FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.3-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.2-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
コマンド/キーワード:
日本語マニュアル RELEASE :
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名称 | 書式 | 解説 | 環境変数 | NIS との相互作用 | 関連ファイル | 関連項目 | 歴史 | バグ
CHPASS(1)               FreeBSD 一般コマンドマニュアル               CHPASS(1)

名称
     chpass, chfn, chsh, ypchpass, ypchfn, ypchsh -- ユーザデータベース内の情
     報を編集する

書式
     chpass [-a list] [-p encpass] [-e expiretime] [-s newshell] [user]
     chpass [-oly] [-a list] [-p encpass] [-e expiretime] [-s newshell]
            [-d domain] [-h host] [user]

解説
     chpass ユーティリティは、user もしくはデフォルトでは、実行したユーザの
     ユーザデータベースの情報を変更します。

     chfn, chsh, ypchpass, ypchfn, ypchsh ユーティリティは、chpass と同じよう
     に動作します (プログラムはひとつだけなのです)。

     情報は、フォーマットされ、必要な部分をエディタで変更します。

     ユーザが変更することができる情報だけが表示されます。

     オプションとしては、次のものがあります:

     -a      スーパユーザは、ユーザデータベースのエントリを passwd(5) で定義さ
             れたフォーマットで引数として直接指定できます。この引数は、コロン
             (``:'') で区切られたリストであり、空きの部分があっても許されます
             が、すべてのフィールドをリストにしなければなりません。

     -p      スーパユーザは、暗号化されたパスワードフィールドを crypt(3) で用
             いられているフォーマットで引数として直接指定することができます。

     -e expiretime
             アカウントが無効となる時を変更します。対話エディタからのようにス
             クリプトから、無効となる時を変更するために、本オプションを使用し
             ます。

     -s newshell
             ユーザのシェルを newshell に変更しようとします。

     表示されるエントリには、以下のものがあります:

           Login:              ユーザのログイン名
           Password:           ユーザの暗号化されたパスワード
           Uid:                ユーザの ID
           Gid:                ユーザのグループ ID
           Class:              ユーザの一般的な分類
           Change:             パスワードの変更時間
           Expire:             アカウントの有効期限
           Full Name:          ユーザの実際の名前
           Office Location:    ユーザのオフィスの場所 (1)
           Office Phone:       ユーザのオフィスの電話番号 (1)
           Home Phone:         ユーザの自宅の電話番号 (1)
           Other Information:  ユーザに関するローカル定義情報 (1)
           Home Directory:     ユーザのホームディレクトリ
           Shell:              ユーザのログインシェル

           注 (1) -            実際の master.passwd ファイルでは、これらの
                               フィールドは、コンマで区切られたフィールドとし
                               て FullName フィールドに埋め込まれます。

     login フィールドは、計算機にアクセスするときに使われるユーザ名です。

     password フィールドは、ユーザの暗号化されたパスワードが収められています。

     uid フィールドは、login フィールドと関連した番号です。ファイルのアクセス
     を制御するために、どちらのフィールドもシステム (しばしば、複数のシステム)
     の中で一意である必要があります。

     複数のエントリが同一のログイン名や同一のユーザ ID を持つことは可能です
     が、そのようにすることは通常誤りです。これらのファイルを操作する手順で
     は、それらの複数のエントリ内から無作為に選んだものの一つだけを返すでしょ
     う。

     gid フィールドは、ユーザがログイン時に所属するグループです。BSD が複数の
     グループを採用してから (groups(1) 参照) このフィールドは、ほとんど意味が
     ありません。このフィールドは、番号やグループ名 (group(5) 参照) のどちらか
     が記述されます。

     class フィールドは、/etc/login.conf のクラスに関する記述を参照します。典
     型的には、ユーザのログイン時に、ユーザのシステムリソースを制限するために
     使用されます。

     change フィールドは、パスワードが変更されているべき日付です。

     expire フィールドは、アカウントの満了する日付です。

     changeexpire の両方のフィールドは、``month day year'' の形式で入力
     し、month は、英語の月の名前 (はじめの 3 文字でも十分です) で、day は、そ
     の月の中の日で、year は、その年です。

     5 つのフィールドは、ユーザの実際の名前, オフィスの場所, 職場と家で使う電
     話番号、そしてその他の情報を保管しています。その他の情報は、コンマで区
     切った単一文字列であり、追加の gecos フィールドを表現します (典型的には、
     サイト固有のユーザ情報のために使用します)。finger(1) が、Office: という
     ヘッダの下にオフィスの場所と電話番号をともに表示することに注意してくださ
     い。

     ユーザの home directory は、ユーザがログイン時にいる場所への絶対 UNIX パ
     ス名です。

     shell フィールドは、ユーザの好むコマンドインタプリタです。もし shell
     フィールドが空であれば、Bourne シェル /bin/sh であると仮定します。ログイ
     ンシェルを変更するときに、スーパユーザではないユーザは、非標準シェルか
     ら、または非標準シェルへの変更は、許されていません。非標準シェルとは、
     /etc/shells で見つけられないシェルのことです。

     一度情報が確認されたら chpass は、ユーザデータベースを更新するために
     pwd_mkdb(8) を用います。

環境変数
     環境変数 EDITOR を設定して他のエディタを指定している場合を除き、vi(1) エ
     ディタが使われます。エディタが終了すると、その情報は、再度読み込まれ、
     ユーザデータベースを変更するための情報とします。ユーザの情報を変更できる
     のは、そのユーザかスーパユーザのみです。

     PW_SCAN_BIG_IDS 環境変数の設定のインパクトについては、pwd_mkdb(8) の説明
     を参照してください。

NIS との相互作用
     いくつかの制限が適用されますが、chpass ユーティリティを NIS と同時に使う
     こともできます。現在 chpassrpc.yppasswdd(8) を通じて NIS のパスワード
     マップ中で変更できるのは、通常は、ユーザのパスワード、シェル、GECOS
     フィールドだけです。NIS マスタサーバ上でスーパユーザによって起動された場
     合を除き、chpass (同様に passwd(1)) は、ユーザ情報の変更および新レコード
     の追加のために rpc.yppasswdd(8) サーバを使用出来ません。なお、
     rpc.yppasswdd(8) は、どのような変更を行う前にもパスワード認証を要求しま
     す。パスワード無しで変更要求できるユーザは、NIS マスタサーバ上のスーパ
     ユーザだけです; 他の全てのユーザは、パスワードを入力する必要があります。
     他の全てのユーザには、NIS クライアント (および NIS スレーブサーバ) 上の
     root 権限を持つユーザも含まれます。(NIS マスタサーバ上のスーパユーザがこ
     の制約をバイパスできる理由は、主に簡便さのためです: NIS マスタサーバへの
     root アクセス権限をもつユーザは、既に NIS マップを更新するための権限を
     持っています。それにもかかわらずマップソースファイルを手で編集することは
     面倒です。

     注: これらの例外が適用されるのは、NIS マスタサーバが FreeBSD システムの時
     だけです。)

     その結果として、上述の例外を除き、NIS 環境で chpass を使う場合には、以下
     の制限が適用されます:

           1.   シェルと GECOS 情報だけを変更できます。たとえ chpass がスーパ
                ユーザによって起動された場合であってもです。他のフィールドの変
                更がサポートされるようになっても、他の NIS システムとの互換性
                の問題を引き起こすでしょう。スーパユーザがあるエントリを編集し
                ている時に、他のフィールドにデータを書いても、余分な情報として
                (パスワードは、例外 -- 以下を参照してください) だまって廃棄さ
                れるでしょう。

                例外: NIS マスタサーバ上のスーパユーザは、任意のフィールドの変
                更が許されています。

           2.   パスワード認証が要求されます。どのような変更を行う前にも
                chpass ユーティリティは、ユーザの NIS パスワードを要求します。
                もしパスワードが間違っていたら、どのような変更も行われません。

                例外: NIS マスタサーバ上のスーパユーザは、パスワード無しに変更
                要求できます (スーパユーザは、後述するように -o フラグを指定す
                る事によりこの仕様を無効にする事が選択できます)。

           3.   新しいレコードのローカルパスワードデータベースへの追加は、勧め
                られません。NIS が動作しているときに、管理者が chpass ユーティ
                リティによって新しいレコードをローカルのパスワードデータベース
                に追加可能です。しかし、新しいレコードがマスタパスワードファイ
                ルの最後、通常は、NIS の特別な '+' エントリの後に追加されるた
                め、いくつかの混乱を招きかねません。vipw(8) を使ってローカルの
                パスワードファイルを変更するべきです。

                NIS マスタサーバ上のスーパユーザによる NIS パスワードマップへ
                の新レコードの追加が許可されるのは、rpc.yppasswdd(8) サーバが
                -a フラグ付で起動された場合、すなわち追加を許可して起動された
                場合のみです (通常は、追加を拒否します)。chpass ユーティリティ
                は、デフォルトでは、ローカルのパスワードデータベースを更新しよ
                うとします; NIS マップを変更する場合には、chpass を -y フラグ
                付で起動してください。

           4.   パスワードの変更は許可されていません。ユーザが、自分の NIS の
                パスワードを変更するときには、passwd(1)yppasswd(1) を使う
                べきです。スーパユーザは、新しいパスワードを指定することを許さ
                れています (たとえ、``Password:'' フィールドがエディタのテンプ
                レートにあらわれていなくても、スーパユーザは、手動で加えること
                ができます)。しかしながら、スーパユーザであってもユーザの元の
                パスワードがなければ rpc.yppasswdd(8) が NIS マップの更新を拒
                否するでしょう。

                例外: NIS マスタサーバ上のスーパユーザは、chpass を使用して、
                ユーザの NIS パスワードを変更する事が許されています。

     chpass が NIS をサポートしてコンパイルされたときに、数個の特別なフラグが
     有効になります:

     -l      ローカルと NIS の両方のデータベースにユーザが存在していても、ユー
             ザのパスワード情報のローカルのコピーを修正することを chpass に強
             制します。

     -y      -l と反対の効果があります。もし NIS が動作していれば、デフォルト
             では、chpass は、NIS のエントリを操作するので、このフラグは、まっ
             たく冗長です。

     -d domain
             NIS ドメインを指定します。chpass ユーティリティは、デフォルトで
             は、システムのドメイン名を使用します。これは、domainname(1) ユー
             ティリティにて設定されています。-d オプションは、このデフォルトを
             上書きするため、もしくはドメイン名が設定されていない場合にドメイ
             ン名を指定するために使用できます。

     -h host
             問い合わせるべき NIS サーバの名前もしくはアドレスを指定します。通
             常 chpass は、master.passwd もしくは passwd マップにて指定される
             NIS マスタホストと通信します。NIS クライアントとして構成されてい
             ないホスト上では、この情報を決定するための方法がプログラムにはあ
             りませんので、ユーザがサーバのホスト名を指定します。指定するホス
             ト名は、NIS マスタサーバである必要が無い事に注意してください; NIS
             ドメイン内のマスタサーバ名でもスレーブサーバ名でも良いのです。

             -d オプション使用時には、ホスト名のデフォルトは、``localhost'' で
             す。-h オプションを -d とともに使用し、ユーザが指定するホスト名で
             このデフォルトを上書きできます。

     -o      rpc.yppasswdd(8) に RPC ベースの更新を強制します (``旧モード'')。
             NIS マスタサーバ上でスーパユーザにより起動された場合、chpass は、
             専用の非 RPC ベースの機構を使用し、NIS パスワードマップに対する無
             制限の変更を許可します (この場合 UNIX ドメインソケットを使用しま
             す)。-o フラグを使用する事により chpass に標準の更新メカニズムを
             使用させる事が出来ます。このオプションは、主にテスト目的のために
             提供されています。

関連ファイル
     /etc/master.passwd  ユーザデータベース
     /etc/passwd         Version 7 フォーマットのパスワードファイル
     /etc/chpass.XXXXXX  パスワードファイルのテンポラリ用コピー
     /etc/shells         利用できるシェルのリスト

関連項目
     finger(1), login(1), passwd(1), getusershell(3), login.conf(5),
     passwd(5), pw(8), pwd_mkdb(8), vipw(8)

     Robert Morris and Ken Thompson, UNIX Password security.

歴史
     chpass ユーティリティは、4.3BSD-Reno で登場しました。

バグ
     ユーザ情報の保存は、どこか他の場所にするべきです (し、いつかはそうなるで
     しょう)。

FreeBSD 11.2                   December 30, 1993                  FreeBSD 11.2

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