FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.3-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.2-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
コマンド/キーワード:
日本語マニュアル RELEASE :
セクション:
Table of Contents
名称 | 解説 | サーバのセットアップ | クライアントのマウント | 関連ファイル | 関連項目 | バグ
NFSV4(4)           FreeBSD カーネルインタフェースマニュアル           NFSV4(4)

名称
     NFSv4 -- NFS Version 4 プロトコル

解説
     NFS クライアントとサーバは、NFSv4 仕様のサポートを行います。Network File
     System (NFS) Version 4 Protocol RFC 7530Network File System (NFS)
     Version 4 Minor Version 1 Protocol RFC 5661 を参照してください。プロトコ
     ルは、NFS バージョン 3 とほぼ同様ですが、実に多くの点で異なっています。そ
     れは操作を一緒に連結する単一の合成 (compound) RPC を使用します。これらの
     操作のそれぞれは、NFS バージョン 3 の RPC と同様です。複合物での操作は、
     それらの 1 つが失敗して (エラーを返し)、次に、RPC が、その時点で終了する
     まで、順番に実行されます。

     それには、サーバがもはやステートレスでないことを意味する、統合されたロッ
     クのサポートがあります。そのようなものとして、NFSv4 サーバは、リブートの
     後に (常にサーバが使用するリース (lease) 持続時間より大きい) グレース
     (grace) 期間の復旧モードのままとなります。このグレースの期間の間に、クラ
     イアントは、状態を復旧しますが、操作を変更する他の open/lock 状態を実行し
     ません。正しい復旧意味論に提供するために、stablerestart(5) によって記述さ
     れた小さなファイルは、復旧フェーズの間にサーバによって使用されます。この
     ファイルが不足しているか、または空であるなら、使用される nfsd(8) によって
     維持されるバックアップコピーがあります。いずれかのファイルが不足している
     なら、それらは、nfsd(8) によって作成されます。ファイルとバックアップコ
     ピーの両方が空であるなら、復旧のためのグレース期間を提供せずに、サーバが
     開始されることとなります。nfsd(8) が単に再開されているときではなく、サー
     バマシンがリブートされるときだけ、復旧が起こることに注意してください。

     NFS バージョン 3 に存在しない、いくつかのオプション機能を提供します:

           - NFS バージョン 4 ACL
           - 委託 (Referral)、他のサーバにサブツリーをリダイレクトする
             (未実装)
           - 委譲 (Delegation)、クライアントがファイルを局所的に操作することができる
           - pNFS, ここで、I/O 操作は、メタデータの操作から分離されます

     NFSv4 プロトコルは、別々のマウントプロトコルを使用せず、サーバが単一の
     ファイルシステムツリー構造を提供すると仮定し、1 つ以上で指定されたローカ
     ルファイルシステムツリーの点をルートとします。

           V4: <rootdir> [-sec=secflavors] [host(s) or net]

     exports(5) ファイルの (複数の) 行。(詳細については、exports(5) を参照して
     てください。) nfsd(8) によって、エクスポートされているサブツリーへのツ
     リーの縦断が可能となるように、ローカルファイルシステムのエクスポートされ
     ないサブツリーで操作の制限されたサブセットを実行することができます。その
     ようなものとして、エクスポートされていないファイルシステムで ``<root
     dir>'' となることができます。例外は、``<rootdir>'' 以下のすべての ZFS
     ファイルシステムがエクスポートされなければならないものとして、エクスポー
     トをチェックする、ZFS です。しかしながら、その時、ルートとされた全体のツ
     リーは、エクスポートされた NFS であるかもしれないタイプであるローカルファ
     イルシステムになければなりません。NFSv4 ファイルシステムは、``<rootdir>''
     をルートとするので、``/'' 以外の何かにこれを設定すると、NFS バージョン 2
     または 3 より NFSv4 のための異なったマウントパスを使用するために要求され
     ることとなります。NFS バージョン 2 と 3 と異なって、バージョン 4 によっ
     て、クライアントマウントは、複数のサーバファイルシステムの向こう側に橋渡
     しすることができますが、すべてのクライアントが、これを行うことができると
     いうわけではありません。

     NFSv4 は、数値の代わりにユーザとグループのための文字列を使用します。有線
     で、これらの文字列は、文字列の数値があるか、または次の形式取ることができ
     ます:

           <user>@<dns.domain>

     ここで、``<dns.domain>'' は、ホスト名の検索のために使用される DNS ドメイ
     ンと同じではありませんが、通常、同じ文字列に設定されます。ほとんどのシス
     テムは、この ``<dns.domain>'' をデフォルトでマシンの hostname(1) のドメイ
     ン名の部分に設定します。しかしながら、通常、名前<->数値マッピングを行うた
     めに使用されるデーモンのためのコマンドラインのオプションまたは設定ファイ
     ルによってこれを上書きすることができます。FreeBSD の下では、マッピング
     デーモンは、nfsuserd(8) と呼ばれ、マシンのホスト名のドメイン部分を上書き
     するコマンドラインのオプションがあります。クライアントまたはサーバのいず
     れかの NFSv4 で文字列のこの形式を使用のためには、このデーモンが、実行され
     ていなければなりません。

     数値が文字列にある形式は、AUTH_SYS のためだけに使用することができます。利
     用者のシステムをこの方法で設定するために、nfsuserd(8) デーモンは、サーバ
     で実行している必要はありませんが、次の sysctl は、サーバで 1 に設定される
     必要があります。

           vfs.nfs.enable_uidtostring
           vfs.nfsd.enable_stringtouid

     クライアントで、sysctl

           vfs.nfs.enable_uidtostring

     は、1 に設定されなければならず、nfsuserd(8) デーモンは、実行されている必
     要はありません。

     これらの文字列が正しく設定されていないなら、通常、``ls -l'' は、多くの
     ``nobody'' と ``nogroup'' 所有者を報告します。

     uid/gid 番号は、もはや上記の文字列のオプションを除いて、NFSv4 プロトコル
     で使用されませんが、それらは、デフォルトである AUTH_SYS (sec=sys) を使用
     するとき、まだ RPC 認証フィールドにあります。そのようなものとして、この場
     合、ユーザ/グループ名と数値の空間の両方がクライアントとサーバの間で一致し
     ていなければなりません。

     しかしながら、利用者が RPCSEC_GSS (sec=krb5, krb5i, krb5p) で NFSv4 を実
     行するなら、名前と KerberosV チケットだけが通知されます。

サーバのセットアップ
     NFSv4 をサポートする NFS サーバをセットアップするためには、次のように
     rc.conf(5) の変数を設定する必要があります:

           nfs_server_enable="YES"
           nfsv4_server_enable="YES"

     と

           nfsuserd_enable="YES"

     サーバがユーザ/グループ文字列の ``<user>@<domain>'' 形式を使用しているな
     ら、nfsuserd(8) のための ``-manage-gids'' オプションを使用します。

     また、利用者は、NFSv4 が動作するために、少なくとも 1 つの ``V4:'' 行を
     exports(5) ファイルに追加する必要があります。

     利用者がエクスポートしているファイルシステムが NFSv4 を通してアクセスされ
     ているだけなら、性能を向上させるかもしれない、利用者が変更することができ
     る 2、3 の sysctl(8) 変数があります。

     vfs.nfsd.issue_delegations
             0 以外に設定されるなら、サーバは、クライアント Open Delegation を
             発行することができます。これらの委譲 (delegation) は、クライアン
             トがクライアントでローカルにファイルを操作することを許可します。
             残念ながら、現時点では、委譲のクライアントの使用は、制限されるの
             で、性能向上は、観測されていません。NFSv4 クライアントにエクス
             ポートされるファイルシステムが、サーバでローカルにアクセスされて
             いないときだけ、これを有効にすることができます、そして、NFS バー
             ジョン 2 または 3 クライアントを通してアクセスされるなら、これら
             のクライアントは、NLM を使用することができません。

     vfs.nfsd.enable_locallocks
             ローカルなバイト範囲のロックの獲得を無効にするために、0 に設定す
             ることができます。エクスポートしているファイルシステムをローカル
             にアクセスしないか、または NLM がそれらで操作できない場合にだけ、
             ローカルなロックを無効にすることができます。

     Samba サーバのアクセスが上記の議論のための ``local access'' であると見な
     されるかもしれないことに注意してください。

     リンクされている NFSv4 をサポートする NFS サーバがあるカーネルを構築する
     には、次を

           options NFSD

     カーネルの config(5) ファイルに指定しなければなりません。

クライアントのマウント
     NFSv4 マウントを行うためには、mount_nfs(8) コマンドラインで ``nfsv4'' オ
     プションを指定します。これは、NFSv4 をサポートするクライアントの使用を強
     制して、``tcp'' と NFSv4 を設定します。

     nfsuserd(8) は、上記のように、name<->uid/gid マッピングが使用されているな
     ら、実行されなければなりません。また、NFSv4 のマウントは、サーバにクライ
     アントをユニークに識別するためにホスト uuid を使用するので、

           hostid_enable="NO"

     が rc.conf(5) で設定されるなら、安全に NFSv4 マウントを行うことができませ
     ん。

     NFSv4 サーバが委譲のサポートでマウントされているなら、利用者は、クライア
     ント側のコールバックを扱うために nfscbd(8) デーモンを開始することができま
     す。次が、

           nfsuserd_enable="YES"   <-- name<->uid/gid マッピングが
                                       使用されているなら.
           nfscbd_enable="YES"

     rc.conf(5) に設定されているなら、これは起こります。

     機能しているコールバックのパスなしで、サーバは、決してクライアントに委譲
     (Delegation) を発行しません。

     NFSv4.0 について、デフォルトで、コールバックアドレスは、カーネルと port#
     7745 で rtalloc() を通して獲得された IP アドレスに設定されます。デフォル
     トの port# を上書きするために、nfscbd(8) のためのコマンドラインオプション
     を使用することができます。

     NAT ゲートウェイの後ろで、動作するコールバックを取得するために、コール
     バックサービスのためのポートは、NAT ゲートウェイで設定される必要があり、
     次に NAT ゲートウェイのアドレス (ホスト IP と port#) は、sysctl(8) 変数
     vfs.nfs.callback_addr を次の形式の文字列に割り当てることによって設定され
     る必要があります:

     N.N.N.N.N.N

     ここで、最初の 4 つの N は、ホスト IP アドレスで、最後の 2 は、ネットワー
     クバイト順の port# (ポート番号) (範囲 0-255 ですべて 10 進数の #) です。

     NFSv4.1 について、(backchannel と呼び出される) コールバックのパスは、マウ
     ントとして同じ TCP 接続を使用するので、上記のどれも適用せず、あらゆる問題
     なしでゲートウェイを通して動作するべきです。

     リンクされた NFSv4 をサポートするクライアントがあるカーネルを構築するため
     には、次のオプション

           options NFSCL

     がカーネルの config(5) ファイルで指定されなければなりません。

     ``nfsuserd_flags'' と ``nfscbd_flags'' rc.conf(5) 変数を通してブート時に
     nfsuserd(8)nfscbd(8) デーモンのためにオプションを指定することができま
     す。

     同じホストのエクスポートされた (複数の) ボリュームに対する NFSv4 マウント
     は、ハングアップした NFS サーバの結果となるかもしれないので、推奨されませ
     ん。nfsd スレッドが新しい vnode を獲得する部分として NFSv4
     VOP_RECLAIM()/Close RPC を行おうことを試みるとき、それは、生じます。他の
     すべての nfsd スレッドが、この nfsd スレッドによって保持されたロックを
     待っていてブロックされるなら、Close RPC をサービスする nfsd スレッドは、
     ありません。

関連ファイル
     /var/db/nfs-stablerestart      NFS V4 の安定した再開ファイル
     /var/db/nfs-stablerestart.bak  ファイルのバックアップコピー

関連項目
     stablerestart(5), mountd(8), nfscbd(8), nfsd(8), nfsdumpstate(8),
     nfsrevoke(8), nfsuserd(8)

バグ
     現時点では、ローカルファイルシステム操作のための委譲 (delegation) のリ
     コールはありません。そのようなものとして、委譲は、NFS がボリュームをエク
     スポートするように、単に使用されているファイルシステムのためにだけ有効に
     されるべきであり、ローカルのシステムコールを通してアクセスされず、Samba
     のようなサービスでもありません。

FreeBSD 11.2                     July 19, 2017                    FreeBSD 11.2

Table of Contents

FreeBSD マニュアル検索