FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.3-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.2-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
コマンド/キーワード:
日本語マニュアル RELEASE :
セクション:
Table of Contents
名称 | 書式 | 解説 | 実装に関する注 | 関連ファイル | 使用例 | エラーメッセージ | 関連項目 | 歴史
INETD(8)               FreeBSD システム管理者マニュアル               INETD(8)

名称
     inetd -- インターネット ``スーパサーバ''

書式
     inetd [-dlWw] [-a address] [-C rate] [-c maximum] [-p filename] [-R rate]
           [-s maximum] [configuration_file]

解説
     inetd ユーティリティは、/etc/rc によってブート時に実行されるべきです
     (rc(8) を参照)。次に、それは、特定のインターネットソケットで接続のために
     listen (接続を受け付ける) します。接続がそのソケットの 1 つで見つけられる
     とき、それは、対応するソケットをサービスするものを決定し、要求をサービス
     するためのプログラムを呼び出します。サーバプログラムは、その標準入力、標
     準出力と標準エラーの記述子として、サービスソケットで呼び出されます。プロ
     グラムが終了した後に、inetd は、(以下に説明されるいくつかの場合を除いて)
     ソケットで listen (接続を受け付け) を続けます。本質的に、inetd によって、
     1 つのデーモンを実行することは、システムでロードを減らして、いくつかの他
     を呼び出すことができます。

     次のオプションが、利用可能です:

     -a address
             バインドす 1 つの特有の IP アドレスを指定します。代わりに、ホスト
             名を指定することができます、その場合に、そのホスト名に対応する
             IPv4 または IPv6 アドレスが、使用されます。通常、ホスト名は、
             inetdjail(8) の内側で実行されるとき、指定され、その場合に、ホ
             スト名は、jail(8) 環境のものと対応しています。

             ホスト名の指定が使用され、IPv4 と IPv6 の両方のバインディングが要
             求されるとき、各バインディングごとの適切なプロトコルタイプがある
             1 つのエントリは、/etc/inetd.conf のサービスごとに必要とされま
             す。例えば、TCP ベースのサービスは、2 つのエントリが必要で、1 つ
             は、プロトコルのために ``tcp4'' を使用し、他は、``tcp6'' を使用し
             ます。以下の /etc/inetd.conf プロトコルフィールドの説明を参照して
             ください。

     -C rate
             1 分間に単一の IP アドレスから呼び出すことができるサービスのデ
             フォルトの最大の回数を指定します。デフォルトは、無制限です。"max
             connections-per-ip-per-minute" パラメータでサービスごとの基礎で上
             書きされます。

     -c maximum
             各サービスの同時の呼び出しのデフォルトの最大数を指定します。デ
             フォルトは、無制限です。"max-child" パラメータでサービスごとの基
             礎で上書きされます。

     -d      デバッグをオンに切り替えます。

     -l      成功した接続のログ記録をオンに切り替えます。

     -p      プロセス ID を格納する代替のファイルを指定します。

     -R rate
             1 分間に呼び出すことができるサービスのデフォルトの最大の回数を指
             定します。デフォルトは、256 です。0 のレートは、無制限の数の呼び
             出しを許可します。

     -s maximum
             単一の IP アドレスから各サービスの同時の呼び出しのデフォルトの最
             大の回数を指定します。デフォルトは、無制限です。"max-child-per
             ip" パラメータでサービスごとの基礎で上書きされます。

     -W      inetd に組み込まれる内部のサービスのための TCP ラッピング (Wrap
             ping) をオンに切り替えます。

     -w      外部のサービスのために TCP ラッピング (Wrapping) をオンに切り替え
             ます。TCP ラッパのサポートに関する詳細については、「実装に関する
             注」セクションを参照してください。

     実行時に、inetd は、デフォルトで /etc/inetd.conf の設定ファイルからのその
     設定情報を読み込みます。タブまたは空白によって区切られたフィールドごとの
     エントリがある設定ファイルのフィールドごとに 1 つのエントリがなければなり
     ません。コメントは、行の最初の ``#'' によって示されます。フィールドごとに
     1 つのエントリがなければなりません。設定ファイルのフィールドは、次の通り
     です:

           service-name
           socket-type
           protocol
           {wait|nowait}[/max-child[/max-connections-per-ip-per-minute[/max-child-per-ip]]]
           user[:group][/login-class]
           server-program
           server-program-arguments

     ONC RPC ベースのサービスを指定するために、エントリは、つぎのフィールドを
     含んでいます:

           service-name/version
           socket-type
           rpc/protocol
           {wait|nowait}[/max-child[/max-connections-per-ip-per-minute[/max-child-per-ip]]]
           user[:group][/login-class]
           server-program
           server-program-arguments

     inetd が開始することができる 2 つのタイプのサービスがあります: 標準と
     TCPMUX。標準のサービスには、それに割り当てられる有名なポートがあります。
     公式なインターネット標準を実装するサービスか、または BSD 特有のサービスで
     す。RFC 1078 で説明されるように、TCPMUX サービスは、それらに割り当てられ
     る有名なポートがない標準でないサービスです。それらは、プログラムが
     ``tcpmux'' 有名ポートと接続し、サービス名を指定するとき、inetd から呼び出
     されます。この機能は、ローカルに開発されたサーバを追加するために役に立ち
     ます。TCPMUX 要求は、指定された TCPMUX ベースに加えて、マルチプレクササー
     ビス自体が有効にされるときのみ、受け付けられます。以下の内部のサービスの
     議論を参照してください。

     サービス名のエントリは、ファイル /etc/services の有効なサービスの名前、ま
     たは UNIX ドメインのソケット (以下を参照) の仕様です。``internal'' (内部)
     サービス (以下で議論される) のために、サービス名は、サービスの公式な名前
     であるべきです (すなわち、/etc/services の最初のエントリ)。ONC RPC ベース
     のサービスを指定するために使用されるとき、このフィールドは、ファイル
     /etc/rpc にリストされた有効な RPC サービス名です。``/'' の右の部分は、RPC
     バージョン番号です。これは、単に、単一の数値の引数またはバージョンの範囲
     で指定することができます。範囲は、低いバージョンから高いバージョン -
     ``rusers/1-3'' に制限されます。TCPMUX サービスのために、サービス名の
     フィールドの値は、スラッシュとローカルに選ばれたサービス名が続いている文
     字列 ``tcpmux'' から成ります。/etc/services にリストされたサービス名と名
     前 ``help'' は、予約されています。利用者の組織の名前をそれらの前に置き、
     バージョン番号をそれらの後に置くことによって、利用者の TCPMUX サービスの
     ためにユニークな名前を選択することを試みます。

     socket-type (ソケットタイプ) は、ソケットが、ストリーム、データグラム、生
     である、実際に配信されたメッセージ、または順序付けられたパケットのソケッ
     トであるかどうかに依存して、``stream'', ``dgram'', ``raw'', ``rdm'' また
     は ``seqpacket'' の 1 つであるべきです。TCPMUX サービスは、``stream'' を
     使用しなければなりません。

     プロトコルは、有効なプロトコルまたは ``unix'' でなければなりません。例
     は、``tcp'' または ``udp''、後方互換性のための IPv4 の意味を含む両方で
     す。名前 ``tcp4'' と ``udp4'' は、IPv4 のみを指定します。名前 ``tcp6'' と
     ``udp6'' は、IPv6 のみを指定します。名前 ``tcp46'' と ``udp46'' は、エン
     トリがワイルドカード AF_INET6 ソケットを通して IPv4 と IPv6 接続を受け付
     けることを指定します。RPC に基づくサービスは、``rpc/tcp'' または
     ``rpc/udp'' サービスタイプで指定されます。4、6 または 46 接尾辞をつけて
     IPv4 および/または IPv6 の指定を使用することができます、例えば、
     ``rpc/tcp6'' または ``rpc/udp46''。TCPMUX サービスは、``tcp'', ``tcp4'',
     ``tcp6'' または ``tcp46'' を使用しなければなりません。

     wait/nowait エントリは、inetd によって呼び出されるサーバが、サービスアク
     セスポイントに関連するソケットを引き継ぐかどうかを指定し、次に inetd が、
     新しいサービス要求のために listen (接続を受け付け) している前に、サーバが
     終了することを待つべきであるかどうかを指定します。データグラムサーバは、
     常に、指定されたサービスアドレスにバインドされたオリジナルのデータグラム
     ソケットで呼び出されるように ``wait'' を使用しなければなりません。これら
     のサーバは、終了の前にソケットから少なくとも 1 つのデータグラムを読み込ま
     なければなりません。データグラムサーバが、その通信相手に接続しソケットを
     解放して、inetd がソケットでさらなるメッセージを受信することができるな
     ら、``multi-threaded'' (マルチスレッド) のサーバだといわれています。ソ
     ケットから 1 つのデータグラムを読み込み、通信相手に接続している新しいソ
     ケットを作成するべきです。fork するべきで、親は、次に終了するべきで、
     inetd は、新しいサーバを spawn する新しいサービス要求をチェックすることが
     できます。ソケットですべての着信してくるデータグラムを処理し、結局タイム
     アウトとなるデータグラムサーバは、``single-threaded'' (単一スレッド化) だ
     といわれています。comsat(8)talkd(8) ユーティリティは、データグラム
     サーバの後者のタイプの例です。tftpd(8) ユーティリティは、マルチスレッド化
     されたデータグラムサーバの例です。

     ストリームソケットを使用しているサーバは、一般的にマルチスレッドであり、
     ``nowait'' エントリを使用します。これらのサービスのための接続要求は、
     inetd によって受け付けられ、サーバは、サービスのクライアントに接続してい
     る新しく受け付けられたソケットだけに与えられます。ほとんどのストリーム
     ベースのサービスは、この方法で動作します。``wait'' を使用するストリーム
     ベースのサーバは、listen (接続を受け付け) しているサービスソケットで開始
     され、終了の前に少なくとも 1 つの接続要求を受け付けなければなりません。そ
     のようなサーバは、通常、タイムアウトまで、着信してくる接続要求を受け付
     け、処理します。TCPMUX サービスは、``nowait'' を使用しなければなりませ
     ん。

     ``nowait'' サービスのための未解決の子プロセス (または ``threads'') の最大
     数は、``nowait'' キーワードに数が続いている ``/'' を付け加えることによっ
     て明示的に指定されます。通常 (または、0 の値が指定されるなら)、最大は、あ
     りません。そうでなければ、いったん最大に到達すると、さらなる接続の試み
     は、既存の子プロセスが終了するまで、キューに入れられます。また、これは、
     ``wait'' モードの場合に動作しますが、1 (デフォルト) 以外の値は、場合に
     よって、意味がありません。また、利用者は、未解決の子プロセスの最大数に数
     が続いている ``/'' を付け加えることによって与えられた IP アドレスのための
     1 分ごとの接続の最大数を指定できます。いったん最大に到達すると、この IP
     アドレスからのさらなる接続は、分の終わりまで、落とされます。さらに、利用
     者は、未解決の子プロセスの最大数に数が続いている ``/'' を付け加えることに
     よって単一の IP アドレスから各サービスの同時の呼び出しの最大数を指定する
     ことができます。いったん最大に到達すると、この IP アドレスからのさらなる
     接続は、落とされます。

     user エントリは、サーバが実行するべきユーザのユーザ名を含んでいるべきで
     す。これは、root より少ないパーミッションが与えられるサーバを許可します。
     ``:'' によって区切られるオプションの group 部分は、指定されるこのユーザの
     ためのデフォルトグループ以外のループ名を許可します。``/'' によって区切ら
     れるオプションのログインクラス部分は、デフォルトの ``daemon'' ログインク
     ラス以外のログインクラスの指定を許可します。

     サーバプログラムエントリは、要求がそのソケットで見つけられるとき、inetd
     によって実行されるプログラムのパス名を含んでいるべきです。inetd が内部的
     このサービスを提供するなら、このエントリは、``internal'' (内部的) である
     べきです。

     server-program-arguments (サーバプログラム引数) エントリは、通常プログラ
     ムの名前である、argv[0] で始まっている server-program (サーバプログラム)
     に渡される引数をリストします。サービスが内部的に提供されるなら、サービス
     の service-name (サービス名) (と、それへのあらゆる引数) または単語
     ``internal'' (内部) は、このエントリに取って代わるべきです。

     現在、引数を取る唯一の内部のサービスは、``auth'' です。オプションなしで、
     サービスは、常に ``ERROR : HIDDEN-USER'' を返します。その振る舞いを変更す
     るこのサービスに利用可能な引数は、次の通りです:

     -d fallback
             fallback ユーザ名を提供します。実際の ``auth'' サービスが (以下で
             議論される -r オプションで) 有効にされるなら、ソケット証明書また
             はユーザ名のために検索が失敗するとき、エラーの代わりにこのユーザ
             名を返します。実際の ``auth'' サービスが無効にされるなら、すべて
             の要求のためにこのユーザ名を返します。これは、NAT マシンでこの
             サービスを実行しているとき、主に役に立ちます。

     -F      -f と同じですが、.fakeid のユーザ名が既存のユーザと一致してはなら
             ないことの制限はありません。

     -f      ファイル .fakeid が、識別されたユーザのホームディレクトリに存在す
             るなら、実際のユーザ名の代わりにそのファイルに見つけられるユーザ
             名を報告します。.fakeid に見つけられるユーザ名が既存のユーザのも
             のであるなら、実際のユーザ名が報告されます。-i フラグが、また与え
             られるなら、.fakeid のユーザ名は、代わりに、既存のユーザ ID に対
             してチェックされます。

     -g      ident の要求者にユーザの名前を返す代わりに、ランダムなアルファ
             ベット文字、例えば、``c0c993''、で構成されているユーザ名を報告し
             ます。-g フラグは、ユーザ名のみを上書きしませんが、また、あらゆる
             フォールバック名、.fakeid または .noident ファイルを上書きしま
             す。

     -i      ユーザ名の代りに数値のユーザ ID を返します。

     -n      ファイル .noident が、識別されたユーザのホームディレクトリに存在
             するなら、``ERROR : HIDDEN-USER'' を返します。これは、存在するか
             もしれない、あらゆる fakeid ファイルを上書きします。

     -o osname
             uname(3) によって報告されるようにシステムの名前の代わりに osname
             を使用します。

     -r      RFC 1413 によって、実際の ``auth'' サービスを提供します。すべての
             残りのフラグは、この場合にのみ適用します。

     -t sec[.usec]
             サービスのためのタイムアウトを指定します。デフォルトのタイムアウ
             トは、10.0 秒です。

     また、inetd ユーティリティは、それ自体内のルーチンの使用によって内部的
     に、いくつかの他の ``trivial'' (ささいな) サービスを提供します。これらの
     サービスは、``echo'', ``discard'', ``chargen'' (文字ジェネレータ),
     ``daytime'' (人間に読み込み可能な時間) と ``time'' (1900 年 1 月 1 日の真
     夜中以来の数秒の形式でマシンに読み込み可能な時間)。これらのサービスのすべ
     ては、TCP と UDP バージョンの両方で利用可能です。UDP バージョンは、要求
     が、あらゆる内部のサービスに対応している応答ポートを指定するなら、サービ
     スを拒否します。(これは、ループ攻撃に対しての防御として行なわれ。リモート
     の IP アドレスは、ログ記録されます。) これらのサービスの詳細については、
     適切な RFC 文書を調べてください。

     TCPMUX デマルチプレクス (逆多重化) サービスは、また、内部のサービスとして
     実装されています。関数へのあらゆる TCPMUX ベースのサービスのために、次の
     行は、inetd.conf に含められていなければなりません:

           tcpmux  stream  tcp     nowait  root    internal

     -l オプションが与えられるとき、inetd は、接続が受け付けられるたびに、sys
     log にエントリをログ記録し、利用可能であるなら、選択されたサービスとリ
     モートの要求者の IP 番号に注目します。そうでなければ、設定ファイルで指定
     されないなら、-W-w オプションがないことで、inetd は、``daemon'' 機能
     にログ記録します。

     inetd ユーティリティは、ハングアップシグナル、SIGHUP を受け取るとき、その
     設定ファイルを再読み込みします。サービスは、設定ファイルが再読み返される
     とき、追加されるか、削除されるか、またはは修正されます。デバッグモードを
     開始するか、またはそうでなければ、-p オプションで設定されるときを除いて、
     inetd は、再設定を助けるために、そのプロセス ID をファイル
     /var/run/inetd.pid に記録します。

実装に関する注
   TCP ラッパ
     -w オプションが与えられるとき、inetd は、``internal'' (内部) のサービスを
     除いて、``stream nowait'' または ``dgram'' として指定されたすべてのサービ
     スをラップします。-W オプションが与えられるなら、そのような ``internal''
     (内部) のサービスは、ラップされます。両方のオプションが与えられるなら、内
     部と外部のサービスの両方にためにラップは、有効にされます。いずれのラップ
     オプションによって、失敗した接続は、``auth'' syslog 機能にログ記録されま
     す。-l フラグをラップオプションに追加することは、成功した接続を ``auth''
     機能にログ記録に含められます。

     inetd は、``wait'' サービスのための要求をラップすることだけですが、サーバ
     がサービス要求に利用可能ではないことに注意してください。いったんそのよう
     なサービスとの接続が許可されると、inetd は、サーバが接続要求のために lis
     ten (接続を受け付け) したままでないなら、サービスとのその後の接続を越えて
     制御されません。

     ラップが有効にされるとき、tcpd デーモンは、その機能が組み込まれるので、必
     要ではありません。TCP ラッパに関する詳細については、関連する文書
     (hosts_access(5)) を参照してください。その文書を読み込んでいるとき、
     ``internal'' (内部) のサービスは、関連するデーモン名がないことを心に留め
     てください。したがって、inetd.conf で指定されるようなサービス名は、
     ``internal'' (内部) のサービスのためのデーモン名として使用されるべきで
     す。

   TCPMUX
     RFC 1078 は、TCPMUX プロトコルを記述しています: ``TCP クライアントは、TCP
     ポート 1 で外部のホストと接続します。それは、キャリッジリターンライン
     フィード <CRLF> が続いているサービス名を送信します。サービス名は、決して
     大文字と小文字を区別しません。サーバは、ポジティブ (+) またはネガティブ
     (-) の確認応答、オプションの説明メッセージが続き、<CRLF> で終ることを示し
     ている単一の文字で応答します。応答がポジティブであったなら、選択されたプ
     ロトコルが始まります。そうでなければ、接続は、クローズされます。'' プログ
     ラムは、ファイル記述子 0 と 1 として TCP 接続に渡されます。

     TCPMUX サービス名が ``+'' で始まるなら、inetd は、プログラムのためにポジ
     ティブの応答を返します。これによって、利用者は、それらのあらゆる特別な
     サーバコードを置かずに stdin/stdout (標準入力/標準出力) を使用するプログ
     ラムを呼び出すことができます。

     特別なサービス名 ``help'' によって、inetd は、inetd.conf で有効にされる
     TCPMUX サービスをリストします。

   IPsec
     実装は、ソケットごとに IPsec ポリシをサポートするために、小さなハックを含
     みます。コメント行の特別な形式は、``#@'' で始まることは、ポリシ指定子とし
     て解釈されます。``#@'' の後のすべては、ipsec_set_policy(3) で説明されるよ
     うに IPsec ポリシ文字列として使用されます。各ポリシ指定子は、次のポリシ指
     定子まで inetd.conf のすべての続く行に適用されます。空のポリシ指定子は、
     IPsec ポリシをリセットします。

     無効の IPsec ポリシ指定子が inetd.conf に現れるなら、inetd は、syslog(3)
     インタフェースを通してエラーメッセージを提供し、実行をアボートします。

   UNIX ドメインソケット
     IP ソケットのサービスを実行していることに加えて、inetd は、また、UNIX ド
     メインソケットを管理することができます。これを行なうために、利用者は、
     ``unix'' のプロトコルを指定し、サービス名として UNIX ドメインソケットを指
     定します。サービスタイプは、``stream'' または ``dgram'' であるかもしれま
     せん。ソケットの指定は、絶対パス名でなければなりません、オプションで、形
     式 :user:group:mode: の所有者とモードによって前に置かれます。指定は、次の
     通りです:

           :news:daemon:220:/var/run/sock

     接続するユーザとグループだけが許可しているパーミッションがあるグループ
     ``daemon'' のユーザ ``news'' によって所有されているソケットを作成します。
     デフォルトの所有者は、inetd を実行しているユーザです。デフォルトのモード
     は、接続するソケットの所有者のみを許可します。

     警告: UNIX ドメインソケットを作成する間に、inetd は、ソケットの所有者と
     パーミッションを変更しなければなりません。これは、ソケットが作成される
     ディレクトリが root によってのみ書き込み可能である場合のみ、安全に行なう
     ことができます。/tmp のような world 書き込み可能なディレクトリのソケット
     を作成するために inetd を使用してはいけません。代わりに、/var/run または
     同様のディレクトリ。

     内部のサービスは、通常の方法で、UNIX ドメインソケットで実行されます。この
     場合に、内部のサービスの名前は、ソケットのパス名の最後の構成要素を使用し
     て決定されます。例えば、/var/run/chargen と名前が付けられたソケットを指定
     することは、接続が、そのソケットで受信されるとき、``chargen'' サービスを
     呼び出します。

関連ファイル
     /etc/inetd.conf     設定ファイル。
     /etc/netconfig      ネットワーク設定データベース。
     /etc/rpc            RPC プログラム番号へのサービス名の変換。
     /etc/services       ポート番号へのサービス名の変換。
     /var/run/inetd.pid  現在実行している inetd の pid。

使用例
     ここで、さまざまなサービスのタイプのためにいくつかのエントリの例を示しま
     す:

     # 最初の 4 つは, /etc/services によって定義されたポートの接続が
     # オープンされるとき、関連するデーモンを開始します.
     ftp          stream  tcp   nowait root  /usr/libexec/ftpd        ftpd -l
     ntalk        dgram   udp   wait   root  /usr/libexec/ntalkd      ntalkd
     telnet       stream  tcp6  nowait root  /usr/libexec/telnetd  telnetd
     shell        stream  tcp46  nowait root  /usr/libexec/rshd rshd

     # システムが, tcpmux を通して日付の要求に応答するようにします.
     tcpmux/+date stream  tcp   nowait guest /bin/date                date

     # tcpmux を通してシステムの電話帳にアクセスするようにします.
     tcpmux/phonebook stream tcp nowait guest /usr/local/bin/phonebook phonebook

     # カーネル統計にアクセスできるようにします.
     rstatd/1-3   dgram   rpc/udp wait root  /usr/libexec/rpc.rstatd  rpc.rstatd

     # (freebsd-tips fortune から) nc で 1 回限りの HTTP プロキシとして
     # netcat を使用します.
     http         stream  tcp   nowait nobody /usr/bin/nc nc -N dest-ip 80

     # そこに書き込まれたものはなんでも, エコーバックする /var/run/echo で
     # unix ソケットをセットアップします.
     /var/run/echo stream unix  nowait root  internal

     # IPsec 認証ヘッダのための chargen を実行します.
     #@ ipsec ah/require
     chargen      stream  tcp   nowait root  internal
     #@

エラーメッセージ
     inetd サーバは、syslog(3) を使用してエラーメッセージをログ記録します。重
     要なエラーメッセージとそれらの説明は、次の通りです:

     service/protocol server failing (looping), service terminated.
     過ぎた分の指定されたサービスのための要求の数が、制限を越えました。制限
     は、システムを溢れさせることから壊れたプログラムまたは悪意のあるユーザを
     防止するために存在します。このメッセージは、いくつかの理由のために起こり
     ます:

           1.   短期間内にサービスを要求している多くのホストがありませす。

           2.   壊れたクライアントプログラムは、頻繁にサービスを要求していま
                す。

           3.   悪意のあるユーザは、サービス拒否 (denial-of-service) 攻撃で
                サービスを呼び出すプログラムを実行しています。

           4.   呼び出されるサービスプログラムには、クライアントが迅速にリトラ
                イするエラーがあります。

     レート制限を変更するために、上に説明されるように、-R rate オプションを使
     用します。いったん制限に到達すると、サービスは、10 分で自動的に再び有効に
     されます。

     service/protocol: No such user user, service ignored
     service/protocol: getpwnam: user: No such user
     user のためのエントリは、passwd(5) データベースに存在しません。最初のメッ
     セージは、inetd が設定ファイルを (再) 読み込みとき、起こります。2 番目の
     メッセージは、サービスが呼び出されるとき、起こります。

     service: can't set uid uid
     service: can't set gid gid
     エントリの user フィールドのためのユーザまたはグループ ID は、無効です。

     setsockopt(SO_PRIVSTATE): Operation not supported
     inetd ユーティリティは、ソケットと関連する特権を与えられた状態を破棄する
     ことを試みますが、そうすることができません。

     unknown rpc/udp または rpc/tcp
     エントリは、netconfig(5) データベースの udp または tcp のいずれも見つけら
     れませんでした。

     unknown rpc/udp6 または rpc/tcp6
     エントリは、netconfig(5) データベースの udp6 または tcp6 のいずれも見つけ
     られませんでした。

関連項目
     nc(1), ipsec_set_policy(3), hosts_access(5), hosts_options(5),
     login.conf(5), netconfig(5), passwd(5), rpc(5), services(5), comsat(8),
     fingerd(8), ftpd(8), rlogind(8), rpcbind(8), rshd(8), talkd(8),
     telnetd(8), tftpd(8)

     Michael C. St. Johns, Identification Protocol, RFC1413.

歴史
     inetd ユーティリティは、4.3BSD で登場しました。TCPMUX は、Mark Lottor に
     よるコードと文書に基づいています。ONC RPC に基づくサービスのためのサポー
     トは、SunOS 4.1 によって提供されたものを手本としています。IPsec のハック
     は、1999 年に KAME プロジェクトによって寄贈されました。FreeBSD TCP ラッパ
     のサポートは、FreeBSD 3.2 ではじめて登場しました。

FreeBSD 12.4                   December 6, 2021                   FreeBSD 12.4

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