日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。
4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.4-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.3-RELEASE-K, 14.0-RELEASE-K から 14.1-RELEASE-K は、全翻訳済み)
13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。
Table of Contents
MPR(4) FreeBSD カーネルインタフェースマニュアル MPR(4)
名称
mpr -- LSI Fusion-MPT 3/3.5 IT/IR 12Gb/s シリアルアタッチされる SCSI/SATA
ドライバ
書式
このドライバをカーネルにコンパイルするためには、これらの行をカーネル設定
ファイルに置きます:
device pci
device scbus
device mpr
この行を loader.conf(5) に置くことによって、ブート時にモジュールとしてド
ライバをロードすることができます:
mpr_load="YES"
解説
mpr ドライバは、Broadcom Ltd./Avago Tech (LSI) Fusion-MPT 3/3.5 IT/IR
SAS/PCIe コントローラのサポートを行います。
ハードウェア
これらのコントローラは、mpr ドライバによってサポートされます:
• Broadcom Ltd./Avago Tech (LSI) SAS 3004 (4 Port SAS)
• Broadcom Ltd./Avago Tech (LSI) SAS 3008 (8 Port SAS)
• Broadcom Ltd./Avago Tech (LSI) SAS 3108 (8 Port SAS)
• Broadcom Ltd./Avago Tech (LSI) SAS 3216 (16 Port SAS)
• Broadcom Ltd./Avago Tech (LSI) SAS 3224 (24 Port SAS)
• Broadcom Ltd./Avago Tech (LSI) SAS 3316 (16 Port SAS)
• Broadcom Ltd./Avago Tech (LSI) SAS 3324 (24 Port SAS)
• Broadcom Ltd./Avago Tech (LSI) SAS 3408 (8 Port SAS/PCIe)
• Broadcom Ltd./Avago Tech (LSI) SAS 3416 (16 Port SAS/PCIe)
• Broadcom Ltd./Avago Tech (LSI) SAS 3508 (8 Port SAS/PCIe)
• Broadcom Ltd./Avago Tech (LSI) SAS 3516 (16 Port SAS/PCIe)
• Broadcom Ltd./Avago Tech (LSI) SAS 3616 (16 Port SAS/PCIe)
• Broadcom Ltd./Avago Tech (LSI) SAS 3708 (8 Port SAS/PCIe)
• Broadcom Ltd./Avago Tech (LSI) SAS 3716 (16 Port SAS/PCIe)
• Broadcom Ltd./Avago Tech (LSI) SAS 3816 (16 Port SAS/PCIe)
• Broadcom Ltd./Avago Tech (LSI) SAS 3916 (16 Port SAS/PCIe)
設定
下記のすべての調整変数の説明において、X は、アダプタ数を表しています。
すべての mpr ドライバのインスタンスのための MSI 割り込みを無効にするため
に、loader.conf(5) のこの調整変数を設定します:
hw.mpr.disable_msi=1
特定の mpr ドライバのインスタンスのための MSI 割り込みを無効にするため
に、loader.conf(5) のこの調整変数値を設定します:
dev.mpr.X.disable_msi=1
すべての mpr ドライバのインスタンスのための MSI-X 割り込みを無効にするた
めに、loader.conf(5) のこの調整変数値を設定します:
hw.mpr.disable_msix=1
特定の mpr ドライバのインスタンスのための MSI-X 割り込みを無効にするため
に、loader.conf(5) のこの調整変数値を設定します:
dev.mpr.X.disable_msix=1
すべてのアダプタのために割り付けられた DMA チェーンの最大数を設定するため
には、loader.conf(5) のこの調整変数を設定します:
hw.mpr.max_chains=NNNN
特定のアダプタのために割り付けられた DMA チェーンの最大数を設定するために
は、loader.conf(5) のこの調整変数を設定します:
dev.mpr.X.max_chains=NNNN
デフォルトの max_chains 値は、16384 です。
空きチェーンのフレームの現在の番号は、dev.mpr.X.chain_free sysctl(8) 変数
にに格納されます。
ブート以来見られる空きチェーンのフレームの最低の番号は、
dev.mpr.X.chain_free_lowwater sysctl(8) 変数に格納されます。
ブート以来失敗したフレーム割り付けを束縛する回数は、
dev.mpr.X.chain_alloc_fail sysctl(8) 変数に格納されます。これは、
max_chains 調整変数が性能を助けるために増加するべきですかどうかを決定する
ために使用することができます。
アクティブな I/O コマンドの現在の番号は、dev.mpr.X.io_cmds_active
sysctl(8) 変数によって表示されます。
空き PRP ページの現在の番号は、dev.mpr.X.prp_pages_free sysctl(8) 変数に
格納されます。PRP ページは、分散/集中 (Scatter/Gather) リストにそっくり
な、I/O 転送のための NVMe デバイスによって使用されます。
ブート以来に見られる空き PRP ページの最も低い数は、
dev.mpr.X.prp_pages_free_lowwater sysctl(8) 変数に格納されます。
ブート以来、PRP ページ割り付けが失敗した回数は、
dev.mpr.X.prp_page_alloc_fail sysctl(8) 変数に格納されます。
すべてのアダプタのための I/O ごとに使用されるページの最大の数を設定するた
めには、この調整変数を loader.conf(5) を設定します:
hw.mpr.max_io_pages=NNNN
特有なアダプタのための I/O ごとに使用されるページの最大の数を設定するため
には、この調整変数を loader.conf(5) に設定します:
dev.mpr.X.max_io_pages=NNNN
デフォルト max_io_pages 値は、-1 であり、I/O ごとに使用される最大の I/O
サイズは、コントローラに格納される IOCFacts 値を使用して計算されることを
意味します。ドライバが max_io_pages のために使用する最も小さい値は、1 で
あり、そうでなければ、IOCFacts は、最大の I/O サイズを計算するために使用
されます。max_io_pages または IOCFacts から計算されるより小さい I/O サイ
ズは、ドライバによって使用される最大の I/O サイズとなります。
ブート以来に見られるアクティブな I/O コマンドの最大の番号は、
dev.mpr.X.io_cmds_highwater sysctl(8) 変数に格納されます。
デバイスは、loader.conf(5) にこの調整変数を設定することによってすべてのア
ダプタのための mpr の制御から除外することができます:
hw.mpr.exclude_ids=Y
Y は、デバイスのターゲット ID を表しています。複数のデバイスが除外される
ことになっているなら、ターゲット ID は、コンマによって区切られます。
デバイスは、loader.conf(5) のこの調整変数を設定することによって特定のアダ
プタのための mpr の制御から除外することができます:
dev.mpr.X.exclude_ids=Y
Y は、デバイスのターゲット ID を表しています。複数のデバイスが除外される
ことになっているなら、ターゲット ID は、コンマによって区切られます。
アダプタは、シャットダウンの間に StartStopUnit SCSI コマンドを SATA ダイ
レクトアクセスデバイスに発行することができます。これによって、デバイス
は、静かに電源を落すことができます。すべてのアダプタのために、この機能を
制御するためには、loader.conf(5) の
hw.mpr.enable_ssu
調整変数を次の値の 1 つに設定します:
0 SSU を HDD または SSD のいずれかに送りません。
1 SSU を SSD に送りますが、HDD には送りません。これは、デフォ
ルト値です。
2 SSU を HDD に送りますが、SSD には送りません。
3 SSU を HDD と SSD の両方に送ります。
特別のアダプタのために、この機能を制御するためには、loader.conf(5) に、こ
の調整変数値を設定します:
dev.mpr.X.enable_ssu
値の同じ集合は、すべてのアダプタのためのこの調整変数を設定するとき、有効
です。
SATA Identify コマンドをスピンアップ (spin up) して、失敗するために数秒か
かる SATA ディスクは、ドライバによって発見されません。この問題は、時々、
次の調整変数で loader.conf(5) のスピンアップの待ち時間の値を増加すること
によって打開することができます:
hw.mpr.spinup_wait_time=NNNN
NNNN は、デバイスが初期の SATA Identify コマンドに失敗するとき、スピン
アップする SATA デバイスを待つための秒数を表しています。
次の調整変数で loader.conf(5) の特有のアダプタのためにスピンアップ待ち時
間を設定することができます。
dev.mpr.X.spinup_wait_time=NNNN
NNNN は、それらが初期の SATA Identify コマンドに失敗するとき、スピンアッ
プする SATA デバイスを待つための秒数です。
ドライバは、向こう側に持続する特有のデバイスに対応しているターゲット ID
が、リセットし、リブートできるように、アダプタによって見つけられたデバイ
スにマップすることができます。ある場合に、囲まれたいくつかのタイプのよう
に、特定のハードウェアの予想外の振る舞いのために、デバイスが、それらの
マップされた ID を失う可能性があります。この問題を打開するために、調整変
数は、デバイスに関連する Phy 数を使用してデバイスにマップするようにドライ
バに強制することが提供されます。この機能は、トポロジが複数の囲み/拡張を含
むなら、推奨されません。複数の囲み/拡張がトポロジに存在するなら、Phy 数
は、繰り返され、最初のデバイスを除いて、これらの Phy 数ですべてのデバイス
は、列挙に失敗します。すべてのアダプタのための、この機能を制御するため
に、loader.conf(5) の
hw.mpr.use_phy_num
調整変数を、これらの値の 1 つに設定します。
-1 デバイスをマップする Phy 数だけを使用し、ドライバのマップす
る論理を迂回します。
0 決して、デバイスをマップする Phy 数を使用しません。
1 デバイスをマップする Phy 数を使用しますが、ドライバのマップ
する論理が列挙されているデバイスのマップすることに失敗する
場合のみ使用します。これは、デフォルト値です。
特有のアダプタのための、この機能を制御するために、loader.conf(5) の、この
調整変数の値を設定します:
dev.mpr.X.use_phy_num
値の同じ設定は、すべてのアダプタのために、この調整変数を設定するときのよ
うに有効です。
デバッグ
ドライバの診断の印刷 (表示) は、グローバルな hw.mpr.debug_level とデバイ
スごとの dev.mpr.X.debug_level 調整変数を使用して loader.conf(5) で制御さ
れます。sysctl(8) 変数 dev.mpr.X.debug_level を使用して実行時に、あらゆる
アダプタのためのデバッグレベルを変更することができます。
整数値またはテキスト文字列のいずれかによって、すべての debug_level 変数を
指定することができます。整数値を論理和 (OR)、または名前のコンマで区切られ
たされたリストを提供することによって、共に複数の値を指定することができま
す。"+" によって前置されたテキスト文字列は、指定されたデバッグレベルを既
存のセットに追加し、一方、接頭辞 "-" は、既存のセットからそれらを削除しま
す。現在の debug_level 状態は、便宜上の両方の形式で報告されます。次のレベ
ルが利用可能です:
フラグ 名前 説明
0x0001 info 基本的な情報 (デフォルトで有効にされる)
0x0002 fault ドライバの障害 (デフォルトで有効にされる)
0x0004 event コントローラのイベント
0x0008 log コントローラからデータをログ記録します
0x0010 recovery リカバリ操作をトレースします
0x0020 error パラメータエラーとプログラミングバグ
0x0040 init システムの初期化操作
0x0080 xinfo より詳しい情報
0x0100 user ユーザ生成のコマンドのトレース (IOCTL)
0x0200 mapping デバイスのマッピングのトレース
0x0400 trace ドライバ関数を通したトレース
関連項目
cam(4), cd(4), ch(4), da(4), mps(4), mpt(4), pci(4), sa(4), scsi(4),
targ(4), loader.conf(5), sysctl(8)
歴史
mpr ドライバは、FreeBSD 9.3 で登場しました。
作者
mpr ドライバは、Scott Long <scottl@FreeBSD.org> によって最初に書かれまし
た。それは、LSI Corporation、Avago Technologies (正式に LSI) と Broadcom
Ltd. (正式に Avago) によって改良され、テストされました。
このマニュアルページは、Stephen McConnell <slm@FreeBSD.org> の追加入力で
Ken Merry <ken@FreeBSD.org> によって書かれました。
FreeBSD 13.2 June 1, 2019 FreeBSD 13.2