FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.3-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.2-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
コマンド/キーワード:
日本語マニュアル RELEASE :
セクション:
Table of Contents
名称 | 書式 | 解説 | 終了ステータス | 関連項目 | 規格 | 歴史
STTY(1)                 FreeBSD 一般コマンドマニュアル                 STTY(1)

名称
     stty -- 端末デバイスインタフェースに対してオプションを設定する

書式
     stty [-a | -e | -g] [-f file] [arguments]

解説
     ユーティリティは、標準入力であるデバイスのための端末の特性を設定するか、
     または報告します。オプションまたは引数が指定されないなら、そしてそれらの
     デフォルト値と異なるなら、追加のものと同様に、特性のサブセットの設定を報
     告します。そうでなければ、それは、指定された引数にしたがって端末の状態を
     修正します。引数のいくつかの組み合わせは、いくつかの端末タイプで相互に排
     他的です。

     次のオプションが利用可能です:

     -a      IEEE Std 1003.2 (``POSIX.2'') に規定された形式で、現在の端末属性
             をすべて標準出力に出力します。

     -e      BSD の伝統的な ``all'' や ``everything'' の形式で、現在の端末属性
             をすべて標準出力に出力します。

     -f      標準入力ではなく、file で指定された端末を使います。このファイルは
             open() 関数に O_NONBLOCK フラグを付けてオープンされるので、端末の
             設定や表示をブロックされずに行なうことができます。

     -g      端末変更後に端末の状態を復帰させられるように、stty の引数として指
             定できる形式で、現在の端末属性を標準出力に出力します。この形式は
             IEEE Std 1003.2 (``POSIX.2'') に規定されています。

     端末属性の設定には、以下の引数が使えます。

   制御モード:
     制御モードのフラグは端末と関連するハードウェアの属性に影響します。これは
     termios 構造体の c_cflag に相当します。

     parenb (-parenb)
                 パリティ生成および検出を有効 (無効) にします。

     parodd (-parodd)
                 奇数パリティ (偶数パリティ) にします。

     cs5 cs6 cs7 cs8
                 可能なら 1 文字のビット幅を設定します。

     number      可能なら、端末のボーレートを指定された数値に設定します。0 を
                 指定した場合は、モデムの制御を切ります。

     ispeed number
                 可能なら、入力のボーレートを指定された数値に設定します。0 を
                 設定した場合は、出力のボーレートと同じ値に設定されます。

     ospeed number
                 可能なら、出力のボーレートを指定された数値に設定します。0 を
                 設定した場合は、モデムの制御を切ります。

     speed number
                 ispeedospeed の両方を number に設定します。

     hupcl (-hupcl)
                 そのデバイスをオープンしているプロセスがクローズ処理を行った
                 とき、ほかにこのデバイスをオープンしているプロセスがなけれ
                 ば、モデムの制御機能により切断処理を行います (行いません)。

     hup (-hup)  hupcl (-hupcl) と同じです。

     cstopb (-cstopb)
                 ストップビットを 2 ビット (1 ビット) にします。

     cread (-cread)
                 受話器を有効 (無効) にします。

     clocal (-clocal)
                 回線に対してモデム制御が不要である (必要である) とみなしま
                 す。

     crtscts (-crtscts)
                 RTS/CTS フロー制御を有効 (無効) にします。

   入力モード:
     これは termios 構造体の c_iflag に相当します。

     ignbrk (-ignbrk)
                 入力のブレーク信号を無視します (無視しません)。

     brkint (-brkint)
                 ブレークを受信したとき、シグナル INTR を出します (出しませ
                 ん)。

     ignpar (-ignpar)
                 パリティエラーを無視します (無視しません)。

     parmrk (-parmrk)
                 パリティエラーをマークします (マークしません)。

     inpck (-inpck)
                 入力のパリティチェックを有効 (無効) にします。

     istrip (-istrip)
                 入力した文字の 8 ビット目を捨てて 7 ビットにします (8 ビット
                 目を捨てません)。

     inlcr (-inlcr)
                 入力の NL を CR に変換します (変換しません)。

     igncr (-igncr)
                 入力の CR を無視します (無視しません)。

     icrnl (-icrnl)
                 入力の CR を NL に変換します (変換しません)。

     ixon (-ixon)
                 制御コードの START/STOP を使った出力フロー制御を有効 (無効)
                 にします。システムから端末への出力において、システムが STOP
                 を受信したら出力を中断し、START を受信するか、ixany が設定さ
                 れている場合は何らかの文字を受信すると、出力を再開するように
                 なります。

     ixoff (-ixoff)
                 システムの入力キューが空/満杯に近づいたら、それぞれ
                 START/STOP を出力するようにします (近づいても、出力しませ
                 ん)。

     ixany (-ixany)
                 どんな文字が来ても (START が来た場合のみ) 出力を再開します。

     imaxbel (-imaxbel)
                 システムによって入力キューの MAX_INPUT (一般的には 255) の最
                 大文字数が規定されており、imaxbel がセットされていると、入力
                 キューの制限を越えた入力に対して ASCII BEL キャラクタを出力
                 キューに送ります (端末が鳴ります)。imaxbel がセットされていな
                 くて入力キューが一杯になった場合、次の文字入力ですべての入
                 力、出力キューは捨てられます。

   出力モード:
     これは termios 構造体の c_oflag に相当します。

     opost (-opost)
                 プロセス後の処理を行った上で出力をします (プロセス後の処理を
                 行わずに出力します。この指定をすると、他のすべての出力モード
                 が無視されます)。

     onlcr (-onlcr)
                 出力の NL を CR-NL に変換します (変換しません)。

     ocrnl (-ocrnl)
                 CR を NL へマップします (マップしません)。

     tab0 tab3   タブ拡張ポリシを選択します。tab0 は、タブ拡張を無効にします
                 が、tab3 は、それを有効にします。

     onocr (-onocr)
                 桁 0 において CR を出力します (出力しません)。

     onlret (-onlret)
                 端末上で NL が CR の機能を実行します (実行しません)。

   ローカルモード:
     ローカルモードのフラグ (lflags) は端末処理のさまざまな属性に影響します。
     歴史的には、"local" という名前のつけられた新しいジョブコントロール機能は
     Jim Kulp によって IIASA の Pdp 11/70 に実装されました。その後このドライバ
     は、Evans Hall, UC Berkeley の最初の VAX 上で走りました。その際ジョブコン
     トロールの細部は大幅に変更されましたが、構造体の定義と名前は根本的には変
     わりませんでした。lflag の 'l' の 2 つ目の解釈は、termios 構造体の
     c_lflag に相当する ``line discipline flag'' (行制御規則フラグ) です。

     isig (-isig)
                 特殊な制御文字 INTR, QUIT, SUSP に対する処理を有効 (無効) に
                 します。

     icanon (-icanon)
                 ERASE と KILL 処理による入力制御を有効 (無効) にします。

     iexten (-iexten)
                 icanon, isig, ixon で制御に使われているもの以外の特殊な制御文
                 字の処理を有効 (無効) にします。

     echo (-echo)
                 タイプされた文字をエコーバックします (エコーバックしません)。

     echoe (-echoe)
                 ERASE 文字の入力があった場合、可能ならディスプレイ上に見える
                 現在の出力行の最後の文字を消します (消しません)。

     echok (-echok)
                 KILL 文字の入力があった場合、そのあとに NL を出力します (出力
                 しません)。

     echoke (-echoke)
                 可能なら、KILL 文字でディスプレイ上の現在の行を消します (消し
                 ません)。

     echonl (-echonl)
                 echo が無効になっているときでも NL 文字だけはエコーバックさせ
                 ます (エコーバックしません)。

     echoctl (-echoctl)
                 echoctl をセットすると、制御文字は ^X のように表示されます。
                 セットしなければ、その文字自身が表示されます。

     echoprt (-echoprt)
                 プリンタ端末に対するもので、設定された場合、削除された文字を
                 ``\'' と ``/'' で囲んで逆方向にエコーします。設定されていなけ
                 れば、この機能を無効にします。

     noflsh (-noflsh)
                 INTR, QUIT, SUSP のあとのフラッシュ処理を無効 (有効) にしま
                 す。

     tostop (-tostop)
                 バックグラウンドジョブが出力を行おうとした時に SIGTTOU を送り
                 ます (送りません)。これによってバックグラウンドジョブは画面出
                 力を行おうとすると停止するようになります。

     altwerase (-altwerase)
                 WERASE 文字を処理するときに、別の単語消去アルゴリズムを用いま
                 す (用いません)。このアルゴリズムは英数字とアンダスコアの並び
                 を単語とみなします。また、分類上直前の文字をスキップします
                 (便宜的に、直前の文字を ERASE 一文字で消すことができるように
                 するため)。

     mdmbuf (-mdmbuf)
                 セットされると、CD 信号の検出によるフロー制御の出力を行いま
                 す。セットされなければ、CD 信号の低下に対してエラーを出力しま
                 す (キャリア信号は CLOCAL フラグによっても無視されません)。

     flusho (-flusho)
                 出力を捨てます (捨てません)。

     pendin (-pendin)
                 入力を非標準 (non-canonical) モードから標準 (canonical) モー
                 ドへ切り換えたあと、入力を保留します (保留しません)。読み込み
                 が保留されたとき、または更に入力があったときに再入力されま
                 す。

   制御文字:
     control-character string
                 stringcontrol-character を割り当てます。もし string が 1
                 文字だけなら、制御文字にその文字を設定します。string が 2 文
                 字の "^-" もしくは "undef" の場合は制御文字は無効にされます
                 (つまり、{_POSIX_VDISABLE} になります)。

                 認識される制御文字:


                       制御文字     添字         説明
                       _________    _________    _______________
                       eof          VEOF         EOF character
                       eol          VEOL         EOL character
                       eol2         VEOL2        EOL2 character
                       erase        VERASE       ERASE character
                       erase2       VERASE2      ERASE2 character
                       werase       VWERASE      WERASE character
                       intr         VINTR        INTR character
                       kill         VKILL        KILL character
                       quit         VQUIT        QUIT character
                       susp         VSUSP        SUSP character
                       start        VSTART       START character
                       stop         VSTOP        STOP character
                       dsusp        VDSUSP       DSUSP character
                       lnext        VLNEXT       LNEXT character
                       reprint      VREPRINT     REPRINT character
                       status       VSTATUS      STATUS character

     min number

     time number
                 min または time の値を number に設定します。MIN と TIME は、
                 標準的でない (Non-Canonical) モードの入力処理 (-icanon) で使
                 用されます。

   複合モード:
     saved settings
                 現在の端末属性を -g オプションによって保存された属性にしま
                 す。

     evenp または parity
                 parenb と cs7 を有効にし、parodd を無効にします。

     oddp        parenb, cs7, parodd を有効にします。

     -parity, -evenp, -oddp
                 parenb を無効にして、cs8 をセットします。

     nl (-nl)    icrnl を有効 (無効) にします。それに加えて、-nl は inlcr と
                 igncr を解除します。

     ek          ERASE, ERASE2, KILL に割り当てられている文字をシステムのデ
                 フォルトのものに戻します。

     sane        すべてのモードを対話的な端末利用に妥当な値にリセットします。

     tty         行制御規則を標準端末の規則 TTYDISC に設定します。

     crt (-crt)  CRT ディスプレイ用に適合するモードをすべて有効 (無効) にしま
                 す。

     kerninfo (-kerninfo)
                 STATUS 文字 (通常 ^T に設定されています) に結びつけられたシス
                 テムステータス行の生成を有効 (無効) にします。このステータス
                 行はシステムの負荷、現在のコマンドの名前、プロセス ID、プロセ
                 スが待っているイベント (あるいはプロセスの状態)、ユーザ時間と
                 システム時間、CPU 利用率、現在のメモリ使用状況からなっていま
                 す。

     columns number
                 端末の大きさを number 列とします。

     cols number
                 columns の別名定義です。

     rows number
                 端末の大きさを number 行とします。

     dec         Digital Equipment Corporation systems の端末設定にします。
                 (ERASE, KILL, INTR をそれぞれ ^?, ^U, ^C とし、ixany を無効、
                 crt を有効にします)。

     extproc (-extproc)
                 設定されると、一部の端末処理が端末機器ないし pty に接続された
                 リモート側で行なわれるようになります。

     raw (-raw)  端末モードを全く入出力処理を行なわないモードにします。これを
                 無効にすると、端末を入出力処理を行なう普通のモードに戻しま
                 す。注意すべきなのは、端末用のドライバは単一の RAW ビットを持
                 つわけではないので、raw モードに設定する前にどのようなフラグ
                 が設定してあったのかを知ることができないということです。つま
                 り、raw モードを解除するだけでは、設定前の状態には戻りませ
                 ん。端末を raw 状態にして、それを正確に元に戻すためには、以下
                 のようなェルコマンドを使うことを薦めます。

                 save_state=$(stty -g)
                 stty raw
                 ...
                 stty "$save_state"

     size        端末の大きさを行、列の順に並べた 1 行で表示します。

   互換モード:
     以下のモードは旧バージョンの stty コマンドとの互換性保持のために残されて
     います。

     all         縦覧式でコントロール文字を表示する以外は、stty -a と同様に端
                 末設定を表示します。

     everything  all と同じです。

     cooked      sane と同じです。

     cbreak      brkint, ixon, imaxbel, opost, isig, iexten, -icanon を有効に
                 します。解除した場合は sane と同じです。

     new         tty と同じです。

     old         tty と同じです。

     newcrt (-newcrt)
                 crt と同じです。

     pass8       parity の反対です。

     tandem (-tandem)
                 ixoff と同じです。

     decctlq (-decctlq)
                 ixany の反対です。

     crterase (-crterase)
                 echoe と同じです。

     crtbs (-crtbs)
                 echoe と同じです。

     crtkill (-crtkill)
                 echoke と同じです。

     ctlecho (-ctlecho)
                 echoctl と同じです。

     prterase (-prterase)
                 echoprt と同じです。

     litout (-litout)
                 opost の反対です。

     oxtabs (-oxtabs)
                 出力のタブをスペースに展開します (展開しません)。

     tabs (-tabs)
                 oxtabs の反対です。

     brk value   制御文字 eol と同じです。

     flush value
                 制御文字 discard と同じです。

     rprnt value
                 制御文字 reprint と同じです。

終了ステータス
     ユーティリティ stty は、成功すると 0 で、エラーがあった場合は >0 で終了し
     ます。

関連項目
     resizewin(1), termios(4)

規格
     stty ユーティリティは、IEEE Std 1003.2 (``POSIX.2'') 互換のはずです。-e-f は、規格の拡張です。

歴史
     stty コマンドは、Version 2 AT&T UNIX で登場しました。

FreeBSD 11.2                    October 5, 2016                   FreeBSD 11.2

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