FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.3-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.2-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
コマンド/キーワード:
日本語マニュアル RELEASE :
セクション:
Table of Contents
名称 | 書式 | 解説 | 拡張例 | | 関連ファイル | 関連項目
ZIC(8)                 FreeBSD システム管理者マニュアル                 ZIC(8)

名称
     zic -- タイムゾーンコンパイラ

書式
     zic [--version] [-Dsv] [-d directory] [-g group] [-L leapsecondfilename]
         [-l localtime] [-m mode] [-p posixrules] [-u user] [-y command]
         [filename ...]

解説
     zic ユーティリティは、コマンド行で指定されたファイルを読み込み、その内容
     に従って時刻変換情報のファイルを作成します。filename- だった場合、標
     準入力から読み込みます。

     次のオプションが利用可能です:

     --version
             バージョン情報を出力して終了します。

     -D      自動的にはディレクトリを作成しません。入力ファイルが出力先のファ
             イルとして、まだ存在していないディレクトリを指定していた場合に
             は、デフォルトの動作ではディレクトリの作成を試みます。-D が指定さ
             れた場合には、zic は、そうせずに即座にエラーとします。

     -d directory
             下記の標準ディレクトリではなく、指定されたディレクトリに時刻変換
             情報ファイルを作成します。

     -g group
             それぞれの出力ファイルを作成した後に、ファイルのグループオーナを
             指定された group (名前でも数字のグループ ID でも構いません) に変
             更します。

     -L leapsecondfilename
             指定された名前のファイルからうるう秒の情報を読み込みます。このオ
             プションが指定されなかった場合、出力ファイルには、うるう秒の情報
             は記録されません。

     -l timezone
             指定されたタイムゾーンをローカルの時刻に使用します。zic ユーティ
             リティは、以下のリンク行が入力ファイルにあった場合と同様に働きま
             す。

                   Link timezone       localtime

             (FreeBSD では、ローカルタイムゾーンは、
             /usr/share/zoneinfo/localtime でなく /etc/localtime で指定される
             ので、このアクションは、何の効果も持たないことに注意してくださ
             い)。

     -m mode
             それぞれの出力ファイルを作成した後、ファイルのアクセス権を mode
             に変更します。モードは、数字とアルファベットのどちらでも構いませ
             ん (chmod(1) 参照)。

     -p timezone
             POSIX 形式のタイムゾーンの環境変数を扱う場合に、指定されたタイム
             ゾーンのルールを使用します。zic ユーティリティは、以下のリンク行
             が入力ファイルにあった場合と同様に働きます。

                   Link timezone       posixrules

     -u user
             それぞれの出力ファイルを作成した後に、ファイルのオーナを指定され
             た user (名前でも数字のユーザ ID でも構いません) に変更します。

     -v      データファイル中の年が time(3) で表現できる年の範囲を超えていた場
             合、警告します。

     -s      出力ファイルに記録される時刻の値を、それが符号付きと扱われるか符
             号なしと扱われるかに関係なく同じ値になるように制限します。このオ
             プションを使用することで SVVS と互換のファイルを生成できます。

     -y command
             年のタイプをチェックする際に、yearistype の代わりに指定された
             command を用います(下記参照)。

     入力の各行は、フィールドから構成されます。各フィールドは、任意の数の空白
     文字により分離されます。先行する空白や、行末の空白は、無視されます。引用
     符で囲まれていない井桁文字 (#) からその行の末尾までは、コメントとして扱わ
     れます。空白文字や井桁文字をフィールドの一部として使用する場合は、二重引
     用符 (") で囲みます。(コメントを取り除いた後の)空白行は、無視されます。空
     白ではない行は、ルール行、ゾーン行、リンク行の 3 種類のいずれかであるとみ
     なされます。

     (月の名前のような) 名前は、英語でなければならなくて、大文字と小文字を区別
     しません。使用されるなら、省略形は、コンテキストで明白でなければなりませ
     ん。

     ルール行は、次の形式です:
           Rule NAME FROM TO   TYPE IN   ON        AT   SAVE LETTER/S
     例えば、次の通りです:
           Rule US   1967 1973 -    Apr  lastSun   2:00 1:00 D

     となります。ルール行を構成するフィールドは、次の通りです:

           NAME      このルールが属するルールの(任意の)名前を指定します。

           FROM      ルールが適用される最初の年を指定します。如何なる整数の年
                     も指定できます。グレゴリオ暦を仮定しています。単語
                     minimum (あるいはその短縮形) は、整数で表せる最小の年を示
                     します。単語 maximum (あるいはその短縮形) は、整数で表せ
                     る最大の年を示します。ルールには、時刻の値として表す事が
                     できない時刻を書くこともできますが、表す事ができない時刻
                     は、無視されます。これにより、時刻の値のタイプが異なるホ
                     スト間でルールを共用する事ができます。

           TO        ルールが適用される最後の年を指定します。minimummaximum (上記)に加え、単語 only (あるいはその短縮形) を、
                     FROM フィールドの値を指すものとして使用することができま
                     す。

           TYPE      ルールが適用される年のタイプを指定します。TYPE- だっ
                     た場合、ルールは、FROM から TO までのその年を含む全ての年
                     に適用されます。TYPE がそれ以外だった場合、zic は、コマン
                     ド yearistype year type を実行して、年のタイプをチェック
                     します。実行したコマンドの終了ステータスが 0 だった場合
                     は、その年が指定されたタイプであり、終了ステータスが 1
                     だった場合は、その年が指定されたタイプではないと判断しま
                     す。

           IN        ルールが適用される月の名前を指定します。月名は、短縮形で
                     も構いません。

           ON        ルールが適用される日を指定します。指定できる形式は、次の
                     通りです:

                           5        その月の 5 日
                           lastSun  その月の最後の日曜日
                           lastMon  その月の最後の月曜日
                           Sun>=8   8 日以降の最初の日曜日
                           Sun<=25  25 日以前の最後の日曜日

                     曜日は、短縮形でも、フルスペルでも構いません。注意: ON
                     フィールド内にスペースを含んではいけません。

           AT        ルールが適用される時刻を指定します。指定できる形式は、次
                     の通りです:

                           2        時
                           2:00     時と分
                           15:00    24 時間形式の時刻 (正午以降について)
                           1:28:14  時、分、秒

                     ここで、0 時は、一日の始まりの深夜を意味し、24時は、一日
                     の終わりの深夜を意味します。これらの形式の最後に `w' をつ
                     けると、指定した時刻がローカルの ``掛け時計'' であり、`s'
                     をつけると、指定した時刻がローカルの ``標準時'' であり、
                     `u' (あるいは `g' ないし `z') をつけると、指定した時刻が
                     世界標準時であることを示します。これらの文字を指定してい
                     ない場合は、掛け時計が適用されます。

           SAVE      ルールが有効な場合にローカルの標準時に加えられる量を指定
                     します。このフィールドの形式は、AT フィールドと同じです
                     (この場合は、末尾に `w' と `s' を指定する事はできませ
                     ん)。

           LETTER/S  ルールが有効な場合にタイムゾーンの短縮形に用いられる ``変
                     化部分'' (例えば、``EST'' や ``EDT'' の ``S'' や ``D'')
                     を指定します。このフィールドが - だった場合、変化部分は、
                     ヌル (NULL) になります。

     ゾーン行は、次の形式です:
           Zone NAME GMTOFF    RULES/SAVE     FORMAT    [UNTILYEAR [MONTH [DAY
           [TIME]]]]
     例えば、次の通りです:
           Zone Australia/Adelaide  9:30 Aus  CST  1971 Oct 31 2:00
     ゾーン行を構成するフィールドは、次の通りです:

     NAME    タイムゾーンの名称です。そのゾーンに対する時刻変換情報ファイルを
             作成する時の名前になります。

     GMTOFF  そのゾーンの標準時を得る時に UTC に加算される量です。このフィール
             ドの形式は、ルール行の AT および SAVE フィールドと同じです。UTC
             から時刻を引く場合は、フィールドの最初にマイナスをつけます。

     RULES/SAVE
             そのタイムゾーンに適用されるルールの名前、あるいは、ローカルの標
             準時に加算される量を指定します。このフィールドが - だった場合、そ
             のタイムゾーンには、常に標準時が適用されます。

     FORMAT  そのタイムゾーンで使用されるタイムゾーンの短縮形の形式を指定しま
             す。文字列 %s は、タイムゾーンの短縮形で用いられる ``変化部分''
             を示します。一方、スラッシュ (/) で標準時の短縮形と夏時間の短縮形
             を指定する事もできます。

     UNTILYEAR [MONTH [DAY [TIME]]]
             その場所で UTC との差あるいはルールが変化する時刻を指定します。
             年、月、日、時刻を用いて指定できます。このフィールドが指定された
             場合、その時刻になるまでは与えられた UTC との差およびルールからタ
             イムゾーンの情報が生成されます。月、日、時刻は、ルールの IN, ON,
             AT フィールドと同じ形式です。続くフィールドは、省略可能で、足りな
             いカラムは、最も早い可能な値がデフォルトとなります。

             この次の行は、``継続'' 行でなくてはなりません。この行は、最初の
             ``Zone'' と NAME フィールドがない点を除いてはゾーン行と同一の形式
             で、その前の行の until 情報で指定した時刻以降の情報を指定します。
             この継続行にも until 情報を指定することができ、その場合は、次の行
             にその時刻以降の情報を指定します。

     リンク行は、次の形式です:
           Link LINK-FROM LINK-TO
     例えば、次の通りです:
           Link Europe/Istanbul     Asia/Istanbul
     LINK-FROM フィールドは、存在するゾーン行の NAME フィールドのいずれかと一
     致していなければなりません。LINK-TO フィールドは、そのゾーンに対する別名
     として使用されます。

     継続行以外は、入力中での行の順番に制限はありません。

     うるう秒の定義ファイルの各行は、次の形式です:
           Leap YEAR MONTH     DAY  HH:MM:SS  CORR R/S
     例えば、次の通りです:
           Leap 1974 Dec  31   23:59:60  +    S
     YEAR, MONTH, DAY, HH:MM:SS フィールドは、うるう秒が起きる時刻を指定しま
     す。CORR フィールドは、秒が加えられる場合は、``+'' で、秒がスキップされる
     場合は、``-'' となります。R/S フィールドは、他のフィールドで与えられるう
     るう秒の時刻が UTC である場合は、``Stationary'' (またはその短縮形)で、他
     のフィールドで与えられるうるう秒の時刻がローカルのウォールクロックである
     場合は、``Rolling'' (またはその短縮形)となります。

拡張例
     ここに、その機能の多くを例証することを目的とする、zic 入力の拡張例を示し
     ます。

       # Rule  NAME  FROM  TO    TYPE  IN   ON       AT    SAVE  LETTER/S
       Rule    Swiss 1940  only  -     Nov  2        0:00  1:00  S
       Rule    Swiss 1940  only  -     Dec  31       0:00  0     -
       Rule    Swiss 1941  1942  -     May  Sun>=1   2:00  1:00  S
       Rule    Swiss 1941  1942  -     Oct  Sun>=1   0:00  0
       Rule    EU    1977  1980  -     Apr  Sun>=1   1:00u 1:00  S
       Rule    EU    1977  only  -     Sep  lastSun  1:00u 0     -
       Rule    EU    1978  only  -     Oct   1       1:00u 0     -
       Rule    EU    1979  1995  -     Sep  lastSun  1:00u 0     -
       Rule    EU    1981  max   -     Mar  lastSun  1:00u 1:00  S
       Rule    EU    1996  max   -     Oct  lastSun  1:00u 0     -

       # Zone  NAME           GMTOFF   RULES       FORMAT  UNTIL
       Zone    Europe/Zurich  0:34:08  -           LMT     1848 Sep 12
                              0:29:44  -           BMT     1894 Jun
                              1:00     Swiss       CE%sT   1981
                              1:00     EU          CE%sT

       Link    Europe/Zurich  Switzerland

     この例では、ゾーンは、Europe/Zurich と名前が付けられますが、それには、
     Switzerland の別名があります。Zurich は、オフセットが 29 分 44 秒に変更し
     たとき、1848-09-12 の 00:00 まで、GMT (グリニッジ標準時) の 34 分 8 秒西
     にでした。1894-06-01 の 00:00 後に、("Rule Swiss" で始まる行で定義される)
     Swiss の夏時間規則 (daylight saving rule) は、適応され、GMT (グリニッジ標
     準時) のオフセットは、1 時間になります。1981 年から現在まで、EU の夏時間
     規則 (daylight saving rule) は、適用されて UTC オフセットは、1 時間のまま
     となっています。

     1940 年に、夏時間は、11 月 2 日 00:00 から 12 月 31 日 00:00 まで適用しま
     した。1941 年と 1942 年に、夏時間は、5 月の最初の日曜日の 02:00 から 10
     月の最初の日曜日の 00:00 まで適用しました。1981 年以前の EU の夏時間規則
     (daylight-saving rule) は、ここで効果がありませんが、完全性のために含まれ
     ています。1981 年以来、夏時間は、3 月の最後の日曜日の 01:00 時 UTC (協定
     世界時) に始まっています。1995 年まで、9 月の最後の日曜日の 01:00 UTC (協
     定世界時) に終りましたが、これは、1996 年から 10 月の最後の日曜日に変更し
     ました。

     表示の目的のために、"LMT" と "BMT" が、それぞれ最初に使用されました。
     Swiss 規則と、その後の EU 規則が適用されて以来、タイムゾーンのための表示
     名は、標準時間のための CET と夏時間のための CEST となっています。


     ローカル時刻が複数のタイプとなる地域では、作成されたファイルの最初の変化
     時刻を正しく設定するためには、最初の変化時刻のルールの AT フィールドで
     ローカルの標準時を使用する必要があります。

     特定のゾーンに関して、時計が同時に起こる夏時間の始まりに起因して進めら
     れ、UTC オフセットの変更に起因して遅くされた時計と等しいなら、zic は、(掛
     け時計の変更なしで) 新しい UTC オフセットで夏時間のための単一の遷移を引き
     起こします。別々の遷移を取得するためには、ユニバーサル時間を使用する遷移
     の瞬間を指定する複数のゾーンの継続行を使用します。

関連ファイル
     /usr/share/zoneinfo  作成されたファイルが置かれる標準ディレクトリ

関連項目
     ctime(3), tzfile(5), zdump(8)

FreeBSD 12.1                     June 20, 2004                    FreeBSD 12.1

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