FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.3-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.2-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
コマンド/キーワード:
日本語マニュアル RELEASE :
セクション:
Table of Contents
名称 | 書式 | 解説 | コマンド行編集 | 関連ファイル | 互換性 | 関連項目 | 規格 | 歴史 | 作者 | バグ
BC(1)                   FreeBSD 一般コマンドマニュアル                   BC(1)

名称
     bc -- 任意精度の演算言語とカルキュレイタ (計算機)

書式
     bc [-chlv] [-e expression] [file ...]

解説
     bc は、C に似ている言語のための対話型プロセッサですが、制限のない精度演算
     を提供しています。コマンドラインと与えられたファイルから任意の式を入力し
     て、次に、標準入力を読み込みます。

     利用可能なオプションは、次の通りです:

     -c      bc は、dc(1) のためのプリプロセッサで、-c (コンパイルのみ) オプ
             ションが提示されないなら、実際に自動的に呼び出されます。この場
             合、実行している dc(1) プロセスによって解釈される代わりに、生成さ
             れる dc(1) の命令は、標準出力に送られます。

     -e expression, --expression expression
             expression を評価します。複数の -e オプションが指定されるなら、そ
             れらは、改行によって区切られたように、与えられた順序で処理されま
             す。

     -h, --help
             使用法の情報を印刷 (表示) します。

     -l, --mathlib
             任意精度の数学ライブラリの仕様を許可します。ライブラリ中の定義
             は、コマンドラインの式で利用可能です。

     -v, --version
             バージョン情報を印刷 (表示) します。

     bc プログラムのための構文は、次の通りです: `L' は、文字 a-z を意味しま
     す。`E' は、式を意味します。`S' は、文を意味します。移植性のない拡張とし
     て、単一の文字の名前に加えて長い名前を使用することができます。長い名前
     は、小文字で始まりいくつかの小文字と数字が続くシーケンスです。下線文字
     (`_') は、文字とみなされます。

     コメント
           は、/* と */ に囲まれます
           は、# と次の改行に囲まれます

     改行は、それ自体、移植性のない拡張である、行コメントの一部ではありませ
     ん。

     名前
           単純な変数: L
           配列の要素: L [ E ]
           単語 `ibase', `obase' と `scale'
           単語 `last' または単一のドット

     他のオペランド
           オプションの符号と小数点がある任意長の数
           ( E )
           sqrt ( E )
           length ( E )   有効桁数
           scale ( E )    小数点以下の桁数
           L ( E , ... , E )

     シーケンス `\<newline><whitespace>' は、数値内で無視されます。

     演算子

     次の演算と論理演算子を使用できます。演算子の意味は、C 言語と同じです。そ
     れらは、優先順序が減少する順序でリストされています。同じグループの演算子
     は、同じ優先順序があります。

           演算子                 結合規則         説明
           ++ --                  なし             インクリメント, デクリメン
                                                                                ト
           -                      なし             単項マイナス
           ^                      右               べき乗
           * / %                  左               乗算, 除算, 剰余
           + -                    左               プラス, マイナス
           = += -= *= /= %= ^=    右               代入
           == <= >= != < >        なし             関係演算子
           !                      なし             論理 not
           &&                     左               論理 and
           ||                     左               論理 or

     次の項目に注意してください:

           •   関係演算子は、すべての式に出現することができます。IEEE Std
               1003.1-2008 (``POSIX.1'') 規格は、`if', `while' または `for' 文
               の条件式でのみ許可されています。

           •   関係演算子は、代入演算子より低い優先順序があります。これは、式
               a = b < c がたぶんプログラマが意図したことでない、(a = b) < c
               として解釈されるという、結果をもたらします。

           •   C 言語と異なって、関係演算子は、すべて同じ優先順序であり、非結
               合です。式 a < b < c は、構文エラーとなります。

           •   論理演算子 (!, && and ||) は、移植性のない拡張です。

           •   論理 not (!) 演算子は、C 言語の同じ演算子よりはるかに低い優先順
               序となります。これは、式 !a < b!(a < b) として解釈されると
               いう、結果をもたらします。慎重なプログラマは、論理演算子を含む
               式を書くとき、括弧を使用します。

     文
           E
           { S ; ... ; S }
           if ( E ) S
           if ( E ) S else S
           while ( E ) S
           for ( E ; E ; E ) S
           null 文
           break
           continue
           quit
           二重引用符で囲まれた文字列
           print E ,..., E

     文字列は、二重引用符を除いて、どんな文字でも含むことができます。else 分岐
     があるif 文は、移植性がない拡張です。for 文の 3 つの E のすべてが、空で
     あってもかまいません。これは、移植性がない拡張です。continue と print 文
     も、移植性がない拡張です。

     print 文は、コンマで区切られた式のリストを取ります。リスト中の各式は、評
     価され、計算された値は、印刷され、変数 `last' に代入します。後続する改行
     は、印刷されません。また、式は、二重引用符で囲まれた文字列でも使用できま
     す。これらの文字列の中では、次のエスケープシーケンスが、使用されます: ベ
     ルのための (警報) `\a'、バックスペースのための `\b'、フォームフィードのた
     めの `\f'、改行のための `\n'、キャリッジリターンのための `\r'、タブのため
     の `\t'、二重引用符のための `\q'、バックスラッシュのための `\\' です。
     バックスラッシュに続くその他の文字は、無視されます。文字列は、`last' に代
     入されません。

     関数定義

           define L ( L ,..., L ) {
                auto L, ... , L
                S; ... S
                return ( E )
           }

     移植性のない拡張として、define 文の左中括弧は、次の行に現れてもかまいませ
     ん。また、return 文は、次の形式で出現できます:

           return
           return ()
           return E

     最初の 2 は、文 ``return 0'' と同等です。最後の形式は、移植性のない拡張で
     す。return 文を指定しないことは、``return (0)'' と書くのと同等です。

     コマンドラインに -l フラグを指定することによってロードされる、数学ライブ
     ラリで利用可能な関数は、次の通りです。

           s(x)    サイン
           c(x)    コサイン
           e(x)    指数関数
           l(x)    自然対数
           a(x)    逆正接関数
           j(n,x)  Bessel function ベッセル関数

     すべての関数の引数は、値渡し (pass by value) です。

     式である文の値は、主な演算子が代入でないなら、印刷されます。印刷された値
     は、特別の変数 `last' に代入されます。これは、移植性のない拡張です。単一
     のドットは、`last' と同義語として使用されます。セミコロンまたは改行のいず
     れも、文を切り離します。scale への代入は、dc(1) の方法で算術演算に保持さ
     れるけた数に影響を与えます。ibase または obase への代入は、それぞれ入力と
     出力の数値の基数を設定します。

     同じ文字は、同時に、配列、関数と単純変数として使用されます。すべての変数
     は、プログラムにグローバルです。`auto' 変数は、関数呼び出しの間にプッシュ
     ダウンされ (押し下げられ) ます。関数引数として配列を使用するか、またはそ
     れらを自動的変数と定義するとき、空の角括弧は、配列名に続かなければなりま
     せん。

     例えば

           scale = 20
           define e(x){
                   auto a, b, c, i, s
                   a = 1
                   b = 1
                   s = 1
                   for(i=1; 1==1; i++){
                           a = a*x
                           b = b*i
                           c = a/b
                           if(c == 0) return(s)
                           s = s+c
                   }
           }

     は、指数関数の近似値を計算するための関数を定義し、

           for(i=1; i<=10; i++) e(i)

     は、最初の 10 の整数の指数関数の近似値を印刷します。

           $ bc -l -e 'scale = 500; 2 * a(2^10000)' -e quit

     は、円周率 (pi) の近似値を印刷します。

コマンド行編集
     bc は、editline(3) ライブラリによって対話型のコマンド行編集をサポートして
     います。それは、入力が tty であるなら、デフォルトで有効にされます。前の行
     は、矢印キーで再入力して編集することができ、他の GNU Emacs スタイルの編集
     キーも同様に使用できます。

     editline(3) ライブラリは、.editrc ファイルで設定されます - 詳細について
     は、editrc(5) を参照してください。

関連ファイル
     /usr/share/misc/bc.library  数学ライブラリは、-l オプションがコマンドライ
                                 ンに指定されるとき、読み込まれます。

互換性
     -q--quiet オプションは、bc の他のいくつかの実装との互換性のために no
     ops (無操作) で、それらの使用は、推奨されません。

関連項目
     dc(1)

規格
     bc ユーティリティは、IEEE Std 1003.1-2008 (``POSIX.1'') 仕様に準拠してい
     ます。

     フラグ [-ce] は、上記の注記された部分と同様に、その仕様の拡張です。

歴史
     bc コマンドは、Version 6 AT&T UNIX ではじめて登場しました。bc コマンドの
     完全な書き直しは、OpenBSD 3.5 ではじめて登場しました。

作者
     bc コマンドのオリジナルのバージョンは、Robert Morris と Lorinda Cherry に
     よって書かれました。bc ユーティリティの現在のバージョンは、Otto Moerbeek
     によって書かれました。

バグ
     `quit' 文は、実行時ではなく、読み込まれるとき、解釈されます。

     bc ユーティリティの GNU バージョンにある、いくつかの移植性のない拡張は、
     (まだ) 実装されていません。

FreeBSD 11.2                   November 21, 2015                  FreeBSD 11.2

Table of Contents

FreeBSD マニュアル検索