FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.3-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.2-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
コマンド/キーワード:
日本語マニュアル RELEASE :
セクション:
Table of Contents
名称 | 書式 | 解説 | フック | コントロールメッセージ | シャットダウン | 使用例 | 関連項目 | 作者 | バグ
NG_NETFLOW(4)      FreeBSD カーネルインタフェースマニュアル      NG_NETFLOW(4)

名称
     ng_netflow -- Cisco の NetFlow 実装

書式
     #include <sys/types.h>
     #include <netinet/in.h>
     #include <netgraph/netflow/ng_netflow.h>

解説
     ng_netflow ノードは、FreeBSD で実行されるルータで Cisco の NetFlow エクス
     ポートプロトコルを実装します。ng_netflow ノードは、着信トラフィックを
     listen (接続を受け付け) し、それのユニークなフローを識別します。フロー
     は、終点 IP アドレス、TCP/UDP ポート番号、ToS、および入力インタフェースに
     よって区別されます。期限が切れたフローは、NetFlow バージョン 5/9 UDP デー
     タグラムのノードからエクスポートされます。期限切れの理由は、次の 1 つを指
     定できます:

     -   RST または FIN TCP セグメント。

     -   アクティブなタイムアウト。フローは、指定された期間より長く生存できま
         せん。デフォルトは、1800 秒 (30 分) です。

     -   アクティブでないタイムアウト。フローは、指定された期間にアクティブで
         ありませんでした。デフォルトは、15 秒です。

     ノードは、(NetFlow v9 専用の) IPv6 アカウンティングをサポートし、複数の
     fib を気付いています。異なった fib は、NetFlow V9 の異なった domain_id と
     NetFlow V5 の異なった engine_id にマップされます。

フック
     このノードタイプは、iface0, iface1 などの名前が付けられた
     NG_NETFLOW_MAXIFACES フック (デフォルトは、65536) と out0, out1 などの名
     前が付けられたフックの同じ数、さらに次の 2 つの export までをサポートしま
     す: (NetFlow バージョン 5 のための) export と (NetFlow バージョン 9 のた
     めの) export9 です。すべてのサポートされた export フックのために同時に
     export を行うことができます。デフォルトで (有効にされた ingress NetFlow)
     ノードは、iface* フックで受信されたデータの NetFlow アカウンティングを行
     います。対応する out フックが接続されているなら、変更されていないデータ
     は、迂回され、そうでなければ、データは、解放されます。データが out フック
     で受信されたなら、なんの処理なしで対応する iface フックに迂回されます (デ
     フォルトで無効にされた egress NetFlow)。export プロトコルのための完全な
     export データグラムが構築されるとき、それは、export または export9 フック
     に送信されます。通常操作では、1 つ (または複数) の export フックは、
     ng_ksocket(4) ノードの inet/dgram/udp フックに接続されます。

コントロールメッセージ
     このノードタイプは、次を加えて、一般的なコントロールメッセージをサポート
     します:

     NGM_NETFLOW_INFO (info)
          struct ng_netflow_info 中のいくつかのノード統計値と現在のタイムアウ
          ト値を返します。

     NGM_NETFLOW_IFINFO (ifinfo)
          ifaceN フックに関する情報を返します。フック番号は、引数として渡され
          ます。

     NGM_NETFLOW_SETDLT (setdlt)
          ifaceN フックのデータリンクタイプを設定します。現在、サポートされて
          いるタイプは、DLT_RAW (生の IP データグラム) と DLT_EN10MB (イーサ
          ネット) です。<net/bpf.h> ヘッダで DLT_ 定義を見つけることができま
          す。現在、使用される値は、DLT_EN10MB のための 1 と DLT_RAW のための
          12 です。このメッセージタイプは、引数として struct ng_netflow_setdlt
          を使用します:

              struct ng_netflow_setdlt {
                      uint16_t iface;         /* どのインタフェースが dlt
                                                 を変更したか */
                      uint8_t  dlt;           /* bpf.h からの DLT_XXX */
              };

          要求された ifaceN フックは、前もって接続されていなければなりません。
          そうでなければ、メッセージ送信操作は、エラーで返ります。

     NGM_NETFLOW_SETIFINDEX (setifindex)
          ある場合には、ng_netflow は、パケットの入力インタフェースインデック
          スを決定することができないかもしれません。トラフィックがシステムイン
          タフェースの入力キューに来る前に ng_netflow ノードに入るなら、これ
          は、起こるかもしれません。そのようなセットアップの例は、同期データラ
          インと ng_iface(4) の間のトラフィックの取得です。この場合、入力イン
          デックスは、与えられたフックと関係があるべきです。インタフェースのイ
          ンデックスは、ユーザランドからの if_nametoindex(3) を通して決定する
          ことができます。このメッセージは、引数として struct
          ng_netflow_setifindex を必要とします:

              struct ng_netflow_setifindex {
                      uint16_t iface;         /* どのインタフェースが index
                                                 を変更したか */
                      uint16_t index;         /* 新しいインデックス */
              };

          要求された ifaceN フックは、前もって接続されていなければなりません。
          そうでなければ、メッセージ送信操作は、エラーで返ります。

     NGM_NETFLOW_SETTIMEOUTS (settimeouts)
          NetFlow のアクティブ/インアクティブタイムアウトのための値を秒単位で
          設定します。このメッセージは、引数として struct
          ng_netflow_settimeouts を必要とします:

              struct ng_netflow_settimeouts {
                      uint32_t inactive_timeout;      /* フロー不活発なタイプアウト */
                      uint32_t active_timeout;        /* フロー活発なタイムアウト */
              };

     NGM_NETFLOW_SETCONFIG (setconfig)
          指定されたインタフェースを設定します。このメッセージは、引数として
          struct ng_netflow_setconfig を必要とします:

              struct ng_netflow_setconfig {
                      uint16_t iface;         /* どのインタフェースが config
                                                 を変更したか */
                      uint32_t conf;          /* 新しい設定 */
              #define NG_NETFLOW_CONF_INGRESS         1
              #define NG_NETFLOW_CONF_EGRESS          2
              #define NG_NETFLOW_CONF_ONCE            4
              #define NG_NETFLOW_CONF_THISONCE        8
              #define NG_NETFLOW_CONF_NOSRCLOOKUP     16
              #define NG_NETFLOW_CONF_NODSTLOOKUP     32
              };

          設定は、いくつかのオプションのビットマスクです。デフォルトで有効にさ
          れた、オプション NG_NETFLOW_CONF_INGRESS は、(ifaceX フックから来る
          データのために) ingress NetFlow 生成を有効にします。オプション
          NG_NETFLOW_CONF_EGRESS は、(outX フックから来るデータのために)
          egress NetFlow を有効にします。オプション NG_NETFLOW_CONF_ONCE は、
          パケットが、netflow ノードを通して数回渡されるなら、一度だけアカウン
          トされるべきであるであることを定義します。オプション
          NG_NETFLOW_CONF_THISONCE は、パケットが、正確にこの netflow ノードを
          通して数回渡されるなら、一度だけアカウントされるべきであるであること
          を定義します。これらの 2 つのオプションは、ingress と egress NetFlow
          の両方が、有効にされるとき、重複してアカウントすることを避けるために
          重要です。オプション NG_NETFLOW_CONF_NOSRCLOOKUP は、ネットワークマ
          スクに書き込むために使用されるフローソースアドレスでラディックス
          (radix) 検索をスキップします。オプション NG_NETFLOW_CONF_NODSTLOOKUP
          は、(egress インタフェース ID、宛先マスクとゲートウェイを書き込む)
          宛先でラディックス (radix) 検索をスキップします。検索によって提供さ
          れたデータを必要とされないなら、ルータのロードを削減するために、それ
          らを無効にすることができます。

     NGM_NETFLOW_SETTEMPLATE (settemplate)
          (NetFlow v9 特有の) データフローテンプレートをアナウンスするために様
          々なタイムアウトを設定します。このメッセージは、引数として struct
          ng_netflow_settemplate を必要とします:

              struct ng_netflow_settemplate {
                      uint16_t time;          /* アナウンスの間の最大時間 */
                      uint16_t packets;       /* アナウンスの間の最大パケット */
              };

          time フィールドの値は、データテンプレートを再アナウンスするために秒
          単位の時間で表します。packets フィールドの値は、再アナウンスのデータ
          テンプレートの間の最大のパケットカウントを表します。

     NGM_NETFLOW_SETMTU (setmtu)
          (NetFlow v9 特有の) 指定されたサイズのパケットを構築するためにエクス
          ポートインタフェース MTU を設定します。このメッセージは、引数として
          struct ng_netflow_setmtu を必要とします:

              struct ng_netflow_setemtu {
                      uint16_t mtu;           /* パケットの MTU */
              };

          デフォルトは、1500 バイトです。

     NGM_NETFLOW_SHOW
          このコントロールメッセージは、フローキャッシュの全体の内容をダンプす
          るようにノードに要求します。それは、直接 ngctl(8) から呼び出されるの
          ではなく、flowctl(8) から呼び出されます。

     NGM_NETFLOW_V9INFO (v9info)
          struct ng_netflow_v9info のいくつかの NetFlow v9 に関連する値を返し
          ます。

              struct ng_netflow_v9info {
                  uint16_t        templ_packets;  /* v9 テンプレートパケット */
                  uint16_t        templ_time;     /* v9 テンプレート時間 */
                  uint16_t        mtu;            /* v9 MTU */
              };

シャットダウン
     このノードは、NGM_SHUTDOWN コントロールメッセージを受け取るか、すべての
     フックが切断されている時、シャットダウンします。

使用例
     最も簡単な可能な設定は、フロー収集が有効にされるところで一つのイーサネッ
     トインタフェースです。

           /usr/sbin/ngctl -f- <<-SEQ
                   mkpeer fxp0: netflow lower iface0
                   name fxp0:lower netflow
                   connect fxp0: netflow: upper out0
                   mkpeer netflow: ksocket export inet/dgram/udp
                   msg netflow:export connect inet/10.0.0.1:4444
           SEQ

     これは、2 の NetFlow が有効なされたインタフェース fxp0 と ng0 があるルー
     タのより複雑な例です。この例の ng0: ノードは、ng_tee(4) に接続されること
     に注意してください。後者は、パケットを解析して解放する、IP パケットのコ
     ピーを利用者に送信します。fxp0: に関して: 利用者は、tee を使用しません
     が、パケットをいずれかのノードに送り返します。

           /usr/sbin/ngctl -f- <<-SEQ
                   # ng0 の tee を iface0 フックに接続
                   mkpeer ng0:inet netflow right2left iface0
                   name ng0:inet.right2left netflow
                   # DLT を raw モードに設定
                   msg netflow: setdlt { iface=0 dlt=12 }
                   # インタフェースインデックスを設定 (この例の 5)
                   msg netflow: setifindex { iface=0 index=5 }

                   # fxp0: を iface1 と out1 フックに接続
                   connect fxp0: netflow: lower iface1
                   connect fxp0: netflow: upper out1

                   # export フックに ksocket ノード作成し、適切な宛先に
                   # export を送信するためにそれを設定します
                   mkpeer netflow: ksocket export inet/dgram/udp
                   msg netflow:export connect inet/10.0.0.1:4444
           SEQ

関連項目
     setfib(2), netgraph(4), ng_ether(4), ng_iface(4), ng_ksocket(4),
     ng_tee(4), flowctl(8), ngctl(8)

     B. Claise, Ed, Cisco Systems NetFlow Services Export Version 9, RFC 3954.

     http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/solutions_docs/netflow/nfwhite.html

作者
     ng_netflow ノードタイプは、Gleb Smirnoff <glebius@FreeBSD.org>, Alexander
     Motin <mav@FreeBSD.org>, Alexander Chernikov <melifaro@ipfw.ru> によって
     書かれました。初期のコードは、Roman V. Palagin <romanp@unshadow.net> に
     よって書かれた ng_ipacct に基づいていました。

バグ
     NGM_NETFLOW_SHOW コマンドで得られるキャッシュスナップは、厳しい負荷の下で
     エントリのいくらかの割合で欠けるかもしれません。

     ng_netflow ノードタイプは、AS 番号に入れられません。これは、カーネルルー
     ティングテーブルで必要な情報が不足しているためです。しかしながら、この情
     報は、GNU Zebra のようなルーティングデーモンからのカーネルに注入すること
     ができます。この機能は、今後のリリースで利用可能になるかもしれません。

FreeBSD 12.2                   December 10, 2012                  FreeBSD 12.2

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