビットを 印字ヘッドピンに一致 させる orig_colors oc oc すべての色ペアを本来 のものにする orig_pair op op デフォルトのペアを本 来の値にする pad_char pad pc パディング文字 (ヌル 以外) parm_dch dch DC #1 文字を削除 (P*) parm_delete_line dl DL #1 行を削除 (P*) parm_down_cursor cud DO #1 行下へ (P*) parm_down_micro mcud Zf マイクロモードの parm_down_cursor parm_ich ich IC #1 文字を挿入 (P*) parm_index indn SF #1 行の前進スクロー ル (P) parm_insert_line il AL #1 行を挿入 (P*) parm_left_cursor cub LE 左へ #1 文字分移動 (P) parm_left_micro mcub Zg マイクロモードの parm_left_cursor parm_right_cursor cuf RI 右へ #1 文字分移動 (P*) parm_right_micro mcuf Zh マイクロモードの parm_right_cursor parm_rindex rin SR #1 行の後退スクロー ル (P) parm_up_cursor cuu UP #1 行上へ (P*) parm_up_micro mcuu Zi マイクロモードの parm_up_cursor pkey_key pfkey pk ファンクションキー #1 の打鍵文字列を #2 にする pkey_local pfloc pl ファンクションキー #1 の実行文字列を #2 にする pkey_xmit pfx px ファンクションキー #1 の送信文字列を #2 にする plab_norm pln pn ラベル #1 に文字列 #2 を表示 print_screen mc0 ps 画面の内容を印字する prtr_non mc5p pO #1 バイトだけプリン タをオンにする prtr_off mc4 pf プリンタをオフにする prtr_on mc5 po プリンタをオンにする pulse pulse PU パルスダイヤルを選択 quick_dial qdial QD 確認なしで電話番号 #1 にダイヤルする remove_clock rmclk RC 時計を削除 repeat_char rep rp 文字 #1 を #2 回繰り 返す (P*) req_for_input rfi RF (pty 用に) 次の入力 文字を送る reset_1string rs1 r1 リセット文字列 reset_2string rs2 r2 リセット文字列 reset_3string rs3 r3 リセット文字列 reset_file rf rf リセットファイルの名 前 restore_cursor rc rc 最後の save_cursor の位置にカーソルを戻 す row_address vpa cv 垂直絶対位置 #1 (P) save_cursor sc sc 現在のカーソル位置を 保存 (P) scroll_forward ind sf テキストを上にスク ロール (P) scroll_reverse ri sr テキストを下にスク ロール (P) select_char_set scs Zj 文字セット #1 の選択 set_attributes sgr sa ビデオ属性を #1-#9 に定義 (PG9) set_background setb Sb 背景色を #1 に設定 set_bottom_margin smgb Zk 下マージンを現在行に 設定 set_bottom_margin_parm smgbp Zl 下マージンを #1 行目 か (smgtp が与えられ ていなければ) 下から #2 行目にする set_clock sclk SC 時計を #1 時 #2 分 #3 秒に設定 set_color_pair scp sp 現在の色ペアを #1 に 設定 set_foreground setf Sf 前景色を #1 に設定 set_left_margin smgl ML 左ソフトマージンを現 在桁に設定 smgl を 参照 (ML は BSD の termcap とは違いま す) set_left_margin_parm smglp Zm 左 (右) マージンを桁 #1 に設定 set_right_margin smgr MR 右ソフトマージンを現 在桁に設定 set_right_margin_parm smgrp Zn 右マージンを桁 #1 に 設定 set_tab hts st 全行のタブを現在の桁 に設定 set_top_margin smgt Zo 上マージンを現在行に 設定 set_top_margin_parm smgtp Zp 上 (下) マージンを行 #1 に設定 set_window wind wi 現在のウィンドウを行 #1-#2、桁 #3-#4 とす る start_bit_image sbim Zq ビットイメージグラ フィック印字の開始 start_char_set_def scsd Zr #2 個の文字からなる 文字セット #1 の定義 の開始 stop_bit_image rbim Zs ビットイメージグラ フィック印字の終了 stop_char_set_def rcsd Zt 文字セット #1 の定義 の終了 subscript_characters subcs Zu 下付き文字となりうる 文字のリスト superscript_characters supcs Zv 上付き文字となりうる 文字のリスト tab ht ta 次の 8 文字分のハー ドウェアタブストップ へのタブ文字 these_cause_cr docr Zw これらの文字のうちの いずれかの印字は CR を引き起こす to_status_line tsl ts ステータス行の列 #1 に移動 tone tone TO タッチトーンダイヤル を選択 underline_char uc uc 文字 1 つに下線を付 け、次の文字に移動 up_half_line hu hu 半行上へ user0 u0 u0 ユーザ文字列 #0 user1 u1 u1 ユーザ文字列 #1 user2 u2 u2 ユーザ文字列 #2 user3 u3 u3 ユーザ文字列 #3 user4 u4 u4 ユーザ文字列 #4 user5 u5 u5 ユーザ文字列 #5 user6 u6 u6 ユーザ文字列 #6 user7 u7 u7 ユーザ文字列 #7 user8 u8 u8 ユーザ文字列 #8 user9 u9 u9 ユーザ文字列 #9 wait_tone wait WA ダイヤルトーンを待つ xoff_character xoffc XF XOFF 文字 xon_character xonc XN XON 文字 zero_motion zerom Zx 次の文字表示を移動無 しで行う 次の文字列ケーパビリティは、SVr4.0 の term 構造体に存在していますが、マ ニュアルで未だに説明がなされていません。 変数 cap- TCap 説明 文字列 name Code alt_scancode_esc scesa S8 スキャンコードエ ミュレーションのた めの別のエスケープ 文字 bit_image_carriage_return bicr Yv 同一行の先頭へ移動 bit_image_newline binel Zz ビットイメージの次 の行に移動 bit_image_repeat birep Xy ビットイメージセル #1 を #2 回繰り返 す char_set_names csnm Zy 文字セットの名のリ ストから #1 番目の item を生成する code_set_init csin ci 複数コードセットの 初期化シーケンス color_names colornm Yw 色 #1 に名前を与え る define_bit_image_region defbi Yx 矩形のビットイメー ジ領域を定義 device_type devt dv 言語/コードセット サポートの指定 display_pc_char dispc S1 PC 文字 #1 を表示 end_bit_image_region endbi Yy ビットイメージ領域 の終了 enter_pc_charset_mode smpch S2 PC 文字表示モード 開始 enter_scancode_mode smsc S4 PC スキャンコード モード開始 exit_pc_charset_mode rmpch S3 PC 文字表示モード 終了 exit_scancode_mode rmsc S5 PC スキャンコード モード終了 get_mouse getm Gm curses がボタンイ ベントを取得すべ き。パラメータ #1 は文書化されていな い key_mouse kmous Km マウスイベントが起 きた mouse_info minfo Mi マウス状態の情報 pc_term_options pctrm S6 PC 端末オプション pkey_plab pfxl xl ファンクションキー #1 に文字列 #2 を 送信させ文字列 #3 を表示させる req_mouse_pos reqmp RQ マウス位置の要求 scancode_escape scesc S7 スキャンコードエ ミュレーションのた めのエスケープ set0_des_seq s0ds s0 コードセット 0 に シフト (EUC セット 0、ASCII) set1_des_seq s1ds s1 コードセット 1 に シフト set2_des_seq s2ds s2 コードセット 2 に シフト set3_des_seq s3ds s3 コードセット 3 に シフト set_a_background setab AB ANSI エスケープ シーケンスを使って 背景色を #1 に設定 set_a_foreground setaf AF ANSI エスケープ シーケンスを使って 前景色を #1 に設定 set_color_band setcolor Yz リボンの色を #1 に 変更 set_lr_margin smglr ML 左右両マージンを #1、#2 に設定、(ML は BSD の termcap のものと違います) set_page_length slines YZ ページ長を #1 行に 設定 set_tb_margin smgtb MT 上下両マージンを #1、#2 に設定 XSI Curses 規格は、これらのハードコピーケーパビリティを追加しました。 それらは、システム V curses の 4.1 以降のバージョンで使用されました、 例えば、Solaris 2.5 と IRIX 6.x。YI を除いて、それらのための ncurses termcap 名が、考案されています。XSI Curses 規格にしたがって、それらに は、termcap 名がありません。コンパイルされた terminfo エントリがこれら を使っていれば、SVr4.1 以降の System V terminfo エントリとはバイナリ互 換ではないかも知れません。用心してください! 変数 cap- TCap 説明 文字列 name Code enter_horizontal_hl_mode ehhlm Xh 水平ハイライトモード に入る enter_left_hl_mode elhlm Xl 左ハイライトモードに 入る enter_low_hl_mode elohlm Xo 下ハイライトモードに 入る enter_right_hl_mode erhlm Xr 右ハイライトモードに 入る enter_top_hl_mode ethlm Xt 上ハイライトモードに 入る enter_vertical_hl_mode evhlm Xv 垂直ハイライトモード に入る set_a_attributes sgr1 sA ビデオ属性の 2 番目 の組を #1-#6 と定義 set_pglen_inch slength YI ページ長を 100分の #1 インチに設定しま す (いくつかの実装 は、termcap のために sL を使用します) ユーザ定義ケーパビリティ 前のセクションは、事前に定義された ケーパビリティをリストしました。それ らは、もはや (または恐らく、決してない) 生成されなかった端末のためのい くつかの特別の機能を処理します。時々、厄介か、または事前に定義された ケーパビリティの再使用によって表わすことができない、より新しい端末の特 別の機能ががあります。 ncurses は、ユーザ定義のケーパビリティを許可することによって、この制限 に対処します。tic と infocmp プログラムは、この目的のために -x オプショ ンを提供しています。-x が設定されるとき、tic は、ユーザ定義ののような未 知のケーパビリティを扱います。すなわち、tic が、それが認識しないケーパ ビリティ名に遭遇するなら、それは、構文からそのタイプ (ブール値、数値ま たは文字列) を推測し、そのケーパビリティのための拡張テーブルエントリを 作成します。use_extended_names 関数は、この情報をアプリケーションに条件 付きで利用可能とします。ncurses ライブラリは、アプリケーションに、ほと んどの振る舞いを残すデータを提供しています: • 名前が "k" で始まるユーザ定義のケーパビリティの文字列は、ファンク ションキーとして扱われます。 • tic によって決定されたタイプ (ブール値、数値、文字列) は、tigetflag などで成功した呼び出しによって推測することができます。 • ケーパビリティ名がたまたま 2 文字であったなら、さらに、ケーパビリ ティは、termcap インタフェースを通して利用可能です。 termcap は、それがケーパビリティの事前定義されたセットを使用しないの で、拡張可能であると言われていますが、実際には、それは、terminfo の実装 によって定義されたケーパビリティに制限されています。原則として、termcap 実装とそれらのアプリケーションによって仮定された 1023 バイトの制限を越 えて実行を回避するために、termcap アプリケーションによって使用されるた めのユーザ定義のケーパビリティは、ブール値と数値に制限されるべきです。 特に、(60 個の番号が付けられたキーとわずかの特別に指定されたキーを越え た) ファンクションキーの拡張されたセットを提供することは、terminfo を使 用して利用可能なより長い名前を使用して、うまく行われます。 エントリの例 次のエントリは、ANSI 規格端末を記述したものですが、現代的な端末の terminfo エントリが典型的にはどのようであるかを表しています。 ansi|ansi/pc-term compatible with color, am, mc5i, mir, msgr, colors#8, cols#80, it#8, lines#24, ncv#3, pairs#64, acsc=+\020\,\021-\030.^Y0\333`\004a\261f\370g\361h\260 j\331k\277l\332m\300n\305o~p\304q\304r\304s_t\303 u\264v\301w\302x\263y\363z\362{\343|\330}\234~\376, bel=^G, blink=\E[5m, bold=\E[1m, cbt=\E[Z, clear=\E[H\E[J, cr=^M, cub=\E[%p1%dD, cub1=\E[D, cud=\E[%p1%dB, cud1=\E[B, cuf=\E[%p1%dC, cuf1=\E[C, cup=\E[%i%p1%d;%p2%dH, cuu=\E[%p1%dA, cuu1=\E[A, dch=\E[%p1%dP, dch1=\E[P, dl=\E[%p1%dM, dl1=\E[M, ech=\E[%p1%dX, ed=\E[J, el=\E[K, el1=\E[1K, home=\E[H, hpa=\E[%i%p1%dG, ht=\E[I, hts=\EH, ich=\E[%p1%d@, il=\E[%p1%dL, il1=\E[L, ind=^J, indn=\E[%p1%dS, invis=\E[8m, kbs=^H, kcbt=\E[Z, kcub1=\E[D, kcud1=\E[B, kcuf1=\E[C, kcuu1=\E[A, khome=\E[H, kich1=\E[L, mc4=\E[4i, mc5=\E[5i, nel=\r\E[S, op=\E[39;49m, rep=%p1%c\E[%p2%{1}%-%db, rev=\E[7m, rin=\E[%p1%dT, rmacs=\E[10m, rmpch=\E[10m, rmso=\E[m, rmul=\E[m, s0ds=\E(B, s1ds=\E)B, s2ds=\E*B, s3ds=\E+B, setab=\E[4%p1%dm, setaf=\E[3%p1%dm, sgr=\E[0;10%?%p1%t;7%; %?%p2%t;4%; %?%p3%t;7%; %?%p4%t;5%; %?%p6%t;1%; %?%p7%t;8%; %?%p9%t;11%;m, sgr0=\E[0;10m, smacs=\E[11m, smpch=\E[11m, smso=\E[7m, smul=\E[4m, tbc=\E[3g, u6=\E[%i%d;%dR, u7=\E[6n, u8=\E[?%[;0123456789]c, u9=\E[c, vpa=\E[%i%p1%dd, 2 行目以後の行先頭に空白類文字を置くことで、エントリを複数行に分けて継 続して書くことができます。行先頭に "#" を置くことでコメントを含めること ができます。terminfo のケーパビリティには、3 つの型があります: • ブール値ケーパビリティは、その端末がある特性を有しているかどうかを 表します。 • 数値ケーパビリティは、その端末の大きさや、遅延の大きさを指定しま す。 • 文字列ケーパビリティは、端末のある機能を実行させる際に用いるシーケ ンスを指定します。 ケーパビリティの型 すべてのケーパビリティには名前があります。例えば、ANSI 標準端末が自動 マージン (つまり、行の端に到達すれば自動的に復帰改行がなされること) を 有することはケーパビリティ am で表されます。よって ansi の記述は am を 含みます。数値ケーパビリティの後には文字 "#" が続き、そして正の値が続き ます。cols は、その端末の桁数を表しており、ansi では、この値は、"80" で あることを示します。数値ケーパビリティの値は、プログラミング言語 C の規 約を使って 10 進数、8 進数、16 進数で与えることができます (例えば、 255、0377、0xff、0xFF)。 最後に、(行の終りまでクリアするシーケンス) el のような値がある文字列の ケーパビリティは、2 文字のコード、"=" と次に続く "," で終る文字列によっ て、与えられます。 文字列ケーパビリティの中で、文字のエンコードを簡単にするために、いくつ かのエスケープシーケンスが利用できます。\E と \e はともに、ESCAPE 文字 にマップされます。^x は任意の適切な x に関して control-x にマップされま す。\n \l \r \t \b \f \s はそれぞれ、改行、ラインフィード、復帰、タブ、 バックスペース、フォームフィード、空白にマップされます。他のエスケープ は、次を含んでいます。 • ^ のための \^、 • \ のための \\、 • コンマのための \、 • : のための \:、 • と null のための \0。 \0 は、文字列を終了しないが、CS7 が指定される場合は、ほとんどの端末 でヌル文字として作用する、\200 を生成します。stty(1) を参照してくだ さい。 この奇行の理由は、他の実装でコンパイルされた terminfo ファイルのバ イナリ互換性を保守することです、例えば、これを文書化する、SVr4 シス テム。コンパイルされた terminfo ファイルは、長さなしで、ヌル文字で 終了した文字列を使用します。これを修正することは、他の実装で動作し ない、新しいバイナリ形式を要求します。 最後に、\ の後に 8 進 3 桁の数を指定して文字を表すこともできます。 ミリ秒単位の遅延は、el=\EK$<5> のように、文字列ケーパビリティのどの場所 でも $<..> のブラケットで囲んで置くことができます。この遅延を与えるため のパディングは、関数 tputs が行います。遅延は、1/10 の精度の数である必 要があります。接尾辞 "*" または "/" またはその両方がついているかもしれ ません。"*" は、パディングをその処理で影響を受ける行の行数に比例させる 必要があること、そしてその総計は影響を受ける 1 単位あたりの必要パディン グにより決まることを表します。(文字挿入の場合、乗数は影響を受ける行の数 です) 通常、デバイスに xon ケーパビリティがあれば、パディングは勧告的な ものです。コスト計算には使われますが遅延を引き起こしません。"/" 接尾辞 は、パディングが必須のものであることを示し、フロー制御を示す xon がある デバイスに対しても指定されたミリ秒単位の遅延を強制します。 あるケーパビリティをコメントアウトせねばならない場合があります。そうい う場合は、ケーパビリティ名の前にピリオドを置いてください。上の例の 2 番 目の ind がその例です。 コンパイルされた記述を取って来る ncurses ライブラリは、いくつかの場所の端末の記述を検索します。それは、 見つかった最初の記述だけを使用します。ライブラリは、環境変数によって無 視することができる検索する場所のコンパイルされたリストがあります。検索 を開始する前に、ncurses は、その検索リストの複写を除去します。 • 環境変数 TERMINFO が設定されているなら、それは作業中の記述をコンパ イルしたものを含むディレクトリのパス名と解釈されます。そのディレク トリだけを探します。 • 環境変数 TERMINFO が設定されるなら、それは、利用者が取り組んでいる コンパイルされた記述を含んでいるディレクトリのパス名として解釈され ます。そのディレクトリだけが、検索されます。 • TERMINFO が設定されないなら、ncurses は、コンパイルされた記述のため に、代りに、ディレクトリ $HOME/.terminfo を調べます。 • 次に、環境変数 TERMINFO_DIRS が設定されているなら、ncurses は、検索 されるコロンで区切られたディレクトリ (またはデータベースファイル) のリストとしてその変数の内容を解釈します。 空のディレクトリ名 (すなわち、変数がコロンから始まるかまたは終了す るか、または隣接するコロンを含んでいるなら) は、システム位置 /usr/share/misc/terminfo として解釈されます。 • 最後に、ncurses は、これらのコンパイルされた位置を検索します: • ディレクトリ (TERMINFOXDIRS) のリスト、と terminfo_dirs • システム terminfo ディレクトリ /usr/share/misc/terminfo (コンパ イルされたデフォルト)。 端末記述の準備 ここでは、どのようにして端末の記述を準備するかの概略を説明します。もっ とも効率的なやり方は、terminfo の中にある類似の端末の記述をまねて作成す ることです。vi などのスクリーンエディタに書き掛けの記述を使わせてみて、 その記述が正しいかどうかをチェックしながら、記述を徐々に作り上げてゆく ことです。通常のものとあまりにもかけ離れた端末の場合、terminfo ファイル の記述能力の欠陥、もしくはテストプログラムの画面操作のコードのバグが明 らかになるかも知れないので、それには注意してください。 (端末メーカが文書に書いてくれていない場合に) 行の右挿入の際のパディング を得るには、大きなファイルを 9600 ボーで編集し、画面の中ほどで 16 行程 度を削除してから、"u" キーを数度すばやく連打するという厳しいテストを行 うとよいでしょう。端末がぐちゃぐちゃになるのなら、普通は、もう少しパ ディングが必要だということです。文字挿入についても似たようなテストを行 うことができます。 基本的なケーパビリティ 端末の各行の桁数は数値型ケーパビリティ cols で指定します。端末が CRT の 場合、画面の行数はケーパビリティ lines で指定します。カーソルが右マージ ンに達したときに次の行の左端に回り込む場合、ケーパビリティ am を指定す る必要があります。端末が、画面消去後カーソルをホームポジションにもって ゆくことができる場合、その機能は文字列ケーパビリティ clear で指定しま す。端末が (ある文字を上に出力した時にその場所を消去するのではなく) 重 ね打ちする場合、ケーパビリティ os を指定する必要があります。印字端末 で、ソフトコピー装置を持たない場合、hc と os とを指定します。(os は、 ハードコピー端末や、APL 端末だけでなく、TEKTRONIX 4010 シリーズのような ストレージスコープ管端末にも適用されます。) 現在の行の左端にカーソルを 移動させるコードが存在する場合、それを cr で指定します。(通常、これは復 帰文字、つまり control M になります。) 可聴シグナル (ベル、ビープ音な ど) を生成するコードがある場合、それを bel で指定します。 カーソルを (バックスペースのように) 1 ポジションだけ左へ移動させるコー ドがある場合、それは cub1 で指定します。同様に、右への移動、上への移 動、下への移動はそれぞれ、cuf1, cuu1 と cud1 で指定します。これらの局所 的カーソル移動機能は、通過する場所のテキストを変更するものであってはな りません。たとえば、空白文字はその下のテキストを消去してしまうため、普 通は "cuf1= " とは指定しません。 ここで極めて重要なこととして、terminfo にエンコードされた局所的カーソル 移動は、CRT 端末の左端および上端では定義されないということです。プログ ラムは、bw の指定がない限り、左端でバックスペースを出力しようとしてはい けません。また、画面上端で、上に移動しようとしてはいけません。テキスト を上にスクロールするためには、プログラムは画面左下隅にカーソルを移動さ せて、ind (index) 文字列を送出してください。 テキストを下にスクロールするには、プログラムは画面左上隅にカーソルを移 動させて、ri (reverse index) 文字列を送出してください。文字列 ind と ri の挙動は、それぞれ先に述べた画面隅にカーソルがない場合には定義されてい ません。 スクロールシーケンスのパラメータ付きバージョンは、indn と rin で、これ らは、スクロールする行数を指定するパラメータを 1 つ取ることを除いては ind や ri と、同じ挙動を示します。これらも、カーソルが適切な画面端に存 在しない場合の挙動は定義されません。 ケーパビリティ am は、右端でテキストが出力されてもカーソルが右端に留ま り続けるかどうかを示します。ただし、この挙動は最終桁での cuf1 の挙動に は必ずしも適用されません。左端からの局所的移動で定義されたものは、bw が 指定されている場合に、左端からの cub1 が 1 つ前の行の右端に移動するとい うことだけです。bw が指定されていない場合、この効果は定義されません。こ れは、例えば、画面の端に沿って箱を描くときに便利なものです。端末が自動 マージン機能を切り替え可能な場合、terminfo ファイルでは、通常はその機能 はオン状態、つまり am であると想定します。端末が次の行の先頭桁に移動す るコマンドを持つ場合、そのコマンドを nel (newline) で指定することができ ます。このコマンドが、現在行の残りの部分を消去するかどうかは関係ありま せん。ですから、端末が、cr や lf を持たない場合でも、動作する nel を作 ることは可能でしょう。 これまで紹介したケーパビリティで、ハードコピー端末や、"ガラスの tty" 端 末を記述するには十分です。ここで、model 33 teletype は、 33|tty33|tty|model 33 teletype, bel=^G, cols#72, cr=^M, cud1=^J, hc, ind=^J, os, と記述されます。一方、Lear Siegler 社の ADM-3 は、次のように記述されま す。 adm3|3|lsi adm3, am, bel=^G, clear=^Z, cols#80, cr=^M, cub1=^H, cud1=^J, ind=^J, lines#24, パラメータ化された文字列 カーソル位置設定など、パラメータを必要とする文字列は、printf のようなエ スケープ %x を含むパラメータ化文字列ケーパビリティを用いて記述します。 例えば、カーソル位置を指定する cup ケーパビリティは、移動先の行と桁を指 定する 2 つのパラメータを与える必要があります。(行と桁は 0 から数え、 ユーザに見える物理画面を参照します。目に見えないメモリ部分は参照しませ ん。) 端末がメモリ相対のカーソル位置指定機能を持つ場合、これは mrcup で 表します。 パラメータ渡し機構では、スタックと、それを操作する特別の % コードを用い ます。通常は、シーケンスはパラメータを 1 つスタックにプッシュし、それを ある形式で出力します。print (例えば、"%d") は、特別な場合です。"%t" を 含む他の操作は、スタックからそれらのオペランドをポップアップします。よ り複雑な操作が、例えば、sgr 文字列で、しばしば必要であることに注意して ください、 % コードには、次の意味があります。 %% "%" を出力します %[[:]flags][width[.precision]][doxXs] printf でのように、フラグは、[-+#] と空白です。":" を使用すること によって、次の文字は、オペレータとして "%-" を解釈することを避け て、"-" フラグとすることができます。 %c printf の %c のように、pop() を印刷 (表示) します %s printf の %s のように、pop() を印刷 (表示) します %p[1-9] i 番目のパラメータをプッシュします %P[a-z] 動的変数 [a-z] を pop() に設定します %g[a-z]/ 動的変数 [a-z] を取得してそれをプッシュします %P[A-Z] 静的変数 [a-z] を pop() に設定します %g[A-Z] 静的変数 [a-z] を取得してそれをプッシュします 用語 "static" と "dynamic" は、誤解を招く恐れのあります。歴史的 に、これらは単に異なった 2 つの変数の組で、その値は、tparm への呼 び出しの間にリセットされません。しかしながら、その事実は、他の実装 で文書化されていません。それに頼ると、逆に他の実装への移植性に影響 を与えます。 %'c' 文字定数 c %{nn} 整数定数 nn %l strlen(pop) をプッシュします %+, %-, %*, %/, %m 算術演算 (%m は剰余): push(pop() op pop()) %&, %|, %^ ビット演算 (AND, OR と排他的-OR): push(pop() op pop()) %=, %>, %< 論理演算: push(pop() op pop()) %A, %O 論理 AND 操作と論理 OR 操作 (条件節用) %!, %~ 単項演算 (論理とビットの補数): push(op pop()) %i 最初の 2 つのパラメータに 1 を足す (ANSI 端末用) %? expr %t thenpart %e elsepart %; この形式は、if-then-else です。%e elsepart は、省略可能です。通 常、%? expr 部分は、スタックに値をプッシュし、%t は、スタックから それをポップし、それが 0 でないか (真) テストします。それが 0 (偽) であるなら、制御は、%e (else) 部分に移ります。 形式 else-if を Algol 68 風にできます: %? c1 %t b1 %e c2 %t b2 %e c3 %t b3 %e c4 %t b4 %e %; ここで ci は、条件節、bi は、本体です。 if-the-else の構造を見るために tic または infocmp の -f オプション を使用します。いくつかの文字列、例えば、sgr、は 1 行に書かれると き、非常に複雑となるかもしれません。-f オプションは、文字列をイン デントされた部分に分割します。 二項演算は、通常の順序で並べたオペランドに対して後置形式で指定します。 例えば、x-5 を得るには、"%gx%{5}%-" を指定します。エスケープされた文字 列を評価する間 %P and %g 変数は、存続します。 HP2645 の例を考えてみましょう。これで 3 行 12 桁に移動させるには、 \E&a12c03Y に 6 ミリ秒のパディングを送出する必要があります。ここで行と 桁とが逆になっていることと、行、桁とも 2 桁で出力されていることに注意し てください。この端末の cup ケーパビリティは、"cup=6\E&%p2%2dc%p1%2dY" となります。 Microterm ACT-IV は、^T の後に現在の行と桁を、どちらも単にバイナリ値で 送る必要がありますが、"cup=^T%p1%c%p2%c" となります。"%c" を使う端末 は、カーソルを前方に戻すこと (cub1) と画面上で 1 行上にカーソルを移動さ せること (cuu1) ができる必要があります。これは、システムが変更したり握 りつぶしたりする可能性があるため、\n, ^D, \r を確実に送信できるとは限ら ないからです。(terminfo を扱うライブラリルーチンは、タブが決して展開さ れないように端末モードを設定します。ですから \t は確実に送信できます。 これは Ann Arbor 4080 では重要なことが分っています。) 最後の例は LSI ADM-3a です。これは行と桁を空白文字からのオフセットで表 します。ですから、"cup=\E=%p1%' '%+%c%p2%' '%+%c" となります。"\E=" を 送出した後、最初のパラメータをプッシュし、空白文字の ASCII 値 (32) を プッシュし、それらを加えて (以前の 2 つの値の代わりにその和をスタックに プッシュし) 得た値を文字として出力します。その後、2 番目のパラメータに ついても同様の処理を行います。スタックを使うことで、さらに複雑な計算も 可能です。 カーソル移動 カーソルを高速にホームポジション (画面の左上隅) に移動させる方法を持つ 端末の場合、これを home で指定することができます。同様に、高速に左下隅 に移動させる方法を持つ場合も ll で指定することができます。端末によって は、ホームポジションから cuu1 を使って上に移動することでこの動作が可能 な場合もありますが、プログラムは (llでそう指定しない限り) 自分からそう してはならないことになっています。これは、ホームポジションから上に移動 した場合の動作について、プログラムは一切想定できないからです。ホームポ ジションは位置指定 (0,0)、つまり、メモリではなく、画面の左上隅と等しい ことに注意してください。(ですから、HP 端末の \EH のシーケンスは home と して使用できません。) 端末が行や桁の絶対カーソル位置指定機能を持つ場合、単一パラメータを取る ケーパビリティ hpa (水平絶対位置) と vpa (垂直絶対位置) で指定します。 (hp2645 のような) 一般的な 2 パラメータのシーケンスよりもこれらの方が短 くなる場合がときどきあり、その場合、cup よりもそれらを使う可能性があり ます。パラメータ化された局所移動機能 (例えば、n 桁右へ移動する) が存在 する場合、これらは、いくつ移動するかを指定するパラメータを 1 つ持つ cud, cub, cuf, cuu を使って指定することができます。これらは主に、 TEKTRONIX 4025 のように端末が cup を持たない場合に有益です。 これらのケーパビリティを使用するプログラムを実行する際に、端末を特殊な モードにする必要がある場合、このモードに入るコードと出るコードをそれぞ れ smcup と rmcup で指定することができます。こういう事態が生じる場合と して、例えば Concept のように、複数ページのメモリを持つ端末があります。 画面相対指定を持たず、メモリ相対のカーソル位置指定機能しか持たないこの 端末の場合、画面の大きさのウィンドウ 1 枚を端末に固定で割り付け、カーソ ル位置指定を適切にできるようにしなければなりません。このケーパビリティ は TEKTRONIX 4025 でも使用されています。こちらでは、smcup で、terminfo で使用するコマンド文字を設定しています。rmcup シーケンスが出力された後 に、smcup シーケンスが画面を (rmcup を出力する前の状態に) 回復しないな らば、nrrmc を指定してください。 領域消去 端末がカーソルを動かさずに、現在位置から行の末端まで消去可能である場 合、これを el で指定すべきです。端末がカーソルを動かさずに、行の先頭か ら現在位置を含めて現在位置まで消去可能である場合、これを el1 で指定すべ きです。端末が現在位置から画面の終りまでを消去可能な場合、これを ed で 指定すべきです。ed は行の第 1 桁から行う場合のみ定義されます。(ですか ら、まともな ed が利用できない場合でも、大量の行削除リクエストを使って シミュレート可能です。) 行の挿入/削除と垂直移動 カーソルのある行の前に空白行を新規につくることができる端末の場合、これ を il1 で指定すべきです。これは、行の先頭位置でのみ行われます。作成後、 カーソルは新しくできた空白行に置かれる必要があります。端末がカーソルの ある行を削除できる場合、これを dl1 で指定すべきです。この機能は削除され る行の先頭でのみ行われます。il1 と dl1 の変種で、挿入/削除する行数を表 すパラメータを 1 つ取るものは、il と dl とで指定できます。 (vt100 のように) スクロール領域を設定可能な端末の場合、領域設定コマンド を csr ケーパビリティを用いて指定可能です。このケーパビリティは 2 つの パラメータ、スクロール領域の先頭行と最終行、を取ります。困ったことに、 このコマンド実行後のカーソル位置は定義されません。 適切な領域に csr を用いることで行の挿入/削除の効果を得ることが可能で す。sc と rc (カーソルの保存と回復) コマンドは、合成した挿入/削除文字列 がカーソルを動かさないことを保証するには有用でしょう。(ncurses(3X) ライ ブラリは自動的にこの合成を行うので、csr で挿入/削除文字列をエントリ用に つくる必要はないことに注意してください。) 挿入と削除を構成するもう 1 つの方法は、(HP-700/90 シリーズには挿入/削除 はありますが、このシリーズのような) いくつかの端末にあるメモリロック機 能と index を組み合わせて使うことです。 まともな行挿入/削除コマンドを持たない端末で、画面の最上端もしくは最下端 で行を挿入する場合、ri もしくは ind を使って行うこともできます。まとも な行挿入/削除コマンドを持つ場合でも、これらを使う方が速い場合が多いで す。 スクロールする各ウィンドウが実質的に画面大のキャンバス上のビューポート であるなら、ブール値 non_dest_scroll_region を設定すべきです。このケー パビリティをテストするためには、画面の中央にスクロール領域をつくり、最 下行に何かを書き、領域の一番上にカーソルを動かし、ri を行った後 dl1 か ind を行ってください。ri で領域の下へとスクロールして消えたデータが、再 び現れるなら、スクロールは非破壊的です。System V Curses と XSI Curses は ind, ri, indn, rin が破壊的スクロールをシミュレーションすることを期 待します。これが本当でない限り csr を定義しないようにと文書には注意書き があります。この curses の実装はより寛大で、ndstr が定義されていればス クロールの後に明示的に消去を行います。 メモリの一部に、すべてのコマンドが影響するウィンドウを定義することがで きる端末の場合、それは、パラメータ化文字列 wind で指定すべきです。メモ リ中での開始行、終了行、開始桁、終了桁を表す 4 パラメータは、この順番で 与えます。 上側の表示メモリを保持できる端末の場合、da ケーパビリティを指定すべきで す。下側の表示メモリを保持できる場合、db を指定すべきです。これらは、行 削除やスクロールにより、画面最下端に非空白行が上がってくること、およ び、ri による逆スクロールにより非空白行が下がってくることを表します。 文字の挿入/削除 terminfo で記述可能な文字の挿入/削除に関して、基本的には 2 種類のインテ リジェント端末があります。もっとも標準的な文字挿入/削除機能は、現在行の 文字のみが影響を受け、シフトした文字は一体となって移動し行端で消えて行 くものです。その他の端末、例えば Concept 100 や Perkin Elmer Owl のよう なものの場合、表示出力された空白とそうでない空白との間に区別がありま す。挿入/削除にともなうシフトは画面上の表示出力されていない空白に対して のみ適用され、それぞれ空白の消滅、もしくは表示出力されていない空白 2 つ になります。 自分が持っている端末がどちらのタイプかを調べるには、画面を消去してか ら、カーソル移動を用いてテキストを 2 箇所に分けて出力します。"abc" と "def" の間に (空白文字でなく) 局所的カーソル移動を用いて "abc def" を出力してください。その後、カーソルを "abc" の前に移動させ、端末を挿入 モードにします。文字を打ち込むと、行の残りが一体となってシフトして行の 端で文字がこぼれおちてゆくならば、この端末は表示出力された空白とそうで ない空白を区別しません。"abc" がシフトして "def" に当りその後はそれらが 一緒に行の端まで進み、次の行まで進むならば、この端末は 2 番目のタイプの もので "insert null" を表すケーパビリティ in を指定すべきです。 論理的には、これらは別の属性 (挿入モードが 1 行か複数行か、および、表示 出力されていない空白を特別扱いするか否か) ですが、挿入モードをこの属性 1 つで記述できない端末に、今までお目にかかったことはありません。 terminfo では、挿入モードを持つ端末も、現在行の上で場所を空ける短いシー ケンスを送る端末も、両方とも記述することができます。挿入モードに入る シーケンスは smir で指定してください。挿入モードから出るシーケンスは rmir で指定してください。挿入したい文字の直前に、あるシーケンスを送出す る必要がある場合は ich1 で指定してください。まともな挿入モードを持つ端 末のほとんどでは、ich1 を指定することはないでしょう。一方、画面上で場所 を空けるシーケンスを送る端末の場合は、ich1 を指定すべきです。 両方持つ端末の場合、通常は ich1 よりも挿入モードの方が望ましいでしょ う。技術的には、実際に両方を組み合わせて使用する必要がある場合以外は、 両方同時に指定すべきではありません。よって、両方あると curses を使わな いアプリケーションの中には混乱するものがあります。その兆候は、挿入を 使った更新の時に文字が二重になることです。この要求は現在では稀です。ほ とんどの ich シーケンスはその前に smir を必要とはせず、ほとんどの smir 挿入モードは各文字の前に ich1 を必要とはしません。よって、新しい curses は実際にこれが真実だと仮定し、rmir/smir か ich/ich1 のどちらか一方 (両 方ではありません) を適切なものとみなして利用します。もし、両方を必要と するほど古い端末のエントリを、新しい curses で使うために書く必要がある なら、ich1 に rmir/smir シーケンスを含めてください。 挿入後のパディングが必要な場合、ip (文字列オプション) に必要なミリ秒の 数を指定してください。その他のシーケンスで文字 1 文字を挿入後に送出する 必要のあるものを、いっしょに ip で指定することもできます。"挿入モード" に入り、かつ挿入する文字ごとにあるコードを付けて送出する必要のある端末 の場合、smir/rmir と ich1 とを両方とも指定してください。そうすること で、それらが使われるようになります。ich ケーパビリティはパラメータ n 1 つをとり、これは ich1 の動作を n 回繰り返します。 挿入モードでないとき、文字入力の間にパディングが必要なら、rmp にミリ秒 のパディングの数を指定してください。 挿入モードの途中で同じ行の文字を削除するために、カーソルを動かす必要が ある場合があります (例えば、挿入位置の後にタブがある場合)。挿入モードに 入ったままでカーソルを移動させることができる場合、このような場合の挿入 を高速に行うために、ケーパビリティ mir を指定することができます。mir を 省略しても、影響を受けるのは速度のみです。端末によっては (有名な Datamedia のアレとか) 挿入モードの動作方法の違いにより mir を指定しては いけないものがあります。 最後に、文字 1 文字の削除用として dch1 を、n 文字削除用としてパラメータ n 1 つをとる dch を、そして smdc と rmdc をそれぞれ削除モードに入るシー ケンスとそこから出るシーケンスとして与えることで削除モード (dch1 が動作 するために、端末が入っていなければならないモード) を指定することができ ます。 n 文字を削除する (カーソルを移動させずに空白を n 個出力することと同等の 処理) ためのコマンドは、パラメータを 1 つとる ech を使って指定すること ができます。 ハイライト・下線・可視ベル 端末が 1 つまたはそれ以上の表示属性を持つ場合、これらを表す方法として異 なったやり方がいくつかあります。エラーメッセージや他の種類の注意を引く メッセージに適した、十分コントラストが高く目立つ形式から 1 つ、強調モー ドを選択すべきです。(選ぶなら、反転表示に半輝度を加えたもの、もしくは単 に反転のみがよいでしょう。) 強調モードに入るシーケンス、出るシーケンス はそれぞれ smso と rmso で指定します。TVI 912 や Teleray 1061 のよう に、強調モードへの出入りにより画面に空白が 1 つ 2 つ残る場合、xmc を指 定して空白がいくつ残るかを教えるべきです。 下線引きを開始するコード、終了するコードは、それぞれ smul と rmul で指 定します。Microterm Mime のように、現在位置の文字に下線を引き、空白 1 つ分カーソルを右に移動するコードを持つ端末の場合、そのコードを uc で指 定することができます。 その他もろもろの強調モードに入るケーパビリティには、blink (点滅) bold (太字もしくは更に明るい) dim (暗いもしくは半輝度) invis (空白もしくは見 えないテキスト) prot (保護状態) rev (反転表示) sgr0 (すべての属性モード をオフにする) smacs (別の文字セットモードに入る) and rmacs (別の文字 セットモードから出る) が含まれます。これらのモードのどれか 1 つをオンに した場合に、他のモードがオフになる場合もありますし、ならない場合もあり ます。 モードの任意の組み合わせを設定するシーケンスが存在する場合、それを 9 つ のパラメータを持つ sgr (属性の設定) で指定します。パラメータのそれぞれ は、0 か非 0 の値を取り、対応する属性がオンかオフかを表します。9 つのパ ラメータとは、順に、強調、下線、反転表示、点滅、暗い表示、太字、空白、 保護、別の文字セットです。必ずしもすべてのモードが sgr によってサポート されている必要はありません。独立した属性コマンドが存在するものだけで構 いません。 例えば、DEC vt220 は次のモードのほとんどをサポートします。 tparm パラメータ 属性 エスケープシーエンス none なし \E[0m p1 強調 \E[0;1;7m p2 下線 \E[0;4m p3 反転表示 \E[0;7m p4 点滅 \E[0;5m p5 暗い表示 利用できません p6 太字 \E[0;1m p7 不可視 \E[0;8m p8 保護 使われていません p9 別の文字セット ^O (オフ) ^N (オン) 各モードが動作中かどうかを素早く決める方法がないので、エスケープシーケ ンスを動作中のモードをすべてオフにするもので始めます。強調は反転と太字 の組合せでできています。保護モードはホストの消去から画面の文字を保護す るので、sgr では普通は使われませんが、vt220 端末には保護モードがありま す。別の文字セットモードは、オフかオンかによって ^O または ^N であると いう点で異なります。全モードをオンにするシーケンスは \E[0;1;4;5;7;8m^N です。 いくつかのシーケンスは異なるモードに共通です。例えば、;7 は、p1 か p3 が真であるとき、すなわち強調か反転モードがオンのときに出力されます。 上のシーケンスを依存関係とあわせて余すところなく書くと次のようになりま す。 シーケンス 出力される場合 terminfo への翻訳 \E[0 常に \E[0 ;1 p1 または p6 のとき %?%p1%p6%|%t;1%; ;4 p2 のとき %?%p2%|%t;4%; ;5 p4 のとき %?%p4%|%t;5%; ;7 p1 または p3 のとき %?%p1%p3%|%t;7%; ;8 p7 のとき %?%p7%|%t;8%; m 常に m ^N または ^O p9 が真なら ^N そうでなければ ^O %?%p9%t^N%e^O%; これをすべて一緒に sgr シーケンスに詰め込むと次のようになります。 sgr=\E[0%?%p1%p6%|%t;1%;%?%p2%t;4%;%?%p4%t;5%; %?%p1%p3%|%t;7%;%?%p7%t;8%;m%?%p9%t\016%e\017%;, sgr を設定したら、sgr0 も設定する必要があることを忘れないでください。ま た、いくつかの実装は、sgr0 があるなら、与えられている sgr を当てにしま す。しかしながら、すべての terminfo エントリが必ずしも sgr 文字列を持っ ているというわけではありません。多くの terminfo エントリは、sgr 文字列 がない termcap エントリから導かれます。sgr 文字列を加えることの唯一の難 点は、termcap も、sgr0 が代わりの文字セットモードを終了しないと仮定する ことです。 "魔法のクッキー (magic cookie)" (xmc) を持つ端末では、モード設定シーケ ンスを受信すると特殊な "クッキー" とでも呼ぶべきゴミを画面に残します。 この端末では、モード設定シーケンスは、各文字に余分なビットを持たせるの ではなく、表示アルゴリズムそのものに影響を与えます。HP 2621 などのよう な端末では、次の行へ移動したり、カーソルの位置指定をした際に強調モード から勝手に抜け出てしまいます。強調モードを用いるプログラムは、強調モー ドでの移動が安全であることを示す msgr ケーパビリティの指定が無い場合に は、カーソルを移動させたり改行文字を送出する前に強調モードから脱出すべ きです。 エラー発生を無音で (ベルの代わりに) 通知するため、画面をフラッシュさせ る方法が提供されている端末の場合、それを flash で指定できます。これは カーソルを移動させてはなりません。 カーソルが最下行にないときに通常の状態以上に見易くする (例えば、点滅し ない下線カーソルを、より見つけやすいブロックカーソルや点滅下線カーソル にする) 必要がある場合、そのシーケンスを cvvis で指定してください。カー ソルを完全に見えないようにする方法がある場合、それを civis で指定してく ださい。これらのモードの効果を打ち消すシーケンスとして、ケーパビリティ cnorm を指定すべきです。 たとえ重ね打ちでないとしても、(特殊なコードなしで) 下線文字を正しく生成 できる端末の場合、ケーパビリティ ul を指定すべきです。文字を別の文字に 重ね打ちすると両方の文字が画面に残るなら、ケーパビリティ os を指定して ください。重ね打ちが空白文字で消去可能な場合、eo を指定してそのことを明 らかにしておくべきです。 キーパッドとファンクションキー キーを押すとコードを送出するキーパッドを持つ場合、そのキーパッドに関す る情報を指定することができます。注意すべき点として、キーパッドが局所 モードでしか動作しない端末 (例えば、シフト状態でない HP 2621 のキーがこ れに該当します) を扱うことはできないことがあります。送信状態か非送信状 態かを設定できるキーパッドの場合、それらのためのコードを smkx と rmkx とで指定することができます。これらの指定がない場合、キーパッドは常に送 信状態として扱われます。 左矢印、右矢印、上矢印、下矢印キー、home キーが送出するコードは、それぞ れ kcub1, kcuf1, kcuu1, kcud1 と khome で指定できます。f0, f1, ..., f10 のようなファンクションキーがある場合、これらが送出するコードは kf0, kf1, ..., kf10 で指定できます。これらのキーが f0 から f10 までのデフォ ルトのラベル以外のラベルを持つ場合、このラベルを lf0, lf1, ..., lf10 で 指定できます。 他の特殊キーが送出するコードは、次のように指定できます: • kll (ホームダウン (home down))、 • kbs (バックスペース (backspace))、 • ktbc (全タブクリア (clear all tabs))、 • kctab (この桁のタブストップをクリア)、 • kclr (画面消去 (clear screen) キーまたは抹消 (erase) キー)、 • kdch1 (文字削除 (delete character))、 • kdl1 (行削除 (delete line))、 • krmir (挿入モードから抜ける (exit insert mode))、 • kel (行末までクリア)、 • ked (画面の終りまでクリア)、 • kich1 (文字挿入 (insert character) または挿入モードに入る (enter insert mode))、 • kil1 (行挿入 (insert line))、 • knp (次のページ (next page))、 • kpp (前のページ (previous page))、 • kind (前進スクロール (scroll forward) / 下降スクロール (scroll down))、 • kri (後退スクロール (scroll backward) / 上昇スクロール (scroll up))、 • khts (この桁にタブストップを設定)。 更に、キーパッドが 4 つの矢印を含む 3 x 3 のキー配列を持つ場合、他の 5 つのキーを ka1, ka3, kb2, kc1 と kc3 で指定します。3 x 3 のカーソル移動 キーパッドの効果が必要な場合、これらのキーが有用です。 ファンクションキーにプログラムする文字列は、pfkey, pfloc と pfx で指定 できます。画面のラベルの文字列は pln で指定すべきです。これらの文字列 は、それぞれ 2 つの引数を取ります。プログラム対象のファンクションキー番 号 (0 から 10 まで) と、そこにプログラムする文字列です。この範囲外の ファンクションキー番号を使うと未定義のキーに対してプログラムしてしまう かもしれず、これは端末依存の動作となります。これらのケーパビリティの違 いは次の通りです。pfkey を指定すると、そのキーを押すことは、ユーザが指 定した文字列をタイプするのと同じことになります。pfloc では、端末内部で 局所的にその文字列が実行されることになります。pfx では、その文字列がコ ンピュータに送出されることになります。 ケーパビリティ nlab, lw, lh はプログラム可能な画面のラベルの数、幅、高 さを定義します。ラベルをオン、オフするコマンドがあるなら、smln と rmln に指定してください。変更が見えるのを確実にするために、通常 smln は 1 つ 以上の pln シーケンスの後で出力されます。 タブと初期化 端末がハードウェアタブを持つ場合、次のタブストップまでカーソルを進める コマンドを ht (通常は control I) で指定できます。前のタブストップまで左 方向に進める "後退タブ" コマンドは、cbt で指定できます。端末が、タブが 端末に送出されずにコンピュータ内部で空白に展開されるモードになっている 場合、プログラムは、たとえ ht や cbt が存在しても、それらを使用しないと いう約束になっています。これは、ユーザがタブストップを正しく設定してい ない可能性があるためです。電源投入時に、n 個の空白ごとにハードウェアタ ブが初期化されている端末の場合、数値パラメータ it を指定します。これは タブとして設定される空白数を表します。通常、これは tset コマンドが、 ハードウェアタブ展開を使用するモード設定と、タブストップ設定とを行うか どうかを決定するために使用します。タブストップ設定を不揮発性メモリに記 憶できる端末の場合、terminfo での記述の際に、タブストップは正しく設定さ れていることを想定して構いません。 他のケーパビリティとして、is1, is2, is3 があり、これらは端末を初期化す る文字列を指定します。また、iprog があり、これは端末初期化用として実行 するプログラムのパス名を指定します。また、if があり、これは初期化文字列 が長い場合、それを含むファイルの名前を指定します。これらの文字列によ り、terminfo の残りの記述と矛盾なく動作するモードに端末が設定されること が求められます。通常、ユーザがログインするたびに、@TPUT@ プログラムの init オプションがこれらの文字列を端末に対して送出します。次の順序で印刷 (表示) されます: - プログラム iprog を実行 - is1 is2 を出力 - mgc, smgl と smgr を使用してマージンを設定 - tbc と hts を使用してタブを設定 - ファイル if を印刷 - そして、最後に is3 を出力。 初期化のほとんどは is2 で行われます。共通のシーケンスを is2 に置き、特 殊な場合を is1 と is3 とに置くことで、文字列をそれぞれに複製して持たせ なくても、特殊な端末モードを設定することができます。 まったくわけのわからない状態から復帰するための、よりハード寄りのリセッ トを行うためのシーケンスの組も同様に、rs1, rs2, rf と rs3 で指定するこ とができます。これらは、それぞれ is1, is2, if と is3 と良く似たシーケン スです。端末がハマったときに使うプログラムである、reset がこれらのシー ケンスを出力します。コマンドを rs1, rs2, rs3 と rf に置くのは、普通、そ のコマンドが画面にユーザを混乱させる効果を産み出し、かつ、ログインの際 には必要ない場合に限ります。例えば、vt100 を 80 桁モードに設定するコマ ンドは、普通なら is2 に含めるはずですが、このコマンドは画面に混乱させる ゴミを作り出しますし、端末は既に 80 桁モードになっているのが普通ですの で、このコマンドを含める必要ありません。 reset プログラムは、is1 などの代わりに rs1 などを使用して、init プログ ラムと同じ順序で、iprog などを含む文字列を書き込みます、rs1, rs2, rs3 または rf リセットケーパビリティ文字列のどれかが不足しているなら、reset プログラムは、対応する初期化ケーパビリティ文字列に頼ります。 タブストップの設定、クリアを行うコマンドがある場合、それらを tbc (全タ ブストップのクリア) と hts (各行の現在桁にタブストップを設定) に指定で きます。タブ設定に関して、ここで説明したものより複雑なシーケンスが必要 な場合、そのシーケンスを is2 や if に置いても構いません。 遅延とパディング ハードコピー端末と (例えば、DEC VT100 を含む) 非常に古い CRT を含む、多 くの古くて遅い端末は XON/XOFF ハンドシェイクも DTR ハンドシェイクもサ ポートしません。特定のカーソルの移動とスクリーンの変更の後には、パディ ング文字が必要かもしれません。 端末がフロー制御のための xon/xoff ハンドシェイクを使用する場合 (すなわ ち、入力バッファが一杯に近くなると、ホストに自動的に ^S を送り返す場 合)、xon を指定してください。このケーパビリティはパディングの送出を抑え ます。実質的に速度に制限のないメモリマップト形式のコンソールデバイスに 対しても指定できます。ルーチンが相対的なコストに関してよりよい見積もり を立てることができるように、この場合でもパディング情報を指定すべきで す。しかし、実際はパディング文字は送信されません。 pb (パディングボーレート) を指定することで、ボーレートが pb の値より低 い場合、パディングが抑えられます。エントリにパディングボーレートがなけ れば、パディングが送出されるかされないかは xon により完全に制御されま す。 ヌル (0) 文字以外のパディング文字を必要とする端末の場合、それを pad で 指定できます。pad 文字列の最初の文字のみが使用されます。 ステータス行 端末には、通常のソフトウェアでは使用されない (それゆえ、端末の lines ケーパビリティでは数に入らない) 余分な "ステータス行" を持つものもあり ます。 最も簡単な場合には、ステータス行はカーソル位置の指定は可能ですが、画面 上のスクロール領域の一部ではないものです。初期化のときに 23 行のスク ロール領域のある 24 行の VT100 と同じように、Heathkit H19 には、この種 のステータス行があります。この状況は hs ケーパビリティで指定します。 ステータス行に入るには特別なシーケンスを必要とする端末もあります。これ はパラメータを 1 つとる文字列 tsl で表します。これはカーソルをステータ ス行の与えられた 0 桁に移動します。ケーパビリティ fsl で最後の tsl の前 の主画面のカーソル位置に戻る必要があります。そのために tsl と fsl の中 に sc (save cursor) と rc (restore cursor) の文字列の値を含める必要があ るかもしれません。 ステータス行は通常、端末の幅と同じ幅だと仮定されています。これが本当で ないのなら、そのことを数値ケーパビリティ wsl で指定できます。 ステータス行を消去したり削除するコマンドは dsl で指定できます。 ブール値ケーパビリティ eslok は、ステータス行内でエスケープシーケンスや タブ等が通常通り働くことを示します。 ncurses の実装はこれらのケーパビリティのどれもまだ利用していません。こ れらが重要になったらここに記述します。 線画 多くの端末には図を描くのに役に立つ別の文字セットがあります。terminfo と curses は VT100 でサポートされている図形文字と AT&T 4410v1 の文字のいく つかをサポートします。この別の文字セットは acsc ケーパビリティで設定さ れます。 グリフ ACS Ascii VT100 名 名 デフォルト 名 UK pound sign ACS_STERLING f } arrow pointing down ACS_DARROW v . arrow pointing left ACS_LARROW < , arrow pointing right ACS_RARROW > + arrow pointing up ACS_UARROW ^ - board of squares ACS_BOARD # h bullet ACS_BULLET o ~ checker board (stipple) ACS_CKBOARD : a degree symbol ACS_DEGREE \ f diamond ACS_DIAMOND + ` greater-than-or-equal-to ACS_GEQUAL > z greek pi ACS_PI * { horizontal line ACS_HLINE - q lantern symbol ACS_LANTERN # i large plus or crossover ACS_PLUS + n less-than-or-equal-to ACS_LEQUAL < y lower left corner ACS_LLCORNER + m lower right corner ACS_LRCORNER + j not-equal ACS_NEQUAL ! | plus/minus ACS_PLMINUS # g scan line 1 ACS_S1 ~ o scan line 3 ACS_S3 - p scan line 7 ACS_S7 - r scan line 9 ACS_S9 _ s solid square block ACS_BLOCK # 0 tee pointing down ACS_TTEE + w tee pointing left ACS_RTEE + u tee pointing right ACS_LTEE + t tee pointing up ACS_BTEE + v upper left corner ACS_ULCORNER + l upper right corner ACS_URCORNER + k vertical line ACS_VLINE | x 新しいデバイスの図形セットを定義するのに一番よい方法は、この表のその端 末用のコピーに列を追加し、対応する図形のところに (smacs/rmacs スイッチ の間に送出される場合に) 送出される文字を与えることです。それから VT100 とその端末の文字を右から左に順に読み上げてください。これが ACSC 文字列 になります。 色の扱い ほとんどのカラー端末は "Tektronix のような" または "HP のような" のどち らかです。Tektronix 風端末には、あらかじめ定義された N 色 (N は通常 8 です) の組があり、文字セル毎に独立に前景色と背景色を設定して、N * N の 色ペアにできます。HP 風端末では、色ペアをそれぞれ別々に設定する必要があ ります (前景と背景は独立には設定できません)。2*M の異なった色からは M までの色ペアができます。ANSI-互換端末は Tektronix 風です。 いくつかの基本的な色に関するケーパビリティは色の扱い方とは独立です。数 値ケーパビリティ colors と pairs には、同時に表示できる色または色ペアの 最大数を指定します。op (original pair) 文字列は前景色と背景色を端末の規 定値にリセットします。oc 文字列はすべての色または色ペアを端末の規定値に リセットします。(多くの PC 端末エミュレータを含む) いくつかの端末では、 電源投入時の背景色ではなく、現在の背景色で画面領域を消去します。この場 合にはブール値ケーパビリティ bce を指定すべきです。 Tektronix 型の端末で現在の前景色と背景色を変えるためには、setaf (set ANSI foreground) と setab (set ANSI background) を使うか、setf (set foreground) と setb (set background) を使ってください。これらは 1 つの パラメータ、色番号をとります。SVr4 の文書には setaf/setab だけが書かれ ています。XPG4 の草案には、「端末が背景と前景を設定する ANSI エスケープ シーケンスをサポートするなら、それぞれ setaf と setab で指定すべきで す。端末が背景と前景を設定する別のエスケープシーケンスをサポートするな ら、それぞれ setf と setb で指定すべきです。vidputs() 関数と refresh 関 数は、定義されていれば setaf と setab を使います。」と書かれています。 setaf/setab と setf/setb ケーパビリティはそれぞれ数値引数を 1 つとりま す。setaf/setab の引数値 0-7 は、次のように移植性があるように定義されて います (中央のカラムは、curses または ncurses ライブラリのヘッダで利用 可能なシンボリックな #define です)。端末のハードウェアはこれを好きなよ うにマップするのは自由ですが、RGB 値は色空間での通常の位置を示していま す。 色 #define 値 RGB 黒 COLOR_BLACK 0 0, 0, 0 赤 COLOR_RED 1 max,0,0 緑 COLOR_GREEN 2 0,max,0 黄 COLOR_YELLOW 3 max,max,0 青 COLOR_BLUE 4 0,0,max マゼンタ COLOR_MAGENTA 5 max,0,max シアン COLOR_CYAN 6 0,max,max 白 COLOR_WHITE 7 max,max,max setf/setb の引数値は、すなわち、次のように、異なるマッピングと歴史的に 対応しています。 色 #define 値 RGB 黒 COLOR_BLACK 0 0, 0, 0 青 COLOR_BLUE 1 0,0,max 緑 COLOR_GREEN 2 0,max,0 シアン COLOR_CYAN 3 0,max,max 赤 COLOR_RED 4 max,0,0 マゼンタ COLOR_MAGENTA 5 max,0,max 黄 COLOR_YELLOW 6 max,max,0 白 COLOR_WHITE 7 max,max,max 2 組の色のケーパビリティを混乱させないことは重要です。そうでなければ、 red/blue (赤/青) は、表示のときに交換されます。 HP 風の端末では、どの色ペアが現在のものかを設定する色ペア番号パラメータ をともなった scp を使ってください。 Tektronix 風の端末では、色が変更できることを示すためにケーパビリティ ccc があります。もしそうであれば、initc ケーパビリティは色数 (0 から colors - 1) と色を記述する 3 つのパラメータをとります。この 3 つのパラ メータは、デフォルトでは RGB (Red, Green, Blue) 値と解釈されます。ブー ル値ケーパビリティ hls があれば、代わりに HLS (Hue, Lightness, Saturation) 指標になります。範囲は端末に依存します。 HP 風の端末では、initp が色ペア値を変更するケーパビリティを与えます。パ ラメータを 7 つとります。色ペア番号 (0 から max_pairs - 1 まで) と 3 つ の数の組が 2 つです。最初の組で背景色を、2 番目の組で前景色を記述しま す。これらのパラメータは hls に依存して (Red, Green, Blue) か (Hue, Lightness, Saturation) である必要があります。 カラー端末のいくつかでは、色はハイライトと衝突します。この衝突を ncv ケーパビリティで登録できます。これは、色が利用可能なときに使うことがで きない属性のビットマスクです。curses が理解する属性との対応は次の通りで す。 属性 ビット 10 進数 によって設定 A_STANDOUT 0 1 sgr A_UNDERLINE 1 2 sgr A_REVERSE 2 4 sgr A_BLINK 3 8 sgr A_DIM 4 16 sgr A_BOLD 5 32 sgr A_INVIS 6 64 sgr A_PROTECT 7 128 sgr A_ALTCHARSET 8 256 sgr A_HORIZONTAL 9 512 sgr1 A_LEFT 10 1024 sgr1 A_LOW 11 2048 sgr1 A_RIGHT 12 4096 sgr1 A_TOP 13 8192 sgr1 A_VERTICAL 14 16384 sgr1 A_ITALIC 15 32768 sitm 例えば、多くの IBM PC コンソールで、下線の属性は前景色、青と衝突してし まい、カラーモードでは利用できません。これは、ncv ケーパビリティに 2 を 指定すべきです。 SVr4 curses は ncv では何もしませんが、ncurses はそれを認識してカラー用 に出力を最適化します。 その他 ヌル (0) 文字以外のパディング文字を必要とする端末の場合、それを pad で 指定することができます。pad 文字列の最初の文字のみが使用されます。パ ディング文字を持たない端末の場合、npc を指定してください。ncurses は termcap 互換の PC 変数を実装していることに注意してください。アプリケー ションはこの値をナル以外のものに設定するかもしれませんが、ncurses は最 初に npc をテストし、端末にパディング文字がなければ napms を使います。 端末が半行だけ上下移動できる場合、それを hu (半行上へ) と hd (半行下へ) とで指定できます。これは、主として、ハードコピー端末の上付き文字、下付 き文字のために役に立ちます。ハードコピー端末が用紙を排出し次のページに 行くこと (フォームフィード) ができる場合、それを ff (通常は control L) で指定します。 (同じ文字を極めて多数回繰り返し送信する際の時間節約のため) 指定した文字 を指定した回数だけ繰り返すコマンドが存在する場合、パラメータ化文字列 rep を用いてそれを指定することができます。1 番目のパラメータは繰り返さ れる文字で、2 番目のパラメータは繰り返し回数です。ですから、 tparm(repeat_char, 'x', 10) は、"xxxxxxxxxx" と同じことです。 TEKTRONIX 4025 のように、コマンド文字を設定可能な端末の場合、cmdch を用 いてそれを表すことができます。すべてのケーパビリティで使用されるプロト タイプコマンド文字を指定できます。この文字は cmdch ケーパビリティで指定 され、それが識別されます。いくつかの UNIX システムでは次の約束にした がって処理がなされます。すなわち、まず環境変数 CC を検査し、それが設定 されている場合は、ケーパビリティ中にあるプロトタイプ文字のすべてがその 環境変数で指定された文字と置き換えられます。 switch, dialup, patch と network などのような、特定の端末の種類を表さな い端末記述には、プログラムがその端末とどう通信すればよいかが分からない と表明できるようにするため、gn (一般的) ケーパビリティを指定すべきで す。(このケーパビリティは、エスケープシーケンスがわかっている仮想端末の 記述には適用されません。) 端末が、シフトキーとして動作し、文字すべての 8 ビット目を立てて送出する "メタキー" を持つ場合、このことを km により表すことができます。この指定 がない場合、ソフトウェアは、8 ビット目はパリティで、通常はクリアされて いると想定します。この "メタキー" をオンオフする文字列が存在する場合、 それを smm と rmm とで指定できます。 端末が画面 1 枚分より多い行数のメモリを持つ場合、メモリの行数を lm で指 定できます。値 lm#0 は、行数は固定でないものの、1 画面分以上のメモリを 持つことを表します。 端末が UNIX の仮想端末プロトコルをサポートしている場合、その端末番号を vt で指定できます。 端末に接続された外部プリンタを制御するメディアコピー文字列は、次のよう に指定できます。すなわち、mc0: 画面内容の印字、mc4: プリンタオフ、mc5: プリンタオンです。プリンタがオンのとき、端末に送出されたテキストはすべ てプリンタに送られます。プリンタがオンの状態でもなお端末にテキストが表 示されるか否かは未定義です。変種である mc5p はパラメータを 1 つ取り、そ のパラメータの値だけの文字を送る間プリンタをオンにし続け、そのあとオフ にします。このパラメータは 255 を越えてはなりません。mc4 を含むすべての テキストは、mc5p が有効な間、透過的にプリンタに渡されます。 ゴミ機能、困った機能 (Glitches and Braindamage) Hazeltine 端末は、"~" 文字を表示できません。これには hz を指定すべきで す。 Concept や vt100 のように am 直後の改行文字を無視する端末の場合、xenl を指定すべきです。 強調表示を取り除くために (単に通常のテキストを上に書くだけでは済まず) el が必要な場合、xhp を指定すべきです。 Teleray 端末は、タブでカーソル移動した下にあった文字をすべて空白にして しまうので、この端末では xt (破壊的なタブ) を指定すべきです。注: これに 対応する変数は、現在は、"dest_tabs_magic_smso" ですが、以前のバージョン では、teleray_glitch でした。このふざけた機能は、"magic cookie (魔法の クッキー)" の先頭にカーソルを置けないことと、強調モードを消去するため に、行削除と行挿入が必要であることも意味します。ncurses の実装はこの glitch を無視します。 Beehive の Superbee 端末は、エスケープ文字や control C 文字を正しく送信 できません。これには xsb を指定し、f1 キーをエスケープとし、f2 キーを control C として使用することを表します。(この問題が現れるのは特定の Superbee に限られ、その ROM に依存します。) terminfo の古いバージョンで は、このケーパビリティは、"beehive_glitch" と呼ばれていましたが、現在で は、"no_esc_ctl_c" と呼ばれていることに注意してください。 なにか特定の端末に固有の他の問題を解決したい場合、xx の形式で新しいケー パビリティを追加して使っても構いません。 よく似た端末 2 つの非常によく似た端末がある場合、いくつかの例外を除いて一方 (変型種) は他方 (基本種) と似ているという定義を行うことができます。変型種の定義 においては、文字列ケーパビリティ use で、基本種の端末の名前を指定できま す。use の指定より前に与えたケーパビリティは、use により得られる基本タ イプの中のケーパビリティに優先します。複数の use ケーパビリティが存在す る場合、逆の順番でマージされます。すなわち、一番右側の use の参照先が最 初に処理され、次にその左が処理されるといった順番になります。エントリ中 で明示的に指定されたケーパビリティは、use の参照先が与えるケーパビリ ティに優先します。 ケーパビリティ定義の左側に xx@ を置くことにより、そのケーパビリティを キャンセルできます。ここで xx はそのケーパビリティです。例えば、エント リ 2621-nl, smkx@, rmkx@, use=2621, は、smkx も rmkx も持たない 2621-nl を定義します。それゆえ、この端末は ビジュアルモードではファンクションキーラベルをオンにしません。この機能 はある端末の種々の機能や、ユーザの種々の設定を表す際に有用です。 長いエントリの落とし穴 長い terminfo のエントリは問題になりそうにありません。現在まで terminfo の文字列表の最大値 4096 バイトに達したエントリはないのです。不幸なこと に termcap への翻訳はずっと厳しく制限されている (1023 バイトまで) の で、長い terminfo エントリの termcap への翻訳は問題を引き起こすかも知れ ません。 4.3BSD より古いバージョンの tgetent() のマニュアルには、termcap エント リ用に 1024 バイトのバッファを割り付けるように書いてあります。エントリ は termcap ライブラリによりヌル文字で終了させられるので、termcap エント リとして安全な最大の長さは 1k-1 (1023) バイトです。アプリケーションと使 用する termcap ライブラリが何をするか、また、tgetent() が探しているタイ プの端末が termcap ファイルのどこにあるかによって、悪いことがいくつか起 こるかも知れません。 termcap ライブラリの中には、1023 バイトより長いエントリを見つけると警告 のメッセージを表示したり、終了したりするものもありますし、そうでないも のもあります。そうでないものはエントリを切捨てて 1023 バイトにしてしま います。アプリケーションプログラムの中には termcap エントリに推奨された 1K より多く割り当てるものもありますし、そうでないものもあります。 各 termcap エントリにはそれに関係する重要な大きさが 2 つあります。"tc" 展開前と "tc" 展開後です。"tc" は、現在のエントリの最後に他の termcap エントリを付け足し、そのケーパビリティを追加するケーパビリティです。 termcap エントリが "tc" ケーパビリティを使わないならば、もちろん 2 つの 長さは同じです。 特殊な端末のユーザ以外にも影響するので、「tc 展開前」の長さは最も重要な ものです。これは /etc/termcap にあるエントリからバックスラッシュと改行 の組を引いたものの長さです。バックスラッシュと改行の組は tgetent() が読 み込む間に取り除きます。termcap ライブラリの中には最後の改行を取り除く ものもあります (GNU termcap は行いません)。次のように仮定します。 • 展開前の termcap エントリは 1023 バイト以上の長さです。 • アプリケーションは 1k のバッファを割り当てただけです。 • (BSD/OS 1.1 や GNU のもののように) termcap ライブラリは、それが必要 なエントリであれば、その長さに関わらず、読むためにエントリをすべて バッファに読み込みます。 • tgetent() は長いエントリの端末タイプか、長いエントリの後に termcap ファイルに現れる端末タイプか、ファイルには全く現れない (そのため tgetent() は termcap ファイル全体を探す必要があります) 端末タイプを 探しています。 すると、tgetent() はメモリ、おそらくはスタックに重ね書きし、たぶんプロ グラムをコアダンプさせるでしょう。telnet のようなプログラムは特に弱いで す。現代的な telnet は端末タイプのような値を自動的に通してしまいます。 SunOS 4.1.3 や Ultrix 4.4 のように、過度に長い termcap エントリを読んだ ときには警告メッセージを表示する termcap ライブラリでも、結果は望ましい ものではありません。OSF/1 3.0 のように termcap ライブラリが長いエントリ を切り捨てるなら、ここで死ぬことはありませんが、端末に対して不正確な データを返すことになるでしょう。 「tc 展開後」の長さは上と同じように影響するでしょうが、影響を受けるのは TERM をその端末タイプに実際に設定した人だけです。tgetent() は探している 時ではなく、探していた端末タイプを見つけた時に一度だけ "tc" 展開を行う からです。 結局、1023 バイトより長い termcap エントリは、termcap ライブラリとアプ リケーションのさまざまな組合せで、コアダンプや警告や不正確な操作を引き 起こすかもしれません。"tc" 展開前でも長過ぎるなら、他の端末タイプのユー ザや termcap エントリのない TERM 変数を指定しているユーザにも影響するで しょう。 -C (termcap へ翻訳) モードでは、tic(1M) の ncurses の実装は tc 前の termcap へ翻訳する長さが長過ぎる場合、警告メッセージを出します。-c (check) オプションは、分析された (tc 展開後の) 長さもチェックします。 バイナリ互換性 商用の UNIX の間のバイナリの terminfo エントリの移植性に期待するのは賢 明ではありません。問題は terminfo に (HP-UX と AIX で) 少なくとも 2 つ のバージョンがあるからです。どちらも SVr1 の後で System V の terminfo から分岐したもので、文字列表に System V や XSI Curses 拡張と (バイナリ フォーマットで) 衝突する拡張ケーパビリティを追加しています。 拡張 $HOME/.terminfo と TERMINFO_DIRS の端末の記述を検索することは、古い実装 よってサポートされていません。 SVr4 の curses の実装のいくつかと SVr4 以前のものすべてはパラメータ文字 列内の %A 演算子と %O 演算子を解釈しません。 SVr4/XPG4 は、別の文字セットモードで msgr がカーソルの移動を許可するか どうかを指定しません (そのようなモードは、数ある中でも CR と NL を局所 的な移動を引き起こさない文字に写してしまうかも知れません)。ncurses の実 装は ALTCHARSET モードでは msgr を無視します。このため、反対の解釈をす る XPG4 の実装では、ncurses 用に作られた terminfo エントリの msgr をオ フにする必要があるかも知れません。 ncurses ライブラリは、更新の効率を上げるために少し非標準的な方法で文字 挿入と文字挿入モードを扱います。上記の「文字の挿入/削除」のサブセクショ ンを参照してください。 set_clock と display_clock のパラメータ置換は SVr4 でも XSI Curses 規格 でも説明されていません。AT&T 505 端末の説明書から推測したものです。 kmous ケーパビリティの割り当てには注意してください。ncurses は KEY_MOUSE として解釈しようとし、xterm のようなキーボード入力ストリーム 中でマウストラック情報を返すことのできる端末やエミュレータが使用しま す。 X/Open Curses は、イタリック体を言及しません。移植性のあるアプリケー ションは、数値のケーパビリティが符号付き 16 ビットの値であると仮定され なければなりません。これは、no_color_video (ncv) ケーパビリティを含んで います。ncv があるイタリック体のために使用される 32768 のマスク値は、 ncv が存在しないか、または ncv 取り消されたと混同させるかもしれません。 イタリック体が色で動作すべきであるなら、たとえ、それが 0 でも、ncv 値 は、指定されなければなりません。 異なる商用の terminfo と curses はそれぞれ異なる XSI Curses 標準の一部 と (いくつかの場合) 異なった拡張をサポートします。次は 1995 年 10 月時 点での正確な要約です。 SVR4, Solaris, ncurses -- SVr4 ケーパビリティをすべてサポートします。 SGI -- SVr4 すべてと説明のない拡張文字列ケーパビリティ 1 つ (set_pglen) をサポートします。 SVr1, Ultrix -- terminfo ケーパビリティの制限された一部をサポートしま す。ブール値は、xon_xoff で、数値は、width_status_line で、文字列は、 prtr_non で終ります。 HP/UX -- SVr1 の一部と、SVr[234] の数値 num_labels, label_height, label_width と、ファンクションキー 11 から 63 までと、plab_norm, label_on, label_off と、文字列表の非互換な拡張をいくつかサポートしま す。 AIX -- SVr1 の一部と、ファンクションキー 11 から 63 までと、たくさんの 非互換な文字列表拡張をサポートします。 OSF -- SVr4 全部と AIX 拡張の両方をサポートします。 関連ファイル /usr/share/misc/terminfo/?/* 端末記述を含んでいるファイル 関連項目 tic(1M), infocmp(1M), curses(3X), printf(3), term(5), term_variables(3X). 作者 Zeyd M. Ben-Halim, Eric S. Raymond, Thomas E. Dickey。Pavel Curtis によ る pcurses に基づいています。 terminfo(5)