FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.3-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.2-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
コマンド/キーワード:
日本語マニュアル RELEASE :
セクション:
Table of Contents
名称 | 書式 | 解説 | 関連ファイル | 終了ステータス | 使用例 | 関連項目 | 歴史 | 作者
HASTD(8)               FreeBSD システム管理者マニュアル               HASTD(8)

名称
     hastd -- 高度に利用可能な記憶域 (Highly Available Storage) デーモン

書式
     hastd [-dFh] [-c config] [-P pidfile]

解説
     hastd デーモンは、高度に利用可能な GEOM プロバイダを管理するために責任が
     あります。

     hastd は、TCP/IP ネットワーク上に接続された 2 台の物理的に切り離されたマ
     シンでデータの透過的な記憶域を許可します。1 台のマシン (クラスタノード)
     だけが積極的に hastd によって提供された記憶域を使用することができます。こ
     のマシンは、プライマリと呼ばれます。hastd デーモンは、ファイルシステムと
     アプリケーションのために透過的にする、ブロックレベルで動作します。

     与えられたリソースのためのロールがプライマリに変更されるとすぐに、または
     与えられたリソースのためのロールがセカンダリに変更され、リモート (プライ
     マリ) ノードが、その接続に成功するとすぐに、新しいワーカ (worker) プロセ
     スを始める、1 つのメイン hastd デーモンがあります。すべてのワーカプロセス
     は、それが制御するロールとリソースを記述する、新しいプロセスタイトル
     (setproctitle(3) 参照) を取得します。正確な形式は、次の通りです:

           hastd: <resource name> (<role>)

     hastd が、与えられたリソースのためのプライマリロールで動作するとき (かつ
     そのときに限り)、対応する /dev/hast/<name> ディスク同様のデバイス (GEOM
     プロバイダ) は、作成されます。ファイルシステムとアプリケーションは、I/O
     要求を送信するためにこのプロバイダを使用することができます。あらゆる書き
     込み、削除とフラッシュ操作 (BIO_WRITE, BIO_DELETE, BIO_FLUSH) は、ローカ
     ルのコンポーネントに送信され、それが利用可能であるなら、リモート (セカン
     ダリ) ノードに複製されます。読み込み操作 (BIO_READ) は、I/O エラーが起こ
     らないか、またはデータのローカルのバージョンが、まだ最新ではない (同期
     は、進行中) なら、ローカルに処理されます。

     hastd デーモンは、カーネル内の GEOM インフラストラクチャから I/O 要求を受
     信するために GEOM Gate クラスを使用します。geom_gate.ko モジュールは、
     カーネルが次のオプションでコンパイルされなかったなら、自動的にロードされ
     ます:

           options GEOM_GATE

     2 つの hastd デーモンの間の接続は、常にプライマリとして実行しているものか
     ら、セカンダリとして実行しているものへ起動されます。プライマリ hastd が接
     続できないか、または接続が失敗するとき、数秒毎に接続を再確立しようと試み
     ます。いったん接続が確立されると、プライマリ hastd は、接続停止の間にセカ
     ンダリ hastd に変更されたあらゆる範囲 (extent) を同期させます。

     ノードの間の接続停止の場合に、与えられたリソースのための hastd のプライマ
     リロールが両方のノードで設定されることは可能です。これは、順番に互換性の
     ないデータの変更の原因となります。そのような状態は、分離脳 (split-brain)
     と呼ばれ、これがたぶんデータの破損を導くか、重要な変更の損失として hastd
     デーモンによって自動的に解決することができません。hastd 自体によって修正
     できませんが、それは検出され、独自に変更されたノードの間の更なる接続は、
     可能となりません。いったん、この状況が管理者によって手動で解決されると、
     リモートノードの接続が再び可能とする、ノードの 1 つのリソースを初期化する
     (ローカルデータを消す) ことがきます。新たに初期化されるコンポーネントの接
     続は、完全なリソースの同期化の引き金となります。

     hastd デーモンは、決してそのロールを自動的に選択 (pick) しません。ロール
     は、プライマリの失敗の場合に、確実にロール分離を管理し、セコンダリロール
     をプライマリロールに切り替える、ucarp または heartbeat のような付加ソフト
     ウェアによって hastctl(8) 制御ユーティリティで設定されなければなりませ
     ん。

     次のコマンドライン引数で hastd デーモンを開始することができます:

     -c config   設定ファイルの代替の位置を指定します。デフォルト位置は、
                 /etc/hast.conf です。

     -d          デバッグ情報を印刷するか、またはログ記録します。冗長レベルを
                 上げるために複数回、このオプションを指定することができます。

     -F          フォアグランドで hastd デーモンを開始します。デフォルトで、
                 hastd は、バックグラウンドで開始します。

     -h          hastd の使用法のメッセージを印刷します。

     -P pidfile  メインプロセスの PID が格納されるファイルの代替の位置を指定し
                 ます。デフォルト位置は、/var/run/hastd.pid です。

関連ファイル
     /etc/hast.conf      hastdhastctl(8) のための設定ファイル。
     /var/run/hastctl    hastd と通信するための hastctl(8) 制御ユーティリティ
                         によって使用されるソケットを制御します。
     /var/run/hastd.pid  hastd PID ファイルのデフォルト位置。

終了ステータス
     終了ステータスは、成功すれば、0、失敗すれば、sysexits(3) で説明された値の
     1 つです。

使用例
     両方のノードで hastd を開始します。nodeA でプライマリに、nodeB でセカンダ
     リにリソース shared のためのロールを設定します。/dev/hast/shared プロバイ
     ダでファイルシステムを作成して、それにマウントします。

           nodeB# hastd
           nodeB# hastctl role secondary shared

           nodeA# hastd
           nodeA# hastctl role primary shared
           nodeA# newfs -U /dev/hast/shared
           nodeA# mount -o noatime /dev/hast/shared /shared

関連項目
     sysexits(3), geom(4), hast.conf(5), ggatec(8), ggated(8), ggatel(8),
     hastctl(8), mount(8), newfs(8), g_bio(9)

歴史
     hastd ユーティリティは、FreeBSD 8.1 で登場しました。

作者
     hastd は、FreeBSD 財団の資金提供の下で Pawel Jakub Dawidek
     <pjd@FreeBSD.org> によって開発されました。

FreeBSD 12.2                   December 21, 2019                  FreeBSD 12.2

Table of Contents

FreeBSD マニュアル検索