日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。
4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.3-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.2-RELEASE-K は、全翻訳済み)
13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。
Table of Contents
RCTL(8) FreeBSD システム管理者マニュアル RCTL(8)
名称
rctl -- リソース制限データベースを表示する、更新する
書式
rctl [-h] [-n] [filter ...]
rctl -a rule ...
rctl -l [-h] [-n] filter ...
rctl -r filter ...
rctl -u [-h] filter ...
解説
オプションなしで呼び出されるとき、rctl コマンドは、現在定義された RCTL 規
則を標準出力に書き込みます。
filter 引数が指定されるなら、フィルタに一致している規則だけが表示されま
す。オプションは、次の通りです:
-a rule
RCTL データベースに rule を追加します。
-l filter
filter によって定義されたプロセスに適切な規則を表示します。単にプ
ロセスのそれと等しい主題がある規則のみならず、あらゆるオプション
なしで呼び出されたとき、これは、規則を示すこととは異なりますが、
プロセスに適用可能なユーザ、jail とログインクラスのための規則であ
ることに注意してください。
-r filter
RCTL データベースから filter に一致する規則を削除します。
-u filter
filter に一致する主題 (プロセス, ユーザ, ログインクラスまたは
jail) に対してリソースの利用率を表示します。
-h "人間に読み込み可能な" 出力。単位の接尾辞を使用します: バイト、キ
ロバイト、メガバイト、ギガバイト、テラバイトとペタバイト。
-n ユーザ ID をユーザ名に変換するのではなく数値のユーザ ID を表示し
ます。
規則を修正することは、規則と一致するすべての現在実行しているものと将来の
プロセスに影響します。
規則構文
規則のための構文は、subject:subject-id:resource:action=amount/per です。
subject 規則が適用される実体の種類を定義します。プロセス, ユー
ザ, ログインクラスまたは jail のいずれかを指定すること
ができます。
subject-id 主題を識別します。プロセス ID、ユーザ名、数字のユーザ
ID、login.conf(5) のログインクラス名、または jail 名を
指定することができます。
resource 規則が制御するリソースを識別します。詳細については、下
記の「リソース」セクションを参照してください。
action プロセスが許容量を超えているとき、何が起こるかを定義し
ます。詳細については、下記の「アクション」セクションを
参照してください。
amount 定義されたアクションがトリガされる前に、リソースをプロ
セスがどのくらい使用できるかを定義します。バイトを制限
するリソースは、expand_number(3) の接頭辞を使用します。
per 占めている amount がどのような実体を取得するかを定義し
ます。例えば、規則 "loginclass:users:vmemo
ryuse:deny=100M/process" は、ログインクラス "users" に
属するあらゆるユーザの各プロセスが最大 100MB の仮想メモ
リを割り付けることを意味します。規則 "login
class:users:vmemoryuse:deny=100M/user" は、ログインクラ
ス "users" に属するユーザごとに、そのユーザのすべてのプ
ロセスによって割り付けられた仮想メモリの合計が 100MB を
超えないことを意味します。規則 "loginclass:users:vmemo
ryuse:deny=100M/loginclass" は、そのログインクラスに属
するすべてのユーザのすべてのプロセスによって割り付けら
れた仮想メモリの合計が 100MB を超えないことを意味しま
す。
有効な規則には、主題の値をフォルトとする per を除いて、すべての指定された
それらのフィールドがあります。
フィルタは、per 以外のより多くのフィールドの 1 つが空のままにされる規則で
す。例えば、あらゆる規則に一致するフィルタは、":::=/" または短く ":" とし
て書くことができました。すべてのログインクラスに一致するフィルタは、
"loginclass:" となります。maxproc リソースのための定義された規則にすべて
一致するフィルタは、"::maxproc" となります。
主題
process 数字のプロセス ID
user ユーザ名または数字のユーザ ID
loginclass login.conf(5) のログインクラス
jail jail 名
リソース
cputime CPU 時間, 秒単位
datasize データサイズ, バイト単位
stacksize スタックサイズ, バイト単位
coredumpsize コアダンプサイズ, バイト単位
memoryuse 常駐設定サイズ, バイト単位
memorylocked ロックされたメモリ, バイト単位
maxproc プロセスの数
openfiles ファイル記述子テーブルサイズ
vmemoryuse アドレス空間の制限, バイト単位
pseudoterminals PTY の数"
swapuse 予約されるか, または使用されるスワップ空間, バイト
単位
nthr スレッドの数
msgqqueued キューに入れられた SysV メッセージの数
msgqsize SysV メッセージキューのサイズ, バイト単位
nmsgq SysV メッセージキューの数
nsem SysV セマフォの数
nsemop 単一の semop(2) 呼び出しで変更された SysV セマフォ
の数
nshm SysV 共有メモリセグメントの数
shmsize SysV 共有メモリサイズ, バイト単位
wallclock wallclock 時間, 秒単位
pcpu %CPU, 単一 CPU コアの割合の単位 (%)
readbps ファイルシステムの読み込み, 秒ごとのバイト数
writebps ファイルシステムの書き込み, 秒ごとのバイト数
readiops ファイルシステムの読み込み, 秒ごとの操作数
writeiops ファイルシステムの書き込み, 秒ごとの操作数
アクション
deny 割り付けを拒絶します; cputime, wallclock, readbps,
writebps, readiops と writeiops に対してサポートさ
れません
log 警告をコンソールにログ記録します
devctl system = "RCTL", subsystem = "rule", type =
"matched" を使用する devd(8) に通知を送信します
sig* 例えば, sigterm; 原因となるプロセスにシグナルを送信
します. サポートされるシグナルのリストについては,
signal(3) を参照してください
throttle プロセス実行の速度を落す; readbps, writebps,
readiops と writeiops に対してのみサポートされま
す。
すべてのアクションは、すべてのリソースに対してサポートされるというわけで
はありません。すべてのアクションがすべてのリソースをサポートするとは限り
ません。与えられたリソースによってサポートされないアクションがある規則を
追加する試みは、エラーの結果となります。
終了ステータス
ユーティリティ rctl は、成功すると 0 で、エラーがあった場合は >0 で終了し
ます。
使用例
ユーザ "joe" に対して仮想メモリの 1GB 以上の割り付けを抑制します:
rctl -a user:joe:vmemoryuse:deny=1g
すべての RCTL 規則を削除します:
rctl -r :
"www" と名前が付けられた jail のためのリソースの利用率の情報を表示します:
rctl -hu jail:www
PID 512 のプロセスに適用できるすべての規則を表示します:
rctl -l process:512
規則をすべて表示します:
rctl
ユーザ"joe" と一致するすべての規則を表示します:
rctl user:joe
ログインクラスと一致するすべての規則を表示します:
rctl loginclass:
関連項目
cpuset(1), rctl(4), rctl.conf(5)
歴史
rctl コマンドは、FreeBSD 9.0 で登場しました。
作者
rctl は、FreeBSD 財団の資金提供の下で Edward Tomasz Napierala
<trasz@FreeBSD.org> によって開発されました。
バグ
memoryuse の制限は、スラッシングのためにマシンを kill するかもしれませ
ん。
readiops と writeiops カウンタは、近似値のみです。readbps と writebps の
ように、それらは、難しいか、または実際のディスクデバイス操作を観察するこ
とが不可能である、ファイルシステムレイヤで計算されます。
writebps と writeiops リソースは、一般的に、実際のデバイスではなく、ファ
イルシステムのキャッシュへの書き込みから成ります。
FreeBSD 12.2 February 26, 2018 FreeBSD 12.2