FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.3-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.2-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
コマンド/キーワード:
日本語マニュアル RELEASE :
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名称 | 書式 | 解説 | ハードウェア | ローダ調整変数 | SYSCTL 変数 | IOCTL | 関連ファイル | 診断 | 関連項目 | 歴史 | 作者
TI(4)              FreeBSD カーネルインタフェースマニュアル              TI(4)

名称
     ti -- Alteon Networks Tigon I と Tigon II ギガビットイーサネットアダプタ
     ドライバ

書式
     このドライバをカーネルにコンパイルするためには、次の行を利用者のカーネル
     設定ファイルに置きます:

           device ti
           options TI_SF_BUF_JUMBO
           options TI_JUMBO_HDRSPLIT

     もう一つの方法として、ブート時にモジュールとしてドライバをロードするため
     には、次の行を loader.conf(5) に置きます:

           if_ti_load="YES"

解説
     ti ドライバは、Alteon Networks Tigon ギガビットイーサネットコントローラ
     チップに基づく PCI ギガビットイーサネットアダプタのサポートを行ないます。
     Tigon は、組み込まれた R4000 CPU、ギガビット MAC、デュアル DMA チャネル、
     PCI インタフェースユニットを含んでいます。Tigon II は、2 つの R4000 CPU
     と他の改良を含んでいます。どちらのチップも 32 ビットまたは 64 ビット PCI
     スロットのいずれかを使用することができます。チップとの通信は、PCI 共有メ
     モリとバスマスタ DMA によって得られます。Tigon I と II は、ハードウェアマ
     ルチキャストアドレスフィルタリング、VLAN タグ抽出と挿入、および最大 9000
     バイトのジャンボイーサネットフレームサイズをサポートします。Tigon I チッ
     プセットは、もはや生産していないことに注意してください: すべての新しいア
     ダプタは、Tigon II チップセットが標準装備になっているはずです。

     Tigon チップセットは、10Mbps、100Mbps、1000Mbps の速度をサポートします
     が、10Mbps と 100Mbps の速度のサポートは、適切なトランシーバがあるボード
     でのみ利用可能です。ほとんどのアダプタは、1000Mbps でのみ動作するように設
     計されています、しかしながら、ドライバは、同様に下位の速度で動作するそれ
     らの NIC をサポートするべきです。

     ジャンボフレームは、インタフェース MTU 設定によってサポートを行ないます。
     ジャンボフレームを受信し送信するためのアダプタを設定する ifconfig(8) ユー
     ティリティで 1500 バイトより大きい MTU を選択します。ジャンボフレームの使
     用によって、ファイル転送やデータストリーミングなどの特定のタスクのための
     性能を大いに向上させることができます。

     Tigon 2 ボードのヘッダ分割サポートは、TI_JUMBO_HDRSPLIT オプション (この
     オプションは、Tigon1 には、効果がない) をつけでオンにすることができます。
     0 コピーの受信とヘッダの分割についてのより多くの議論に関しては、
     zero_copy(9) を参照してください。

     ti ドライバは、ジャンボ受信バッファに裏打ちされた UMA を使用しますが、
     sendfile(2) バッファアロケータを使用するように設定することができます。
     sendfile(2) バッファアロケータをオンにするには、TI_SF_BUF_JUMBO オプショ
     ンを使用します。

     vlans のサポートも、vlan(4) メカニズムを使用することで利用可能です。詳細
     に関しては、vlan(4) マニュアルページを参照してください。

     ti ドライバは、次のメディアタイプをサポートします:

     autoselect            メディアタイプとオプションの自動選択を有効にしま
                           す。ユーザは、/etc/rc.conf ファイルにメディアオプ
                           ションを加えることによって、手動で自動選択モードを
                           無効にできます。

     10baseT/UTP           10Mbps オペレーションを設定します。mediaopt オプ
                           ションも全二重または半二重モードのいずれかを選択す
                           るために使用できます。

     100baseTX             100Mbps (ファーストイーサネット) オペレーションを設
                           定します。mediaopt オプションも全二重または半二重
                           モードのいずれかを選択するために使用できます。

     1000baseSX            1000Mbps (ギガビットイーサネット) オペレーションを
                           設定します。全二重モードだけがこの速度でサポートさ
                           れます。

     ti ドライバは、次のメディアオプションをサポートします:

     full-duplex           全二重オペレーションを強制的に設定します。

     half-duplex           半二重オペレーションを強制的に設定します。

     このデバイスの設定についてのより詳しい情報については、ifconfig(8) を参照
     してください。

ハードウェア
     ti ドライバは、Alteon Tigon I と II に基づくギガビットイーサネットアダプ
     タをサポートします。ti ドライバは、次のアダプタでテストされています:

     •   3Com 3c985-SX ギガビットイーサネットアダプタ (Tigon 1)
     •   3Com 3c985B-SX ギガビットイーサネットアダプタ (Tigon 2)
     •   Alteon AceNIC V ギガビットイーサネットアダプタ (1000baseSX)
     •   Alteon AceNIC V ギガビットイーサネットアダプタ (1000baseT)
     •   Digital EtherWORKS 1000SX PCI ギガビットアダプタ
     •   Netgear GA620 ギガビットイーサネットアダプタ (1000baseSX)
     •   Netgear GA620T ギガビットイーサネットアダプタ (1000baseT)

     また次のアダプタは、サポートされるべきですが、まだテストされていません:

     •   Asante GigaNIX1000T ギガビットイーサネットアダプタ
     •   Asante PCI 1000BASE-SX ギガビットイーサネットアダプタ
     •   Farallon PN9000SX ギガビットイーサネットアダプタ
     •   NEC ギガビットイーサネット
     •   Silicon Graphics PCI ギガビットイーサネットアダプタ

ローダ調整変数
     カーネルをブートする前に loader(8) プロンプトで、または loader.conf(5) に
     格納して調整変数を設定することができます。

     hw.ti.%d.dac
             この調整変数が、0 に設定されるなら、DAC (Dual Address Cycle) を無
             効とします。デフォルト値は、ドライバが完全な 64 ビットの DMA アド
             レシングを使用することを意味する、1 です。

SYSCTL 変数
     次の変数は、sysctl(8) 変数と loader(8) 調整変数の両方で利用可能です: イン
     タフェースは、次の調整変数のいずれかが変更されるとき、変更の効果がある前
     に、落されて再び上げられていなければなりません。下記に参照される 1 マイク
     ロ秒の時間単位 (clock tick) は、名目上の時間で、実際のハードウェアは、こ
     のレベルの精度を供給しないかもしれません。例えば、リリース 12.0 の Tigon
     2 (revision 6) カードで、クロックの精度は、5 マイクロ秒です。

     dev.ti.%d.rx_coal_ticks
             この値、受信合体チック (tick) は、ホストへの NIC DMA 受信返り生産
             者のポインタの前に経過しなければならない、(それぞれ 1 マイクロの)
             時間単位 (clock tick) を制御し、割り込みを生成します。このパラ
             メータは、rx_max_coal_bds、受信最大合体 BD、調整変数パラメータと
             連動して動作します。NIC は、閾値のいずれかを越えるとき、ホストへ
             の受信返り生産者ポインタを返します。0 の値は、このパラメータが無
             視され、受信 BD は、受信最大合体 BD 値が到達されるときのみ、返さ
             れることを意味します。デフォルト値は、170 です。

     dev.ti.%d.rx_max_coal_bds
             この値、受信最大合体 BD は、NIC が、受信返りリング生産者インデッ
             クスを更新する前に、合体される、受信バッファ記述子の数を制御しま
             す。この値が 0 に設定されるなら、合体している受信バッファ記述子を
             無効にします。デフォルト値は、64 です。

     dev.ti.%d.ti_tx_coal_ticks
             この値、送信合体チックは、ホストへの NIC DMA 送信消費者ポインタの
             前に経過しなければならない、(それぞれ 1 マイクロの) 時間単位
             (clock tick) の数を制御し、割り込みを生成します。このパラメータ
             は、tx_max_coal_bds、送信最大合体 BD、調整変数パラメータと連動し
             て動作します。NIC は、閾値のいずれかを越えるとき、ホストへの送信
             消費者ポインタを返します。0 の値は、このパラメータが無視され、送
             信 BD は、送信最大合体 BD 値が到達されるときのみ、返されることを
             意味します。デフォルト値は、2000 です。

     dev.ti.%d.tx_max_coal_bds
             この値、送信最大合体 BD は、NIC が、送信消費者インデックスを更新
             する前に、合体される、送信バッファ記述子の数を制御します。この値
             が 0 に設定されるなら、送信バッファ記述子を無効にします。デフォル
             ト値は、32 です。

     dev.ti.%d.tx_buf_ratio
             この値は、送信バッファ対受信バッファに専念するべき NIC の残りのメ
             モリの比率を制御します。下位 7 ビットは、1/64th 増分の比率を示す
             ために使用されます。例えば、この値を 16 に設定することは、送信
             バッファを残りのバッファ空間の 1/4 に設定します。どんな場合にも、
             送信または受信バッファは、68 KB 以下に縮小されません。1 MB の NIC
             について、データバッファのためのおおよその合計の空間は、800 KB で
             す。512 KB の NIC について、その数は、300 KB です。デフォルト値
             は、21 です。

     dev.ti.%d.stat_ticks
             値、stat チック は、ホストへの NIC DMA 統計ブロックの前に経過しな
             ければならない、(それぞれ 1 マイクロの) 時間単位 (clock tick) の
             数を制御し、STATS_UPDATED イベントを生成します。0 に設定されるな
             ら、統計は、決してホストに DMA (転送) されません。この値は、統計
             リフレッシュを読み込む誰かを誤解させない十分に高い周波数に設定さ
             れることが推奨されます。1 秒に数回で十分です。デフォルト値は、
             2000000 (2 秒) です。

IOCTL
     ほとんどのネットワークドライバによって実装された標準の socket(2) ioctl(2)
     呼び出しに加えて、ti ドライバは、追加診断、設定とデバッグに使用することが
     できるキャラクタデバイスインタフェースも含んでいます。このキャラクタデバ
     イスインタフェースと gdb(1), の特別パッチバージョンで、ユーザは、Tigon
     ボードでのファームウェアの実行をデバッグすることができます。

     これらの ioctl とそれらの引数は、<sys/tiio.h> ヘッダファイルで定義されて
     います。

     TIIOCGETSTATS     カードから DMA されるカード統計値をほぼ 2 秒毎にカーネ
                       ルメモリに返します。(その時間の間隔は、TIIOCSETPARAMS
                       ioctl を通して変更することができます。) 引数は、struct
                       ti_stats です。

     TIIOCGETPARAMS    割り込みがどのように一体化するかに大きく影響する様々な
                       性能関連のファームウェアパラメータを取得します。引数
                       は、struct ti_params です。

     TIIOCSETPARAMS    割り込みがどのように一体化するかに大きく影響する様々な
                       性能関連のファームウェアパラメータを設定します。引数
                       は、struct ti_params です。

     TIIOCSETTRACE     要求されたタイプに関する情報をトレースするように NIC に
                       伝えます。引数は、ti_trace_type です。

     TIIOCGETTRACE     カードからトレースバッファをダンプします。引数は、
                       struct ti_trace_buf です。

     ALT_ATTACH        この ioctl は、Alteon の Solaris ドライバとの互換性のた
                       めに使用されます。デバッグのためのキャラクタインタ
                       フェースがおそらく 1 つしかないので、デバッグしたい
                       Tigon インスタンスを伝えなければなりません。この ioctl
                       は、FreeBSD のためには、ノーオペレーションです。

     ALT_READ_TG_MEM   Tigon ボードから要求されたメモリ領域を読み込みます。引
                       数は、struct tg_mem です。

     ALT_WRITE_TG_MEM  Tigon ボードの要求されたメモリ領域に書き込みます。引数
                       は、struct tg_mem です。

     ALT_READ_TG_REG   Tigon ボードから要求されたレジスタを読み込みます。引数
                       は、struct tg_reg です。

     ALT_WRITE_TG_REG  Tigon ボードの要求されたレジスタに書き込みます。引数
                       は、struct tg_reg です。

関連ファイル
     /dev/ti[0-255]  Tigon ドライバキャラクタインタフェース。

診断
     ti%d: couldn't map memory  致命的な初期化エラーが発生しました。

     ti%d: couldn't map interrupt  致命的な初期化エラーが発生しました。

     ti%d: no memory for softc struct!  ドライバは、初期化の間、デバイス毎のイ
     ンスタンス情報のためのメモリの割り付けに失敗しました。

     ti%d: failed to enable memory mapping!  ドライバは、PCI 共有メモリマッピ
     ングの初期化に失敗しました。カードがバスマスタスロットにないなら、これ
     は、起こるかもしれません。

     ti%d: no memory for jumbo buffers!  ドライバは、初期化の間、ジャンボフ
     レームのためのメモリの割り付けに失敗しました。

     ti%d: bios thinks we're in a 64 bit slot, but we aren't  BIOS は、まるで
     それが 64 ビット PCI スロットにインストールされたかのように NIC をプログ
     ラムしましたが、実際には、NIC は、32 ビットのスロットにあります。これは、
     いくつかの BIOS のバグの結果として起こります。これは、Tigon II では、対処
     できますが、Tigon I では、初期化のときに失敗します。

     ti%d: board self-diagnostics failed!  CPU 状態レジスタの ROMFAIL ビット
     は、システム起動の後に設定され、搭載 NIC 診断が失敗したことを示していま
     す。

     ti%d: unknown hwrev  ドライバは、サポートされないハードウェアリビジョンが
     あるボードを検出しました。ti ドライバは、リビジョン 4 (Tigon 1) とリビ
     ジョン 6 (Tigon 2) チップをサポートし、それらのデバイスのためだけのファー
     ムウェアを持っています。

     ti%d: watchdog timeout  デバイスは、ネットワークに応答することを停止して
     いるか、またはネットワーク接続 (ケーブル) に問題があります。

関連項目
     sendfile(2), altq(4), arp(4), netintro(4), ng_ether(4), vlan(4),
     ifconfig(8), zero_copy(9)

歴史
     ti デバイスドライバは、FreeBSD 3.0 ではじめて登場しました。

作者
     ti ドライバは、Bill Paul <wpaul@bsdi.com> によって書かれました。ヘッダ分
     割ファームウェアの変更、キャラクタ ioctl(2) インタフェースとデバッグサ
     ポートは、Kenneth Merry <ken@FreeBSD.org> によって書かれました。初期の 0
     コピーサポートは、Andrew Gallatin <gallatin@FreeBSD.org> によって書かれま
     した。

FreeBSD 12.2                   November 14, 2011                  FreeBSD 12.2

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